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銃は剣よりも強しっ!  作者: うらにうむ
第二章 魔王国
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新米

たまには平和な回を。


療養しろ、と部屋に押し込まれ、特にやることもないからボーッとしていたのだが…


「みゃー」


「にゃはは!くすぐったいにゃー!」


(ニア)(ミーナ)が俺の部屋でじゃれ合っている。

正直うるさい。


「はぁ…仕事行けよ。新米のアニスの方が頑張ってるぞ」


「にゃ?アニスちゃんは頑張りすぎにゃ。お仕事ってのは適度に楽しながらやるものにゃ〜」


「…ミーナ。早く来ないか」


「にゃあっ!?アメリ姉!?」


ドアの前に立っているアメリとその後ろに居るアニス。

頭に手を当て、呆れたようにため息をつくアメリの姿を見て、観念したように正座をするミーナ。


「ミーナ、お仕事、しよ?」


「う…はい…」


「休憩は大事だが、お前の場合は多すぎる。よって、今から勤務終了まで休憩なしで掃除だ」


「うぐぅ…」


「アニスちゃん、今日の勤務は終わりだ。後はミーナに任せてゆっくりしなさい」


「やったぁ」


「アニス、こっちに座っていいぞ。おいしい紅茶とお菓子があるからな」


「はーい」


「ユウキ様。うちのミーナがすみません」


「いや、別にうるさいだけだから構わんぞ」


「それでは…ほら、行くぞ」


「あうう…」


アメリ姉さんに引っ張られて連行されるミーナを見送った後、アニスが俺の対面に座った。

新しいカップを出し、紅茶を淹れる。


「いただきます」


カップを持ち、ふーふーと息を吹きかけるメイド服のアニス。

とても似合っていて可愛い。


「おいしい…これも、食べていいの?」


「おう、好きなだけ食べていいぞ」


キィ…と小さく関節音を鳴らしながら、クッキーをつまみ、口に運ぶ。

頬を緩め、美味しそうにもぐもぐと咀嚼する姿は、小動物みたいだ。

つい先日、アンソルスが義手を完成させた。

魔力を流すことで動かせる義手であり、アニスが言うにはとても便利なものらしい。


「どうだ?義手には慣れたか?」


「うん、ちゃんと、使えるよ」


「そうか…それはよかった」


義手ができた次の日に、アニスはアメリの所にメイドの仕事をしたいと頼みに行ったのだ。

お世話になってる皆に恩返しがしたいということらしい。

今ではメイド達のアイドル的存在として扱われているようだ。

…それにしても、この魔王城のメイドの服は露出は少ないものの、やはり肌が露出している部分にある白い傷が目立つ。


「…どうか、した?」


「んや、かわいいなぁって」


「えへへ…」


最初出会った頃のあの全てに怯えるということは無くなり、男が少し怖いということを覗けば、年相応の女の子だ。

夜には一人で寝てもうなされることが無くなり、今は与えられたメイドの部屋で寝ている。

しかし、時折寂しいのか夜になってから俺やミーナの部屋にこっそりと行き、一緒に寝ることがある。

年下であり、妹みたいな存在でつい甘やかしてしまう。

…まぁ、可愛いからいいか。

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