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銃は剣よりも強しっ!  作者: うらにうむ
第一章 転機
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VS巨大熊


巨大な手が眼前に迫っていた。


「うおあっ!?あっぶねぇ!」


『ナイス回避です!反撃!反撃をっ!』


「まてっ!弾はさっきので撃ち尽くした!」


『はやくっ!装填してください!』


「リボルバーはリロードに時間がかかる!新しいのを創造しなおすほうが早い!」


ただ、熊の攻撃を避けることで頭がいっぱいで、創造する余裕がない。


何とかして一瞬でも時間が欲しいが…


熊は腕で薙ぎ払ったり、噛み付こうとしたり、転がったり、さまざまな攻撃を繰り出す。


これはモン〇ンの世界だったりするのか?


「おおおっ!!?」


「ウガアアアアアア!!」


大ぶりな横薙ぎの一撃をかわすと、熊がバランスを崩して倒れた。


『今ですっ!』


「おう!」


俺はM500を創造し、銃を向けた。


ダンッ!ダンッ!


胴体に二発命中。


『ナイスヒットです!!』


「いや待て、効いてなさそうだぞ…」


「ゴルルルル…ゴアアアアア!!!」


「うおあっ!あっぶねぇ…」


『どどど、どうしましょう!?銃でたおせるんですか!?』


弾倉に残っている弾も全て命中させてみるが、怯むだけで倒れる気配がない。


そりゃそうだ。こんなにでかいんだもんな。


約3メートル、象の体高とあまり変わらない。


…象…象か。


象を殺せる銃といえば、対物ライフルとか?


いやいや、そんなに重い長物を即座に構えて狙いを定めるなんてできる気がしない…


「グオオオオオ!!」


「くっ!考えろ、考えろ!」


いや待てよ、確か象を殺す拳銃があったはずだ。


名前はPfeifer(プファイファー)Zeliska(ツェリスカ)


世界最強の象撃ち拳銃だ。


重量は約6kg…


12kgのライフルを振り回すよりはマシだが、反動で肩がイカれそうだな。


『早くしないとこっちの体力が…!』


「うるせぇ!隙を探してんだこっちは!」


…よし、決めた。


俺は手榴弾を創造し、ピンを抜いて熊の後ろのほうに投げた。


『何やってんですか!外してますよ!』


「いいから黙って見てろ!」


手榴弾が大きな音を立てて起爆、熊は背後からの爆発で吹き飛んだ。


「ガ…グオオオオ…」


熊が起き上がる前にPfeifer Zeliskaを創造し、頭に銃口を突き付けた。


「象殺しの一撃だ!くらえや!」


ドゴォン!


銃弾がクマの脳天をぶち抜き、クマは動きを完全にとめた。


反動で腕がビリビリ痺れている。


「はぁ、はぁ…疲れた…」


『おぉ〜!今の口上、ちょっとかっこよかったですよ!』


「勢いで言ったんだ。はずいから掘り返さないでくれ」


死ぬかと思った…俺は熊の死体を見た。


爆発を受けた背中は、毛が焦げているだけで、あまり損傷はない。


計画通りだ。


「なぁ、こいつ、なんか売れる部位とかないのか?」


『ありますが、剝ぐんですか?』


「こんなに危ない戦闘したんだ。報酬がないと割に合わん」


『いや、まぁ…そうですね。なるほど、爆弾で倒そうとしなかったのはこのためなんですね』


「まぁな。あと、単純に危ないからな」


『まずは核からです。これは大体のモンスターの胸の中心についてる結晶です。これはモンスターを倒した証拠になる大切な結晶です。しかも、これは売れるので、クエストの報酬+核を売ったお金で冒険者たちは稼いでいます。内臓とかはクエストじゃない限り剝ぎ取る人はいません』


「なるほど、ちょっと待て、この巨体をひっくり返さないといけないってことか?」


『…そういうことですね』


「…マジかよ」


〜〜1時間後〜〜


『あとはそこの下にある…そう、それです。それで全部ですね。残った肉や内臓は野生の動物たちに任せましょう』


「血生臭ぇ…!」


『そりゃそうですよ。動物の内臓なんですから。毛皮の一部を剥いでそれに内臓を包んで持っていきましょう』


手や服を血まみれにして、核と売れる内臓をほとんど剥ぎ取った。


血まみれで街に行くわけにはいかないので、どこかで血を流さなければならない。


『確かさっき、熊から逃げるときに湖がありましたよ』


(よく見てんな。逃げるのに精いっぱいで気づかなかったぞ)


『そうですね。じゃあ向かいながら私たちの目標を話しましょうか』


(魔王だっけか?)


『ええ。ちなみに魔王はあなたと同じように神の体に受肉してこの世界に来た者です』


(神が魔王ね…どんな神なの?)


『邪神です!あの子はもうすっごい悪い奴です!』


(お、おう。やけに食い気味だな)


『昔から私のやることをすべて邪魔するんです!まぁ、とりあえずあの子を倒すのが目標ってことです』


(とりあえず了解…そういえば、俺が選ばれた理由とかあるのか?)


『あの子が死んだ人の魂を自分の身体に受肉させて現界したって噂を聞いたので、私もしてみようと思って人間を探してたら、偶然あなたが歩いてるのを見つけて…あっ』


(…ちょっと待て。お前まさか憎い相手を追いかけるために歩いてた俺を殺したのか?)


『…そ、そんなことないですよ〜やだ〜』


(声が上擦ってるぞ)


『…ごめんなさい…私がやりました…』


「マッチポンプじゃねぇか馬鹿女神!」


おいおいマジか…


『ごめんなさいごめんなさい!』


「お前さぁ!やっていいことと悪いことくらいわかるだろ!殺したのが俺でよかったな!普通なら許されないからな!」


『ううっ本当に嫌われても仕方ないと…えっ?許してくれるんですか?』


(まぁ生きてる意味がなかったからな)


『へ?えーっと、私が言うことじゃないのはわかってますけど、本当にそれでいいんですか?』


(何もない人生よりも、今こうやってお前に必要とされて、死にかけてるほうがよっぽど楽しいよ)


『ユウキさん、あなたは…いや、今は止めておきます』


(おう、湖が見えてきたぞ)


察しがよくて助かる。


応援よろしくお願いします!

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