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銃は剣よりも強しっ!  作者: うらにうむ
第二章 魔王国
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アルファ

こんなタイトルのくせに最近銃要素が少ないから今回はそれっぽいのを。

タイトル変えようかしら…


訂正:最後の『ドライツェーンを消し』を『アルファを消し』に変更。

下書き段階ではアルファではなくドライツェーンにしようと思ってたのです。

やっぱり投稿前の確認って大事ね…


「ただいま…はぁっ、はぁっ…」


「ユウキくん大丈夫かい!?と、とりあえずこれ飲んで。発情を抑える薬だよ」


「ああ、助かる…」


「ユウキさん…本当にユウキさんですよね?」


「俺だけど?」


ぺたぺたと俺の顔を触り始めたネム。

その顔は少し心配そうで、何だかこっちも不安になってくる。


「おっかしいですねー…ということはあれは本当に…?」


「あぁ、そういえば、誰が俺を助けてくれたんだ?」


「…覚えてないんですか?」


「お、おう」


ずいっ、と顔を近づけてきたネムを引き剥がす。

しかし、ネムはじーっ、と俺の顔を見つめている。


「いきなり笑いだしたユウキさんが、一瞬で全員を殺害してたの、本当に覚えてないんですか?」


「え…?」




「クククッ、アハハハハッ!!」


「…なんだ?とうとう気が狂っ…かぺっ」


横になった状態から鋭い足爪でAの首を抉り、別のBの顔を蹴り飛ばした。


「ひ、ひいっ!!」


「やめろ!近寄…ぎああああああ!!」


残ったCの喉に噛みつき、引きちぎった。


「チッ…何故あんなに煙を浴びておいて動けるのだ…」


「ケケケッ」


不気味に笑ったユウキは顔を蹴り飛ばされて悶えていた男の胸に足を突き刺し、肋骨を引き抜いた。

その肋骨を足の指に挟んだまま振りかぶり、眼鏡男の喉目掛けて放った。

骨は喉を貫通し、眼鏡男は何が起こったのかもわからずに、そのまま絶命した。




「嘘だろ…?」


「ま、まぁ、生き物は、特に獣人なんかは追い詰められたら本気を出すって言うからさ」


「それでも、記憶が無いなんて…まぁ無事だったから何よりです」


口の中や爪の隙間に挟まってた謎の物体は肉片だったってことか…

というか、足で肋骨引き抜いてそれをダーツみたいに狙った場所に投げるとか、そんな技術身につけた覚えはない。

一体どうなってるんだ?


〜〜風呂〜〜


「はぁ…散々な目にあったな…」


浴槽に浸かり、一息ついた。

湯気でくもった窓を手で拭き、外を眺める。

やはり、まだ満月が出ている。


「んっ…ふぅ」


持ってきた酒をお猪口に注ぎ、ちびちびと呑む。

季節が秋で、露天風呂だったらもう少し風流があっただろうけど、そんなことはどうでもいい。

大人ぶって月見酒をしてるだけだしな。


身体が温まって酔いが回るのが早くなっているのか、何も考えずにぼーっと月を眺めていた。

そういえば気を失う前、こうやって月見てたんだよな。

確か、誰かの声が聞こえた気がして…

その後は記憶が無いが、ネムが言うには人が変わったように笑いながら男たちを惨殺していったとか…


――人が変わったように?なんにも変わっちゃいねえよ


「…」


手の上に現れたのは、俺が名前を付けて可愛がった銃の1つである『アルファ』。

威力、精度、実用性を追求した、M1911A1だ。

毎日のように手入れをして、いつも手の届く場所に置いていた相棒。

あぁ、この世界に持って来れなかったのが残念だよ。


「こいつが本物だったらな…」


サムセーフティとスライドストップを操作しやすいように大型化。

マガジンキャッチボタンは誤作動を起こさないよう、低めに削ってある。

グリップのフロントストラップにはチェッカリング加工を施しており、滑り止めの役割を果たしてくれている。

ハンマーは軽量化のためにリングハンマーを。

スライドはもちろん強化スライド。

サイレンサーをつけるためにバレルを交換したり、トリガープルを軽くするための改造。

他にも様々なカスタムを施した、M1911A1だ。

ここまでこだわりのある銃だが、今持っているのは、ただのマナの塊だ。

…本物がここにあったら、この胸に抱えている不安も無くなっただろうか?


「…はぁ、上がろ」


アルファを消し、風呂から出た。


浴槽に浸かりながらお酒飲んだりするオシャレなあれ、危ないらしいのでやるときは気を付けてね。


銃そのものは好きだけど、カスタムに関してはからっきしだから、とある作品に出てくる銃の説明を見ながら書きました。なにか間違ってたらそーりー。

それと、ユウキ君が生前どんな人物だったのかざっくり分かってきた人居そう。


以上、最近元気がいいうらにうむによるあとがきでした。



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