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銃は剣よりも強しっ!  作者: うらにうむ
第二章 魔王国
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資料室

あけましておめでとうございます(遅い)。



「こちらユウキ、城内に侵入した」


『はいはい、ちょっと待ちなよ…よし、これだ。今どこにいる?』


「えっと…応接間かな?」


『それじゃあ…外に出たら右に曲がって突き当りまでまっすぐ行って』


真夜中の城内。

ほとんどの人間が眠っているであろう時間帯で、物音ひとつ聞こえない。

潜入と言ったら苦い記憶もあるが、今度こそは失敗しないように気を付けないといけない。


『突き当りに着いたら、そこを左にまっすぐ。そこから三つ目の扉が資料室だよ』


「了解」


今日は城内の資料室から書類を拝借するという任務だ。

物音を立てないように慎重に歩いていると、奥の方から何者かの靴音。

慌てずに物陰に隠れ、もしものためにナイフを抜いておく。

息を止め、真横を通っていく人影をじっと見つめた。


「~♪」


陽気な口笛を鳴らしながら歩いていく警備員。

通り過ぎても動かずに、警備員が見えなくなるまで。


「…はぁっ、ふぅ…」


もう一度前後を確認し、誰もいないことを確認し、資料室に入った。

幸いカギはかかっておらず、あっさりと目的地に到着してしまった。

中には4個の本棚が並んでおり、びっしりと冊子が詰め込まれている。


「メレス、資料室に着いた。どれを持って帰ったらいいんだ?」


『えっと、この国の主要施設の…』


メレスからの指令を忘れないようにメモに書き写していく。


『以上、とりあえず今日はこれくらいで。一気に盗んだら』


さて…この中から探すのはさすがに骨が折れる。

懐中電灯を創造して、本棚を照らす。

背表紙に文字が書いていないだと…

骨が折れるどころの話じゃなさそうだ。

日が昇るまでに終わったらいいのだが…


――――――


「城内に勤務する者へ、立ち入り禁止の部屋について…これは必要…かな」


『ユウキ君、そろそろ日の出だよ。そろそろ切り上げた方がいい』


「了解、ちょうど全部の棚を漁り終わったところだ」


資料室から出て、裏口の向かう。

ちょうど使用人の起床時間なのか、時々廊下を歩く使用人と思しきを人達を見かける。

来た時よりも慎重に行かなくては…


―――――――――


「はああ…疲れた…ほい、資料」


「うんうん、お疲れ様、ユウキ君」


「お疲れ様ですぅ…私も疲れました…」


「お前この任務で何かしてたのか?」


俺が潜入して、メレスが指示を出す。

ネムは別に何もしなくてよかったはずだが…


「むっ、何を言いますか。これでも私、権能で創った鳥を使って資料室の周りを監視してたんですよ?」


そう言って、ポンッ、と手の上に鳥を出現させた。


「そうだったのか…」


「ふふん、この私に感謝してくれてもいいんですよ?」


「…そうだな。ありがとう、ネム」


「うんうん、どういたしまして!」

今年もよろしくお願いいたします。

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