睡魔
年末ですね。
毎話短いくせに週一更新なこの作品を見てくださり、ありがとうございます。
来年の目標は投稿頻度をもう少し上げることと、もっと文章力を向上させることです。
良いお年を。
食事を終えた俺たちは、旅と大掃除の疲れで睡眠モードに突入しかけていた。
しかし、俺は食器を洗わないといけないし、メレスも仕事が残っているため、ギリギリのところで耐えることができた。
ちなみにネムはソファーに座った瞬間寝息を立て始めたのでベッドに運んでおいた。
そして現在は…
「ふあぁ~…あったかい…ねみぃ…」
風呂に浸かり、あくびをしていた。
三日ぶりの湯舟は最高に気持ちが良く、湯船に浸かったまま寝てしまいたいくらいだ。
「ん…今日も…月、綺麗だなぁ」
湯気で曇った窓を手で拭うと、暗くなった空には大きな月が浮かんでいるのが見えた。
それをぼーっと眺めていた。
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「あがるか…」
時間を忘れてぼーっとしていると、いつの間にかお湯がぬるくなっていたため、風呂から出た。
犬のようにいったん体を振って水を払い、耳と尻尾を軽く握って水を抜き、タオルで水気を拭きとる。
髪は痛まないようにタオルで挟んで優しく押しながら水分を取る。
ネムに再三言われているので、面倒くさいが毎日やっている。
あぁ…ドライヤーが欲しい…今度メレスに頼んでみるか。
リビングに行くと、ソファーに座ったメレスが独り言を…いや、あれは通話石でツムギと話しているようだ。
『…とりあえず長時間の移動、お疲れさまでした。時間はまだたくさんあるので明日くらいはゆっくり休んでくださいね』
「うん、わかったよ。魔王様もいつまでも書類とにらめっこしてないで、偶には早く寝なよ?睡眠不足は体調にもお肌にも影響が出るんだからね」
『う…わかりました…。今日くらいは早めに寝ようと思います』
「うんうん。それじゃあ切るね。おやすみ…ふわぁあ…眠たい…。あ、ユウキ君、お風呂長かったね。もしかして寝てた?」
「いや、そんなことなかったと思うけど…。俺、どれくらい風呂入ってた?」
「えーっと、45分くらい?」
「そんなに入ってたっけ…知らないうちに寝てたのかもしれないな」
体感では15分くらいだったのだが…
そろそろ眠気で脳がバグってきたのかもしれない。
「重症だね…今日は夜更かしせずに早く寝なよ」
「ああ、そうする…おやすみ」
「うん、おやすみ」
そう言って、俺はネムが寝ている個室に入った。
俺とネムは小さいので、二人で一部屋、同じベッドを使うことになっている。
そもそも人間界に居た頃も同じベッドで寝ていたので特に抵抗は無い。
ネムの隣に入ろうとして、もぞもぞと動く黒いモノを見つけた。
「みぅ…?」
「ニア、ここに居たんだな」
眠っているネムの隣で丸くなっていたニアを抱え、一緒に布団に入った。
「おやすみ、ニア」
「みー…」
前書きで年の最後の挨拶みたいなこと書いてるけど、大晦日までにもう一話更新する予定。




