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銃は剣よりも強しっ!  作者: うらにうむ
第二章 魔王国
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幼いながらに眉目秀麗、文武両道。

大人たちからは神童と呼ばれていた。

休み時間に校庭で遊ぶ同級生たちを気にも留めず、一人で難しそうな冊子を読み、ぶつぶつと独り言をつぶやく少年は、同級生からしてみれば不気味だっただろう。



少年が泣いていた。

それを見た女はさらに少年を痛めつける。


「なに泣いているのよ!?その涙は○○のために取っておきなさい!」



少年が泣いている。

それを見た男は冷たい目で少年を見下ろした。


「はぁ…私たちの子供のはずなのになぜこんな簡単なことができないんだ」




男女の遺体の傍に座った少年が、手を赤く染めて泣いている。

駆けつけた男は目を見開いた。


「少年!大丈夫か!?何があったか言えるかい!?」


「パパとママ…死んじゃったの?」


―――――

―――


「いっ…つぅ…」


突然の頭痛で目を覚ました。

隣でネムとメレスがすやすやと寝息を立てているため、起こさないように外に出る。

熱を帯びた頭が、夜風で徐々に冷えていく。

一息つき、空を眺める。

…今日も月が綺麗だ。

何故だろうか。

最近、よく月を見るようになった。

狼と言えば月、みたいなところあるし、狼人になったことも関係しているのだろう。

綺麗だし、見ていて悪い気もしないから良いのだが、特に月がきれいな日の翌朝は必ずと言っていいほど寝起きが悪い。

これも狼人の特性だろうか?

そういえば、月は何かの象徴って聞いたことがあるけど、なんだっけ。

…忘れた。

とりあえず、眠気も失せたし暖を取りながら見張りでもしておこう。

コラルが近いとはいえ、用心深いに越したことは無い。


…本当に、今日はツキがキレイだなぁ。


最近気が付いたんですけど、月って本当に綺麗ですよね。

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