表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/36

風紀特殊外戦委員会の誘い4

 それから数分後。


 気を失っていた火乃子は目を覚まし、負けた事を涙目になりながら悔しがり、去り際に一言、


「まだ諦めたわけではありませんわ! 次に機会があれば、その時、旭君を(わたくし)のものにしてみますの!」


 そう言い、恵愛と静華を連れ去っていった。去り際に恵愛と静華は、やったねっと言うようにぐっと笑いながらこっそりとガッツポーズをしていた。


 その後に残ったのは、風紀特殊外戦委員会のメンバー、それと旭と美和の五名。美和は体育館のあと片付けを終え、四人のもとに。


「日和ちゃん、カレンちゃん。旭はまだ入るかどうか分からないけどよろしくね……」


「はい、当然です。守りますとも」


「後輩ですものね」


「それじゃあ出てった出てった。体育館閉めるからねー」


 真剣な声から明るさを戻す。


「じゃあ委員会室に行こうか」


 にっこりと微笑む日和にただ「はい」と応え、そのまま後ろについて行く旭だった。











 ガラリと開かれる委員会室、電気をつけて暗かった部屋に光がともる。


 真ん中には大きなテーブルがあり、部屋の隅っこにはソファがあった。他にも色々とあるが省略。


「とりあえず座ろうか」


 そう日和は言い、ソファの方を勧める。


 旭はそのまま言われて通りに座り、その隣に椿が座った。


 残りの二人は向かいのソファに座る。


「さて、それじゃあ入る入らないの前に説明をしないとね」


 ソファとソファの間にもテーブルがあり旭と椿の前にペットボトルのお茶が置かれた。


「「ありがとうございます」」


「いえいえ」


 委員会室に来る前に買っていた様だった。


「まず風紀特殊外戦委員会って聞くだけで、普通の風紀委員会とは違うのは分かるよね。まー普通に学園の風紀を取り締まったりも当然するんだけど、それはほぼおまけで、学園内のフェアリーによる私的戦闘を止める事が主な目的」


 日和は自分で買ったお茶を一口飲む。


「それで学園内だけではなく、僕達特戦は学園外のフェアリーの事件も取り締まったりもするんだ。これはどこの学校、学園にも僕達みたいな特戦はあって、国によって決められた委員会なんだよ。だから給料も出たりするんだよね」


「えっ!? お金もらえるんですか?」


 そこでニヤリと日和は笑った。


「うん、貰えるよ。基本は五万だけど、何かしらの事件の解決に関わったらボーナスも貰える。言わばフェアリー治安部隊の下位存在かな」


「なるほど。お金、ボーナス、なるほど」


 漫画、アニメ的に言うと目が¥になっていた。


「とりあえずの説明はこれくらいかな? でっ、どうする旭君?」


 くぴくぴと飲むカレンも、


「どうするのよ。目が¥になってるけど」


 呆れながら言う。


 椿は笑いながら、


「入ろうよ。一緒に頑張ろうよ」


 旭の袖を引っ張る。


 うーんと悩む様に眉間にシワを寄せ目をつむる。


 ほとんど入る事が頭内では決まっているのだが、悩むふりをする。


「入ってもいいです(かね)、間違えた入ります」


 くくくっと笑う日和、呆れ顔のカレン、笑いを堪える椿。


「じゃあ明日もここに来てくれ。皆に紹介しないといけないからね」


 頷いた旭はペットボトルのお茶を飲み干し、椿と共に委員会室を後にした。






□■□■□






 次の日、授業は全て終わり、放課後。


 恵愛、静華と別れ、椿と共に委員会室へと向かった。


「そういえば特戦? って何人くらい居んの?」


「んーと、全体で十二人だよ。旭で十三人目になるかなー」


「へー、結構多いなー。それで心構え的な事ある?」


「無い無い。普通にしてたらいいよ」


 何か緊張しているようで、ソワソワとする旭。


 そして委員会室に着き、椿がノックし、中からどーぞと声が聞こえ、ドアを椿が開ける。旭はゴクリと生唾を飲み込んだ。


「失礼します」

「ひ、失礼します」


 中には十一人の男女がいた。全員揃っていた。


 旭が知っている人は日和とカレンだけ、後は初めて見る顔である。


「旭君こっちこっち」


 大きなテーブルの端に日和とカレン。日和に手招きされ、それに従い向かう。椿は後ろの方の席に座った。


 そして日和とカレンのあいだに立った旭に注目が集まる。色々な視線が突き刺さる。


 どうすればいいか分からず、冷や汗が出る。


「この子が天乃風先生の弟さん、旭君だ。今日からみんなの仲間になる。仲良く頼むな」


 日和の言葉にカレン以外の全員が「はい!」っと言葉を返した。


「旭君、何か言っとくかい?」


 右手を座る全員に向けて言った。


「あ、は、はい。あの、先程先輩が言った通り天乃風 美和の弟で旭っていいます。気軽に旭って呼んでください。まだ全然分からない事だらけですが、よろしくお願いします」


 パチパチと日和とカレン、椿が手を叩くと、周りも同じく手を叩きはじめる。


 そして拍手がおさまると、


「さて、それじゃあ旭君は私のチームに入るから、椿の隣に座ってくれるかい」


 女子が座る場所を指差し言ったのだが、そこで、カレンが抗議(こうぎ)の声を上げ立ち上がる。


「ちょっと待ちなさい。何故男子の旭が私の所では無く、あなたの所なの? 普通旭は私達の男子チームでしょ?」


 そこでニヤリと笑って、


「天乃風先生からお願いされたのだよ。もし旭君が入る事になったら、女子側にしてほしいとね」


 得意げにびしっとカレンに指をさした。


「なっ、先生がそんな事を……。それじゃあ何も言えないじゃない」


 そう言って悔しそうに座るカレン。


「そういう事で、旭君もわかったね?」


 旭としては椿がいるチームに入れる方が楽なので、何も言わず「あ、はい」っと椿の隣の席に座った。


 その後は昨日のあったフェアリーによる私闘などや事件などが話し合われ、男子チーム女子チームに分かれ、行動を開始した。

 よかったらでいいんで、物語の正直な感想をいただけたらありがたいですm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ