風紀特殊外戦委員会の誘い3
今回のルールは前回の体育の時間と同じく、降参、気絶、防御膜のポイントがゼロになると負けである。
中央のフィールドでは火乃子。それと日和、カレンも入っていた。
「やあ……。金髪少女の奇跡、その実力がどんなものか期待してるよ」
その言葉を残し、日和、カレンはフィールドを出ていく。
何の事だか分からない旭は首をひとつかしげ、火乃子に目を向けた。
「今の先輩の言ってた事って、分かる?」
「さあ? 勝負がついたらわかるんじゃありませんの?」
「ふーん。まーええねんけど……」
まだ開始前ではあるが、ピリピリとした空気がフィールドを包んでいた。
制御室から美和の声が聞こえる。
「それじゃあ、行くわよ」
火乃子、旭はフェアリーの武装を始める。
「ジャンヌ、よろしく!」
「キューちゃん、来てっ!」
金髪碧眼は変わらず、髪が少し伸び、西洋の鎧を身に付け、一本の西洋剣を握りしめる。
火乃子は金色の尻尾が九本、狐の耳が生え、尻尾の一つを掴み、変化し、薙刀になった。
お互い戦闘の準備が整う。
「始め!」
美和の声が響いた瞬間、両者突撃、激突。
旭が受ける形となり、剣を滑らせ斬ろうとするが、後ろに下がり躱され、薙刀の長さを利用し、旭の剣を下に弾き、上に振りかぶり、薙刀を放つ。それを旭は前に進み近付いて、紙一重で躱し、柄で打撃を入れた。
「はっく!」
打撃が入った火乃子はよろめき、瞬時に後ろに逃げる。
「ふっ! んっ! やっ! はあ!」
それを追いかける旭。近付き何度も何度も色々な場所に打ち込んで行く。
何とか受け流すが、辛い状態が続く。
「くっ、狐火!!」
そう叫ぶと全部の尻尾が青白く燃え上がり、旭を襲うが、読んでいた様に後ろに飛び、
「ブクリエ!」
旭の全体を守る様に目の前に透明な何かが現れ、青白い炎を防いだ。
防がれた事に驚き、連続で火の玉を無差別にに飛ばす。
旭からは大きく外れたが、方向転換をし、旭の方に全てが飛んで行く。
「ブクリエ、後ろに展開」
が、後ろを見ないで先程のバリアの様なものを自分の背後に展開させ、全てを防ぎ切る。
もうもうと煙が立ち込める。旭はその煙を払う様に剣を走らせる。その瞬間光が煙をはじき飛ばし、消し去った。
両者睨み合う。先に動いたのは火乃子。
残りの尻尾が真っ直ぐと伸ばされ、まるで刃物の様にとんがり、自由自在に動き始め、旭目掛けて突っ込んで行くが、どう来るか分かっているかの様に少しだけ避け、剣で滑らすを繰り返す。
全ての攻撃が躱され、弾かれ、火乃子は自分の攻撃が見透かされているかのように感じ、ゾクリとし、旭の顔見たが真っ直ぐと火乃子をただ見ていた。
「ああああーー!!」
フィールドのギリギリまで伸ばした尻尾を踊るように自身が回り、これならばと薙ぎ払う。
その猛烈な勢いで遅い来る尻尾に対し、旭は上にジャンプし、なにかの上に乗り、そのまま道のない空中を走り出した。
「エスポワールサーブル!」
そう叫ぶと旭の剣が金色に光出す。
火乃子は色々な事を含めて、
「そんなのありですのー!?」
と叫び、瞬時に尻尾を戻し、尻尾を一本の残し、切り離した。
切り離された七本の尻尾は蠢き、火乃子と同じ姿に変化し、ちりじりに逃げて旭から距離をとる。
だが真っ直ぐに一人を狙う。
「なんで分かりますの!?」
その言葉に旭は笑う。
「くくっ、ごめん。分かってまうんよ」
「なら、一斉攻撃ですの!!」
八人の火乃子。薙刀に狐火を宿らせ、構え、一斉に旭に攻撃を仕掛けた。
「この能力卑怯やと思うけど、負けられへんからなー、ほんまごめんな?」
「まだ負けてませんの!!」
色々な方向から薙刀を躱して受け流し、
「いや……。もう見えたから」
「えっ?」
金色に光る剣が一人の火乃子の腹に突き刺さり、上に向けて斬り裂いた。
周りはどよめき、他の火乃子は消えて、たった一人になった火乃子は倒れた。
周りの人間達は焦った様にフィールドに入っていき、火乃子の状態を確認するが、傷一つ無く、血などは出ていない。ただ寝息を立てていた。
短過ぎですよね(--;)すいません( ´ㅁ` ;)




