オフコラボ feat.レベッカ・カタストロフィー #10『再開』
「うん。とても美味しかったよ。もうお腹いっぱい!」
「お粗末さまです。そう言っていただけるだけでよかったです」
レベッカさんは濃い味が好きなのかな?
全部食べ終えて分かったことは、味が少し濃ゆすぎたことかな。
チキン南蛮の何個かは塩コショウの味が強く出過ぎてたし、たれも味見した時はなかなか良かったのに、いざ食べてみると、後々酸っぱさを強く感じてしまった。
もう少し砂糖を入れてよかったかも。
「それにしても、タルタルソースって自分で作れるんだね」
「ですね。でも僕は市販のタルタルソースが好きです。今回はさすがにタルタルソースが置いてなかったので作りましたけど……。でも母さんたちは手作りタルタルソースで満足みたいなので、なかなか市販のものを買うことがでません」
「なるほど、人それぞれに好みがあるんだね」
「そういうことです。……それじゃあ片付け始めちゃいましょうか。あとに十分くらいで配信再開なのでレベッカさんは配信の準備をお願いします。僕は洗いものしておきますので」
「オーケー!」
レベッカさんが配信の準備をしてくれている間に、僕は今日使った道具の片づけを始める。
この家にはしっかりとキッチンペーパーが置いてあってとても助かる。
油をそのまま捨てることはできないから、キッチンペーパーでしっかりとふき取って、鶏肉を振るときに使った袋の中にポイ。
一枚使ってみたけど、流石にまだたくさん油が残っている。
少し多くなっちゃうけど、一気に数枚使ってふき取っていこうかな。
「……よし、これで油汚れは終了! 次は洗い物しようかな。時間までは後10分切ってるし少しいそご!」
洗い物は少し多いけどぎりぎり間に合うかな。
とりあえず、先にフライパンを水につけといて、その間に食器を洗っておこう。
炊飯ジャーの中にはお米は残ってないし、この中のもしっかりとね。
食器を洗い終わった後は、料理道具。
洗うのは少し大変だけどしっかりと洗う!
少しでも油が残っていると、乾いた後にべとべとしちゃうからね。
卵を溶いたお椀に、タレを作ったお鍋。
最後にお肉を焼いたフライパンをしっかりと洗う。
最後に洗剤を洗い流して……よし!
「洗い物はこれで終わり!」
『あ、ヤマト終わった? 配信再開しちゃってるよ!』
「今行きます!」
手を拭いてからレベッカさんのもとに向かう。
配信部屋でない分移動がとても楽だ。
『お待たせいたしましたご主人様。これより耐久配信を再開したいと思います』
待ってました!
ヤマトって、配信の時と配信外の時の雰囲気って少し違うんだね!
配信の時は普通に執事だけど、配信外の時はしっかり者の弟みたいな感じ!
どっちのヤマトも最高だけど、やっぱり配信の時のヤマトの方がしっくりくる
『そんなに違いますかね? あんまり意識したことはないですけど。レベッカさまはどう思いますか?』
『どうだろう。私といるときは普通にオンの時のヤマトとあんまり変わらないし、違いが判らないかな?』
『そうですか』
うーん、意識していることと言えば、配信の時は執事っぽい感じで話すようにしていることだけだけど、そんなに普段の僕と違うのかな……。
『まぁ、ヤマトはヤマト何だしあんまり気にしなくてもいいんじゃない?』
『……そうですね。それよりも今は早めに始めましょうか。いくら小学生レベルとは言えとくのが僕ですからね。相当時間はかかると思いますよ』
歴史は得意な方だけど、小学生の時もそんなに成績よくなかったからなぁ。
簡単なミスだけだと思うけど、気を抜かずにしっかりと解いていこう。
『それでは早速進めていきます。……っと、あれ? なんかさっきまでと違くないですか?』
あれ?
さっきまでとはだいぶ違う……
別の機能じゃないよね?
どうなってんの?
さっきまではRPG風だったのに、今は普通に問題文と回答欄が並ぶテスト方式。
『実は小学生の『歴史問題』には『RPGモード』が存在しなかったんだよ。代わりに『一問一答 百問!』テストがあったから、それやってみようか! このモードは1問1点で合計点数は100点。因みに合格点は90点になってて、何より90点超えるまでテストを終えることができない!』
『……オワタ。これは終わりましたね』
つまり、僕は90問以上正解しないといけないってこと。
そんな問題数正解したことないし、やったこともないよ!
『因みに問題は最初に昔で最後に現代と近づいてくるけど、2回目以降は問題の内容が変わってたりするから暗記はできないよ!』
『つまり『テスト』ってことですよね?』
『正解。一問一答だから、1問解いたら答え、そのあとまた1問って形だからゆっくり考えて大丈夫だよ。時間制限もないし』
『それはありがたいです。それでは早速ですが解いていきたいと思います!』
『頑張って。私は後ろから突っ込んだりするから!』
『はい』
この問題形式、なかなかいいかもしれない。
さっきまでのRPG式だと、最終的にレベッカさまに頼ってしまいそうだけど、これなら頼ることはほとんどない上に、問題以外のことを考えなくて済む。
面白いかは別だけど……。
『早速問題が出てきましたね。【邪馬台国の女王は誰でしょう】……これくらいできますね。正解は……【小野妹子】っと』
『はいっ!?』
回答を打ち込んで次のページへ進むと、なぜかバツがついていた。
『これなんて読むんですか? 『ひ、や? こ』ですかね?』
『ひみこ、ね』
『へぇ、初めて知りました』
『割と最初の方に出てくると思うけど。知らなかったとしても『小野妹子』とは普通間違えないよ』
流石に……
間違えるとしたら遣隋使と遣唐使の時だけだろ
しかもちゃんと女王って書いてたし。
……ヤマトもしかして。
『何よりも女王だよ。その時点で『小野妹子』はないよ』
『何言ってるんですか? 『小野妹子』は女性ですよ』
『……その時点からか。いい! 『小野妹子』はれっきとした男性だよ!』
『さすがにバカな僕でもその嘘くらいは分かりますよ。だって書いてあるじゃないですか、妹子って。そういう系の名前は基本女性ですよ』
『……だったらリスナーに聞いてみようか。みんなは男性と女性どっちだと思う?』
男性!
よく間違えられるけど男性
習いたては女性と間違いやすいけど男性。
そもそも生きてる時代が違うからね。因みに男性
男性
コメント欄が『男性』の文字であふれかえってしまった。
その中には親衛隊の人もちらほら。
親衛隊さまたちが嘘をつくとは思えないし、……本当に男性なの?
『どうヤマト、これで信じてくれた?』
『はい、まさか小野妹子が男性だったなんて、初めて知りました。因みに小野妹子はなにした人なんですか?』
『遣隋使で隋に行った人だよ』
『隋……』
どこそこ。
初めて聞いたよ、そんな国。
世界地図にあったかな?
『……次の問題に進みましょうか。【鍵穴の形をした大阪府堺市にある古墳の名前を何というでしょう】……これなんでしたっけ!?』
古墳って言うのがお墓って言うことは知ってるんだけど、名前が思い出せない!
『とりあえず、分かる古墳の名前を適当に書いてみたら? 当たるかもしれないよ』
『……そうですね。それじゃあ【西都原古墳群】っと』
答えを書き込んで次に進んでみるものの、当然間違い。
まぁそれもそうか。
そもそも大阪府じゃないし。
『さ、サイトバルコフングン。何それ……』
『宮崎の西都市にある古墳群です。僕が知っているのここしかないので』
『た、確かに適当に書いてみたらッて言ったけど、だいぶ違うよね』
『僕、ここしか知らないので』
『……じゃあ仕方ないか。因みに画面に答え書いてあるけど【前方後円墳】って言う名前だからしっかり覚えてね』
『あ、思い出しました! 墳以外簡単な漢字の古墳だ!』
今になってやっと思い出した。
解けた問題を間違えるなんてもったいないな~。
……よし! 切り替えて次に行こう!
『【冠位十二階や17条の憲法を作ったのは誰?】人名ですか。この人はあれですね! 知ってます!』
『お、じゃあ解いてみようか』
『はい、答えは【推古天皇】です!』
『……』
推古天皇と入れて次へ進むが、不正解。
『なんで!?』
『それはこっちのセリフだよ! どうしてそっちに行っちゃうの!?』
『違うんですか!?』
『違う! 答えは聖徳太子だよ!』
聖徳太子、聖徳太子……ああ!
『同時に10人の声を聴き分けることができるって言うあの人ですね!』
『その人だよ。歴史は得意じゃなかったの?』
『一定の場所が得意なだけで、全般できるわけじゃありませんよ』
『……これは長い戦いになりそう』
これまでの問題で1問も解けないなんてヤバくない?
流石にこれは解けないとやばい。
一定の場所というとやっぱり戦国か?
さて、何時間かかるかな?
『……よし、私も覚悟決めたよ。今日はとことん付き合うね!』
『よろしくお願いします。では次の問題です。【遣隋使として派遣されたのは誰?】……簡単ですね』
『うん。これはさっき出たよ!』
とりあえず1問
これが最初の一歩か……
先が長すぎる……
1日で終わるか?
これはさすがの僕でもわかるよ。
『答えは【小野……妹子】!』
『正解! やっと1問! たったの数分が数時間に感じたよー』
よし!
ヤマトだから少し心配したけど流石にそこまで馬鹿じゃなかったか。
一瞬考えてなかった?
間違えてないから問題ない!
『よし! これで1問。ここからは1問も間違えることなく行きたいと思います!』
『うん。ガンバロウネ』
レベッカの言葉に魂がこもってない
流石に無理だろ。
1週目は覚える時間に使おう!
ヤマト様ならできます!
けなげに頑張るヤマトきゅん可愛い!!
『それじゃあ次の問題に行きましょうか!』
後、2、3話くらいで終わりたいです!
流石に長くやりすぎたので、巻きで面白い話を書いていきます!




