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高校受験に失敗したのでVtuberで才能を発揮します!  作者: 楪桔梗
第七章 ゴールデンウィーク!!!!

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オフコラボ feat.レベッカ・カタストロフィー #4


『それじゃ13時になったのでゲームを再開するよー!』


あの後、昼ご飯を食べた僕たちだったけど、特に何もなかった。


というよりも、届いた弁当を食べながら普通に世間話をしていたら時間なんてすぐに過ぎて行ってしまった。


『ヤマト、ここからは私が解いていくから後ろから見ててね!』

『はい。頑張ってください』



流石レベッカ、午前の雰囲気を完全になくしてる。

レベッカのこういうところ、マジすごいよな。

ヤマト、今後は気をつけろよ



『私まだゲーム始めてないから配信見れるんだけどさぁ、もとはと言えばみんなが注意すればいいことだったんじゃないの?』



あれ?

これ俺たちも……

怒られるパターン?

いや、ヤマトが聞いてきたから……



『ヤマトのせいにしないの! この子はまだ15歳。本来なら高校生なんだからね! いい、新人で若いVtuberを育てていくには私たち先輩Vtuberや、長くVtuberを見ているリスナーさんたちがしっかりしないと! 君たち絶対に面白半分で答え教えたでしょ? いい、ヤマトはまだ若いんだからみんなでしっかり育てていかないといけないからね! 分かった?』



お、おお、そうだな!

ヤマトはまだ新人。新人だからって何でも許しちゃだめだよな!

俺たちが間違ってた!

……なんかレベッカの言葉に流されてない?

レベッカがヤマトのママに見えてくる……



『れ、レベッカさま、流石にそこまでしていただかなくても大丈夫ですよ。僕ももう15歳。いつまでも誰かに頼りっきりじゃだめなんですから』

『ヤマトがそういうなら。……でもまだ子供なんだから、しっかり大人を頼ってね』

『分かりました』

『それじゃあ、さっさとゲーム進めていこうか! 私少し本気出すね!』


そこからレベッカさまはコメント欄を一切見ることなく、ゲームを進めた。



あ、レベッカ集中モードだ。

この時のレベッカ、コメ欄全く見ないんだよな。

でもその分ゲーム攻略速度が一気に上がる。

配信者としてそれはどうなん?

ヤマト様、レベッカさまの行動をアテレコしては?



アテレコか。

確かにこの静かな時間をどうにかした方がいいと思うけど、僕のアテレコがレベッカさまの行動にちゃんと当てはまるかな?


……いや、せっかくなんだし、やってみよう!


『「よーしっ、それじゃあ行くよ! この問題は、あれをこうして、これをこうして……できた!」』


レベッカさまの動きと合わせるようにしっかりアテレコする。

レベッカさまが解いている間は、僕は問題を解けないから、レベッカさまの動きに合わせて適当なことを言い、終わったタイミングで「できた」と言い切る。



一寸の狂いもなし!

レベッカの終わったタイミングでヤマトも言い切ってた……

勉強ができないのに、なんでこういうことはできるのかが謎

流石ヤマト様というしかありません。

略してサスヤマ!



サスヤマってなんかあだ名みたい!


コメント欄を見ていると、レベッカさまは既に次の問題に進んでいた。


『「よし! この問題をさっさと解くよ! ……あーこれね、これは簡単だね。これをこうすれば……はい正解!」』


今度もずれは一切なし。


流石の僕でも少し引いちゃうかも。

別にレベッカさまの行動が読めているわけではない。

ただこのタイミングかな? ってタイミングがたまたま合って成功しているだけ。


でもコメント欄には僕の考えが伝わることはない。



……ヤマトのアテレコ凄すぎね?

今のもズレなく本当にレベッカがしゃべっているように聞こえた……

本当はレベッカが喋ってるんじゃ……

なんかレベッカがいつもよりかわいく見える。



『喋っているのは僕ですよ? あ、「この道は右だね。そしてそのまままっすぐ。……敵が出てきたけど弱いしスルーだよね。もうすぐボス戦なのに、ここでダメージを受けるわけにはいかないしね」』



……おかしいおかしい!?

何でヤマトの言うタイミングでレベッカがおんなじ行動してるの!?

ヤマトが予知能力レベルのことを平然にやってのけている件

サスヤマ!

これでこそ我らがヤマト様です!



『僕に予知能力なんてありませんよ。ただ、レベッカさまの先の行動がなんとなくわかるだけです。問題の答えは分かりませんけど』


自分で言っていて「何言ってんだこいつ」と思ってしまうけど、仕方ないとしか言えない。

だってわかっちゃうんだもん。



それ自体おかしい!

何言ってんのこの人?

私たちでも理解しがたいことを平然とやってのけるヤマト様……まさしく神です!

いや、神は言い過ぎ……でもないか



アテレコをしながら、コメント欄を見る。


普通にやると大変だけど、勉強を解くよりかは簡単かな。



『あ、レベッカさまがラスボス戦に突入しましたね。えーっと、次の問題は証明問題……証明問題ってあれですよね? なんか文字をたくさん書かないといけない面倒くさいやつ』



それであってる。

実際証明問題は暗記の部分あるから。

俺中学まで数学好きだったけど証明問題で一気に嫌いになった。

証明は普通にムズイ。



『あ、レベッカさまが証明問題を解くみたいですよ。『これは……少し手強いかな。時間制限もあるし、ゲームでたくさんの文字書くの大変なんだよね。でもこれとかないとまた最初からだし、ここはできるところまでやって……ううん。もしここで倒れてしまったらまた最初から。それだとまた私がしないといけないわけだから、ヤマトがこのゲームを楽しめない! ここは無理してでもこの問題を成功するべき!』……レベッカさま』


僕がアテレコを終えるのと同時にレベッカさまの指が目にもとまらぬ速さで動き文字を打ち始める。



自分でアテレコしといておっとりするヤマトおもろ!

マジでヤマトが言っている言葉がレベッカの言っている言葉に聞こえてくる

確かにヤマトのアテレコもヤバいけど、今はレベッカの文字うちの方がやばいって!

普通こんなに早く文字打てる?

コントローラー文字打ちだろ? 普通にしたら百文字打つだけでも数分かかるぞ……



『今レベッカさまの指の動き見てるんですけど相当ヤバいですよ。たまに指が分身して見えます』



やっば!

1年近く応援してるけど、こんな特技あるなんて知らんかった。

残り時間1分!

この速度なら問題ないやろ。



文字はどんどん増えていき、最初から何を書いているかわからない僕でも、今のレベッカさまの凄さは理解できる。


流石にこのレベッカさまをアテレコしようなんて思わないかな。

したら下で、指の動きと僕のしゃべる速度が合わないだろうし。



『…………よし、これでどう!?』


全てを書き終えたレベッカさまが、最後に決定ボタンを押すと長い証明文に赤丸がつき、敵ボスに大ダメージが入る。

更に残った時間分、追加ダメージ!


それによりラスボスは一撃で撃破。

ようやく、1ステージクリアすることができた。



おお!

すげぇ……

普通にヤバすぎるだろ……

ヤマトも最後は見ていることしかできてなかったし



『いや、あのレベッカさまにアテレコするなんて普通に無理ですからね? 指の動きに声を合わせないといけないから、常に早口言葉になってしまいますよ!』


常に早口言葉でしゃべっていると、流石の僕でも噛んでしまう。


『あ、ヤマト。数学ステージクリアしたよ~!』

『お疲れ様です』

『どう? さっきの私、凄かったでしょ!?』

『はい、特に最後の問題に関しては鳥肌が立ちましたよ』



俺たちも鳥肌が立った!

あれは人間業じゃねぇ!

ヤマト様と同じでレベッカさんも人間じゃない?

2年目にして新たなレベッカを見られるとは思わなった……

ヤマトと一緒に配信する人は必ず新しい一面を見せるんだよなぁ……なんでだろうなぁ?



『いやー、最後の問題、答えは頭の中にできてたんだけどね。コントローラーで文字を書くとなるとどうしても時間がかかってしまうからさ、一瞬諦めかけたんだけどね、その時ヤマトの顔が浮かんでね、もしこれを解けずに負けたらクリアするまで私がやりそうになるから、ヤマトにゲームを楽しんでもらえるようにって思いながら、全力でやってみたら解けたんだよ!』


……マジですか。


まさか僕のアテレコがレベッカさんの感情を完璧に当てるなんて……。



……マジか

レベッカもヤバいけど、ヤマトもヤバい!

予知のレベル超えてるよ……

ヤマトって何者?

ヤマト神様……祝福を!



当然、コメント欄もレベッカさまの言葉に反応してる!


僕なんて前は天使だったのに、今は神にまでなってるし、祝福を祈られてるし……。


『え? え? 何々? ヤマト、何してたの?』


この中で唯一何が起こってたかわからないのはさっきまでゲームに集中していたレベッカさまだけ。


僕の口から言ってもいいけど、本人の前で言うのは恥ずかしい。


『あー、ぜひアーカイブを見直してください。そしたらレベッカさまプレイしていた間に何が起こったかわかると思うので』

『えー、今言ってくれないの?』

『いえ、今回の自分の声を聴くのは恥ずかしいので、できれば僕のいないところで見てください』

『はーい。じゃあ、今度の配信で私とヤマトの配信振り返りするね! 切り抜き師さんはこの配信の重要なところをまとめて切り抜いてくれると嬉しいな!』


流石はベテランというべきかな。

切り抜き師にお願いするなんて僕の発想には全くなかった。


『さてと、数学ステージはクリアできたし、次のステージに行こうか!』

『はい』



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