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高校受験に失敗したのでVtuberで才能を発揮します!  作者: 楪桔梗
第二章 僕って新人ですよね?

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コラボ配信 #2

『皆さん、初めまして、シンガーソングライターをしています。ライムです。以後お見知りおきを』



えっ!?

ライム!?

本物!?

初めて声聞いた!

思っていたよりも声低っ!



ライムの登場にコメント欄は大荒れ。

それはそうなる。


人前に初めて降臨したのが、デビューしたての新米Vtuberである僕のチャンネルなんだから。

ライムがMytubeにチャンネルを作れば、100万人なんて1週間もたたずに突破できる。



待て待て待て、ヤマトの声真似の可能性は!

ヤマトとライムは同一人物説浮上!

ヤマト様がそんなことするわけないわよ!

出来れば別人物である証拠を見せてほしい。



やはり僕とライムの存在を疑う人もいる。

まあ無理もないかな。

ここにいるご主人様たちは僕の特技のことを知っているんだから。



『えーっと、やっぱりと言っていいのかわかりませんけど、僕とライム様の関係を疑っている人が出てきましたね』

「まぁ、ヤマトは声真似がうまいからね。その気になればライムの声真似もできるでしょ」

『「はい、声真似するのは簡単ですよ」』

『気持ち悪っ! できれば金輪際私の声真似はしないでください』

『ちょっ、ライム様! ひどくないですか!?』

『知りません』

「あなたたち、仲いいわね。まるでコンビ漫才師みたいよ?」

『違います』『違うわよ!』

「ほら、ハモるなんて息ぴったり」



まじでハモった

じゃあ本物のライムってこと?


ヤマト様親衛隊000259

謎の歌姫『ライム』が人前に降臨なされた!

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Kaede

ライム!? あー! 上限いかないようにしてたのにしてたのねっ!

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上限行ってて草


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これは上限に行かないわけがない。

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ヤマト・ライム推し

夢のようなコラボ。マジで涙が出てきた

¥12,000



少し母さんのアレンジもあったけど何とか別人物説を否定することができたからよかった。

次は、僕とライムの関係だね。


ベテラン配信者だったら問題ないんだろうけど、僕は新人だ。


何度も言うけど、普通なら新人Vtuberのチャンネルで人気絶頂のライムが降臨することなんてありはしない。


『どうしてライム様がっ! と思いの方もいらっしゃると思いますので、僕が経緯を説明します。ライム様とは母さま経緯でつながりました』

「あーあったわね。確かヤマトがデビューする前に音楽関連に詳しい人を聞いてきたんだったわね」

『僕が知る中で母さまに聞くのが手っ取り早いので』

『私も驚いたわよ。急に撫子さんから頼まれて。それでテストしたんだけど文句なしの合格。せっかくだから新曲を歌わせてみたの。そしたら大成功。ほんと、才能ある人って嫌だわー。勉強できないくせに』

『うるさいですよ。僕よりも頭がいいからって調子に乗らないでください』



ヤマトの頭の悪さは周知の事実!

なんか二人仲良くね?

喧嘩するほど仲がいい。

「りんえw」さん恋のライバル現る。



ここまでは台本通り。

今回の話し合いでライムと僕たちの家族関係は内緒にすると決まった。


理由は簡単。ライムは顔を明かしていないシンガーソングライター。

対して来夢は学校に顔がばれている神無月撫子の娘。


活動するうえで顔はあまり世間にさらしたくないらしい。

声に関しても、配信中は地声で話しているけど、学校ではあまり話をしない子で話すとしてもいつもより高い声で話しているのでバレる心配はない。



「時間も押してるしそろそろ始めましょうか」

『分かりました』

『は~い』



なんかこの3人の立ち位置が分かってきた

俺も

私も

撫子ママ>ヤマト=ライムか?

いや、撫子ママ>ライム>ヤマトじゃない?

ヤマトのチャンネルなのにカースト最下位とか草



コメント欄が何か言っているけどごめんなさい。今は無視します。


「うーん、これを押せばいいのかしら?」


だって母さんが前のめりになっているせいでコメントがうまく見えないもの。


『母さま、設定は僕がしますので動かさないでください』

「はーい」


来夢に言われた通りにいろいろと設定をいじる。


えーっと、これをつなげて、これをONにして。


あ、ゲーム画面が移った。

後はゲームの音を入れて。


コメント欄にはゲーム音が入ったというコメントが多々見えるから多分大丈夫。


音声に関しては問題なし。


「すごいわね。お母さんヤマトが何をしているかわからなかったわよ」

『僕も詳しくは分かりませんよ。でも妹に教えてもらってようやくできました』

「あー、あの子機械には詳しい方だものね」



ヤマトの妹!?

もしかしてライムちゃん?

いやいやないない

でも、神無月一家だぜ。

それにヤマトとも仲が良かった。



コメントを見て、僕と母さんは失敗に気づいてしまう。


思い返してみると今まで妹の話はしたことない、それでいてライムが出てきた今日初めて妹の話をしてしまった。


普通なら疑わないことでも僕ならもしかしたら、と考える視聴者には謎でしかない。


いつもなら出さないボロなのに、家族といるとどうしても気が抜けてしまう。


この流れを乗り切るには……。


『へー、ヤマトさんには妹さんがいるんだ。どんな妹さんなの?』

『え、ああ、普通に可愛い妹ですよ。高校受験の時も僕の勉強を見てくれましたし、映像編集の仕方も教えてくれましたからね』

『そ、そうなんですか』


ダメだ。

これだけだとパンチが弱すぎる。


何か妹とライムの区別をつける話題……。


『じゃあ成績の方はどうなんですか? 例えば音楽とか』


そうだ。

来夢にはこれがあったよ!


『音楽の成績は最低最悪ですよ。ほかの成績に関しては『関心・意欲・態度』の項目は問題ないんですけど、音楽だけは「1」の成績ですからね。ちなみにものすごく音痴で、歌うのが好きなんですけどいつも耳が壊れそうになってしまいます』


説明しているとき、隣の部屋から壁がどんどんとなる。

僕の隣の部屋はライム。


これがどういう意味かはすぐに分かった。


『ごめんなさい。妹に怒られてしまったので話はここまでにします』



なんだ、別人か

流石に、ね。

これでライムまで神無月家だけだったらヤバかった



何とか騙すことはできて安心した。


『それじゃあさっそくゲームをしましょうかって、あれ? なんかもうスタート直前になっているような』

「ああ、ヤマトが話すので忙しそうだったから進めといたわよ」

『え、あ、ありがとうございます。ってちょっと待ってください。罰ゲームはしないんですか!? せっかく考えてきたのに!』

「あ、忘れてた!」

『私も』

『グダグダですね!』



罰ゲーム!?

え、なになに?

めっちゃ気になる!

なんかヤマトが苦労人に思えてくる。



『それじゃあ罰ゲームについて説明します。今回の罰ゲーム。3人の中で最下位だった人が罰ゲームを受けることにします。罰ゲームは僕がライム様に、ライム様が母さまに、母さまが僕に考えてきました』



おー!

面白くなってきた!?

ワクワク

相当ヤバいやつお願いします!



『ライムの罰ゲームは「ライムのチャンネルで自身の歌を生配信しながら聞く!」です』

『い、いやぁぁぁぁぁ!?!?!?』

「あっはっは」


僕は知っている。

ライムが自分の曲を聴くのが嫌なことを。

僕がリビングで聞いているといつも大きな物音を立てながら入ってきて、音をミュートにする。



何今の悲鳴!

もしかしてライム!? だとしたらすごく可愛い


30代パパ

か、可愛い

¥10,000


風紀警官

ライムさんの身の安全は私たちが守ります

¥12,000



『あ、あの、他の罰ゲームは?』

『ありません。それに罰ゲームが嫌なものの方がやる気がでませんか?』

「そうよ、それに罰ゲームはこうでないと」

『……絶対勝つ!』

『その意気です。では次にライムさんお願いします』

『はい、私が撫子さんに考えてきた罰ゲームは、「ファン10人の家にお邪魔するまで終われないの旅」です』

「え!」

『因みにファンの人は応募制で、その中から10人決めてもらいます』



おお!

ありがとうございます、ライムさん!

ライムさん、ヤマト様、勝ってください!

ヤマト様、ファイト!



流石は僕の配信に来てくれている人。

やはり母さんのファンもそこそこにいる。


問うの母さんはというと苦笑いを少し浮かべている。


「あ、あのライムちゃん? 私、普通に仕事が忙しくてやる暇がないんだけど。さすがに10人を回ることは……」

『でもやってもらいますよ。罰ゲームなので』

「いや、だからね、時間があまり」

『勝てばいいんじゃないですか? あ、もしかして勝つ自信がないとか? だったらいつも通り我が儘で仕事の予定をずらしてもらったらどうですか』



ら、ライムが撫子さんを煽ってる

さっきの仕返しだ!

撫子ママが痛い目を見るの珍しい!

バチバチしてきた!



「そうよね。勝てばいいのよね」

『な、納得してもらったなら何よりです。では母さま、僕への罰ゲームをお願いします』

「そうね。ヤマトの罰ゲームは次の配信で『凸待ち』というのをやってもらうわ」

『え、マジ』

『ヤマトさん、乙(凸)ですw』

『全然面白くないですよ』



マジでっ!?

個人勢でありながら、初配信から2週間で凸待ちなんて勇気あるな。

これ、凸者ゼロとかありえるんじゃない?

流石にゼロは……ないよな?



『ちょっと待ってください母さま! さすがに凸待ちは誰も来ませんよ!』

「大丈夫よ。私は行くから」

『あ、せっかくだし私も行こうか?』

『あ、ありがとうございます! これで0人は回避。ならいいか』



速報『ヤマト様、人生初凸待ち0人回避!』

おめでとう!

でもこれだと弱すぎない?

なんか二人に比べてしょぼい気がする



しょぼいと言われようが何でもいい。

0人凸待ちなんて黒歴史でしかない!


「あ、言い忘れてたけど、私たち家族は含めないわよ」

『え、あ、でもライム様は家族ではありませんし』

「ダメよ。ライムは凸待ちするって知っているわけだし。だからヤマトの連絡先を知らなくて家族以外の人から人数に数えてね」

『いやいや、僕Vtuberの友達いないんですけど!?』

「だったら0人ね」

『マジですか』

『これで条件は一緒ね』



悲報『ヤマト様、人生初凸待ち0人不回避!』

ドンマイ!

これで条件は対等か。

いや、下手するとアーカイブに残るヤマトちゃんの方がきついぞ



母さんの一言で、コメント欄の中身が完全に入れ替わる。

これで条件は良くなったかもしれないが、僕たち3人にとってはなにがなんでも方にといけなくなってしまった。


『絶対に勝ちます!』

「ちびっ子たちは最年長者に勝利を譲りなさい」

『私の降臨デビューなので勝利を譲ってください』


かくして、負けられない戦いが今始まる!


読んでくださりありがとうございます。

感想、評価の方していだだけると幸いです。

次作もぜひ呼んでください。

感想はなんでも構いません!

いい作品であれば褒めて頂き、

悪ければ意見を書いて頂いて構いません。

あまり好きではありませんが、ストレスを感想としてぶつけていただいても構いません。

その中には今後に繋がる感想があるかもしれませんしね!


そして、それらは作者の力になりますので、是非よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 結局このコラボ配信ってヤマト初配信から何日後の話なんでしょうか? 3話前の撫子ママとの会話内で1週間って言ってたのが前話の視聴者コメでデビュー2週間、今話の視聴者コメで3週間になってる…
[一言] 凸待ち0人事件…アレは酷い事件だった… ちなみに凸待ち0人の対義語はオフ会0人(オンラインとオフラインです) オフ会0人事件知らない人いるかな? 気になる人はオフ会0人で調べれば動画残ってる…
[良い点] 罰ゲーム、思った以上の地獄絵図で草不可避。 これはゲームも荒れる予感。 (罰ゲームが最下位だけでヨカッタ CPUいたら全滅 という地獄は回避出来そう) [気になる点] ライムちゃん……純粋…
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