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高校受験に失敗したのでVtuberで才能を発揮します!  作者: 楪桔梗
第十八章 ひふみよ感謝祭 一日目

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コスプレイベント 【【コスプレキングは誰だ!?】

コスプレイベントではこれまでに登場した誰かが登場します。


誰が誰のコスプレをするか予想しながら読んでみてください。



「会場の皆さん! こんにちはー! 【ひふみよ感謝祭】楽しんでますかーーー!?」

『いええぇぇぇぇぇい!!』


コスプレイベントは獅喰蓮さまの挨拶から始まった。


「楽しんでいるようで何よりです! おっと、紹介が遅れました。私、【1234+0】でリーダー兼Mytuberをしています、この度【コスプレキングは誰だ!?】の司会を担当します【1234+0】の【4】獅喰蓮です! 皆さん、私のこと知ってますか?」

『しってるぅ!!』

「ありがとうございます! 私、先ほどステージの後ろに集まっているコスプレイヤーさんたちを見てきたのですが、皆さん、ものすごく気合が入っていました! ですが、大勢の観客の前で緊張してしまうかもしれません。その時は観客の皆様温かい目で見守ってあげてください!」


大事なこと。

イベントを盛り上げるには観客さんからいい雰囲気を作っていかないといけない。


「次に注意事項です。この会場、写真撮影は可能ですが、前にいるお客さんを押したり、後ろにいるお客さんの邪魔になるような行動は控えるようにお願いします。また、イベントが始まる際、少しドーム内の方の電気が落ちますので、皆様、足元に気を付けて移動するようにお願いします」


ドーム内ということもあり、照明が落ちると中はかなり暗くなる。

一応販売ブースの方には足元を照らすライトや、机の上には辺りを照らす電球などを設置してもらっているけど、暗いことには変わりない。


「最後に今回の審査委員をなさる方々を紹介します。後ろをご覧ください!」


獅喰蓮さまの声とともにそれぞれ2つの照明が僕たち3人に向けられた。


「皆様から右手にいるのは【1234+0】の副リーダー音声担当兼声優の【1234+0】の【3】三条ヶ原楓。皆さんご存知でしょう。現役の声優です!」


観客のカメラが僕たちのいる方に向けられフラッシュ撮影で写真を撮られる。


楓さまはその場に立ち上がり、前にいる観客さんたちに手を振り答えた。


「次に皆様から左手にいるのは【1234+0】のアシスタント兼Vtuberであり皆様の執事【1234+0】の【+0】神無月ヤマト。皆さんご存じだと思います。ヤマトさんはリアルのVtuberで先月東京ドームに生出演をしたのをきっかけに本来はVRで出演してもらう予定だったところ、なんとVR世界を飛び出して生身での出演になりました!」

『L・O・V・E・ヤ・マ・ト! L・O・V・E・ヤ・マ・ト! L・O・V・E・ヤ・マ・ト!』


紹介されたので楓さまと同じように手を振ると一斉にっシャッターを切られてしまう。

更に、なぜか僕の紹介と主にライトを振り回してくる団体がいた。


少しオタ芸に似ていることから生で見ることができた嬉しさと、僕の名前を呼んでいる恥ずかしさの間に挟まれながら手を振る。


「最後に皆様から見て真ん中、今回の審査委員長を務めるのは【1234+0】コスプレ担当兼人気コスプレイヤーの【1234+0】の【2】二又紅葉。現在はヤマトさんの新衣装ロリバージョンのコスプレをしております」


紅葉さまは一例をした後に小さくピースサインをして、カメラに写る。


何気に僕以上シャッター音が鳴っている。

流石は人気コスプレイヤー。


「では、審査員の紹介も終わったところで、早速始めましょう! みんな、可愛い子のコスプレ姿は見たいかー!」

『おおおおおぉぉぉぉぉ!!』

「かっこいいコスプレは見たいかー!」

『おおぉぉぉぉぉぉぉぉ!』

「今からたくさんのコスプレイヤーが見られるので、全員楽しんでいくぞー!」

『おおおおおぉぉぉぉぉ!!!!』


開場がヒートアップしたところで獅喰蓮さまはステージの上から降り、照明はステージの入り口を向いていた。


《これより、コスプレイヤーが出てきます。会場の皆様はカメラの準備、お忘れないように。エントリーナンバー1『不屈の漢』 推しの衣装を忠実に再現しました。因みに、押しは女性です》


一番最初に出てきたのはなかなかの高身長のイケメン男子。

片目が前髪で隠れているのがまたいい。


衣装は……どこかで見たことのある執事服。

というよりも、今現在僕もその服を着ている。


まさか一番最初にヤマトが出てくるとは思わなかった。


『不屈の漢』様はステージの一番前まで歩き、礼儀正しいお辞儀をしてから元来た道を引き返す。


向こう側には既に次のコスプレイヤーさんが準備して待っていた。


《エントリーナンバー2『リアル10才の5年生女子』 お母さんとお祖母ちゃんと一緒に作りました。私の服を見てください》


ステージに出てきたのは本当に幼い顔立ちの眼鏡をかけた女の子。

衣装は……水色と白の短パンに水色と白の制服。短パンと制服には花柄がついている。

身長は遠くから見た感じだと150センチくらい。


この時期の女子小学生は成長期ということもあり、この身長の高さには納得できる。


そして、この子はヤマトのショタバージョンコスプレ。

1番、2番と連続で僕のコスプレをした人が出てきた。


『リアル10才の5年生女子』様は恥ずかしいそぶりを見せることなく、堂々とステージ最前まで歩き、笑顔でピースサインをした後は周りに手を振りながら来た道を戻っていった。


不覚にもその行動に対しドキッとしてしまい、勢いで全項目最高得点の5点をつけてしまった。


《エントリーナンバー3—————————》


『リアル10才の5年生女子』様の後、3~22番さまが出て来て高クオリティのコスプレを披露してくれた。


それでも、その中で僕が満点をつけた人は0人。

衣装の方は問題ないけれど、観客の反応がいまいちだったり、レイヤーの動きが僕の思うキャラの動きと解釈不一致と思うこともあった。


《エントリーナンバー23『ヤマト様とデートしたい!』 ヤマト様とデートしたい、いやデートするんだ!》


また面白い名前の人が来たと思い、ステージの入り口を見るとそこには見知ったコスプレをした女性——『神無月撫子』の恰好をした女性が立っていた。


当然、その姿に会場は驚きを隠せない。


一瞬本物かと思ってしまうほどに母さまの恰好をして、動きも母さまならするような堂々とした姿勢でステージを歩いている。


だけどあれは母さまではない。

そう思うのはサングラスをしてステージを歩いているけど、母さまだったら観客の表情が見やすいように、サングラスは胸ポケットか頭の上にかける。


他にも母さまよりも少しだけ身長が小さい。


あと、『ヤマト様とデートしたい!』様は母さまが10本目のドラマの時に来た黒ドレスをきていて、胸元が少し見えるけどそこには母さまにはない小さい黒子(ほくろ)がついている。


だから母さまではない。


だけど僕はその女性を知っている。


「……どうしてここにいるんですか、凛音さま」


サングラスで目元は隠し、歩き方は母さまに似せているけど間違いなくあれは凛音さま。


サングラス越しにでも何とか見ることのできる視線、母さまがドラマの時に来ていたであろう衣装、エントリー時の名前、何よりも胸元にある黒子。


一度一緒に寝た時にちらっと見えたことがあるけど、凛音さまはあの位置に黒子がある。


凛音さまはステージの最前で手を振りそのまま帰っていった。


観客も最初は戸惑っていたけど、徐々に慣れていき、帰っていくころにはほとんどの人がシャッターを押していた。


今回は凛音さまが役者であることを加味して厳しいく点数をつけさせてもらった。


その後は何事もなく、本当に何事もなくイベントを終えることができた。


結果発表は終了間際に行われるため、観客は再びブーススペースに戻り、楓さまは【1234+0】のブース、紅葉さまはステージ裏の外、僕は凛音さんにメッセージを送り2階席で待つことにした。




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