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高校受験に失敗したのでVtuberで才能を発揮します!  作者: 楪桔梗
第十八章 ひふみよ感謝祭 一日目

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【ひふみよ感謝祭】開催前!

途中自分自身が時間迷子になってしまったのでわかりやすいように書きます。


※1日目 8月13日

 2日目 8月14日

 3日目 8月15日

 4日目 8月16日

 5日目 8月17日

 6日目 8月18日

 7日目 8月19日


時間を合わせるために過去の話をいくつか編集しましたが、もし食い違いなどがあったら申し訳ございません。

報告してくださるとありがたいです。



また、ここ数日によるたくさんの誤字報告、ありがとうございます!

僕も誤字がないように頑張りますが、もしあった際は報告の方、よろしくお願いします!



泊まり込みから7日目の8月19日の土曜日。


ついにイベント本番。

開場時間は9時から。


それまでは会場が開くことはない……はずなのに。


「ひ、人多くないですか? まだ8時ですよ……」

「多いってどっちが?」

「外も中もです。なんでこんなに多いんですか!?」


僕と楓さん、ギャイ先生が会場入りしたのは朝の7時半。

その時間にはすでに多くの人が入り口に並んでいて、中に入るとなぜかたくさんの人が場内に入っていた。


「ヤマトンってコミケ来たことない?」

「ないです。東京で人が多いので」

「じゃあ知らなくても無理ない。中にいる人達は全員今回参加するサークル関係者で今はブースの設営してる」

「それって昨日僕たちがしたやつですよね。こんな朝早くからするんですか?」

「多分ほとんどのサークルは6時ごろには入ってる」

「僕、まだ寝てましたよ……。じゃあ今日の朝に獅喰蓮さんと紅葉さんがいなかったのって……」

「先に会場に入ってた。シグレンは最後の打合せや何かあったときのための補助、モミジンはシグレンの手伝いとコスプレ準備」


朝早くからやらないといけないことがあるなんて……。


イベント主催側の忙しさに驚いてしまう。


「あれ、楓さんは?」

「楓は顔見知りサークルに挨拶に行ってる。私よりも楓の方が顔広いから」

「なるほどです。あれ、今の僕たちって……」

「超暇人、っていうわけでもない。ヤマトンもサークル紹介のために途中で他サークル見て回らないといけないんだよね」

「はい」

「じゃあ今のうちに目星をつけておいた方がいい。イベントが始まったら移動するのがとても大変になるから」

「こんなに広いのにそんなまさか……、とここに来るまでの僕だったらそう言ってました」


最初はそこそこかと思ってたのに朝の行列を見たら絶対にそこそこで済む話じゃない。

そんな中で一つ一つ見て回るなんて絶対に無理。


さらに言うとサークル紹介前までに売り切れそうなサークルは紹介できないから、そこも見ていかないといけない。


これはギャイ先生の言う通り今のうちに回る予定考えとかないとね……。


ギャイ先生に言われた通りブースの椅子に座りながら作業をする他のサークルさんたちを眺める。


やはり準備には経験の差が出るもので、イベントに慣れているサークルは難なく組み立てしているけど、慣れていないサークルは準備作業が他よりも遅い。


「あ、ヤマト様、ブースにいたんですね」


のんびり辺りを眺めていたところにヤマト(幼女)姿の紅葉さんがやってきた。


「あ、紅葉さん、おはようございます」

「おはようございます、じゃないですよ。ヤマト様、他のサークルが来る前にコスプレしますよ」

「コスプレってまだ1時間も時間がありますよ」

「1時間もないです。更衣室には時間がありますから。それにあまり遅くなると他のコスプレイヤーに顔バレしてしまいますよ」

「そ、それは嫌です! 早く行きましょう紅葉さん! ということでギャイ先生、行ってきますね」

「行ってらっしゃい」


僕は更衣室がどこにあるのかわからないので、紅葉さんに引っ張ってもらいながら向かった。


「ヤマト様、高速でメイクするのであまり動かないでくださいね」

「はい、お願いします」


紅葉さんがメイクしている間に僕は保仁(僕)からヤマト(僕)へと気持ちを切り替える。


うん。

こうして人前に出るのは東京ドーム以来。

少しドキドキしてきました。


「ヤマト様、終わりました」

「ありがとうございます、紅葉さま。今日は一緒に頑張りましょう」

「はわわぁ! 生ヤマト様!! 感激です!」

「そう言ってくれると嬉しいです。それではギャイ先生も待たせていることですし戻りましょうか」

「はい!」


更衣室の外に出るとすでにたくさんの男女が更衣室前に並んでいた。


多分、この方たちが紅葉さまの言っていた他のコスプレイヤー様方。


なぜか皆さま、僕の顔を見て驚いている。

更衣室内には鏡もあって出る前に一目見てから出たけどなにも変なものはなかった。


いったい何を見ているのかと思ったが、よく視線を見ると僕と更衣室を交互に見ていたのに気づく。

視線につられて更衣室を見ると驚かれた理由が分かった。


僕が出てきたのは女性用の更衣室。

対する僕は性別不明の執事。


この視線は『もしかして神無月ヤマトは女の子なんじゃ?』という可能性のもの。


この場合の対応は1つ。


「皆様、本日はイベントに参加していただきありがとうございます。ただいま更衣室にてメイドが掃除を行っておりますので少々お待ちください」


コスプレイヤー様方に報告をして紅葉さまが出てくるのを待つ。


「はぁ、はぁ、ヤマト様、お待たせしました!」

「ふむ、時間ぴったりですね紅葉さん」

「や、ヤマト様?」

「ご褒美にあとで頭なでなでしてあげますので、今は待たれているお客様のご案内をお願いします」

「え、あ! わ、分かりました。では女性のお客様はすぐ手前から、男性のお客様は奥の方に更衣室がありますので私についてきてください」


コスプレイヤー様方の視線は疑いからなぜか尊敬のまなざしに変わった。


正直よくわからないけど、これで良し!


後のことは紅葉さまに任せ、僕は一足先にブースの方に戻る。


その道中もなぜかたくさんのサークルから視線を向けられたけど、開場まで時間がないことから、準備が終わってないサークルは一瞬で終わったサークルのみに視線を向けられた。

何名かはカメラを僕の方に向けてきている。


東京ドームのスクリーンに映ったせいか、そこまでカメラを向けられるのは嫌ではない。


「ギャイ先生、ただいま戻りました」

「おかえり。……その姿のヤマトン、久しぶりだね」

「ですね。ヴァリアブル・ランド以来です」

「あれ、ゴールデンウィークだったから、ヤマトンと知り合ってもう3ヶ月、早いね」

「はい、早いです」


このイベントも長くて短いものになるんだろう。

それでも、今後の思い出に絶対に残ると思う。


今からワクワクが止められない!


「あ、ヤマトさん。おはようございます」

「獅喰蓮さま、おはようございます。朝からお疲れ様です」

「もう、まだこれからだよ」

「ふふ、そうですね」

「うん。あ、ヤマトさん、開催前に参加サークルで掛け声するからステージ裏に移動してね。ギャイちゃんも」

「分かりました」

「私はモミジンが戻ってきたら行く」

「お願いね。私は初対面のサークルさんに挨拶に行ってからステージ裏に向かうね」


獅喰蓮さまは駆け足気味にブースを去っていった。


言われた通りにステージ裏に向かうと、今回照明や音声のお手伝いをしてくれるスタッフさんたちが忙しそうに作業していた。


「お疲れ様です」

「お疲れ様で——」

「おい、固まってどうし——」


なぜか声をかけるとスタッフさんはみな固まり僕を見てくる。


今までは驚かれたり悲鳴を上げられたりという反応が多かっただけに、固まるというのは新鮮。


この反応は初めてだけど、この場合僕はどうすればいいのか知っている。


「皆様、今日はよろしくお願いします。準備の方頑張ってください!」

「よしっ! 先輩、これ僕がやりますね!」

「あ、ずるいです! 先輩、こっちの作業は私がしますね!」

「よしよし、働け! 俺はヤマトさんにお前らの分もサイン貰っとくから」

「あんたも働け!」


スタッフさんたちは僕が来る前とは違いキリキリと働き始めた。


サインほしそうな感じだったし、暇な時間にイベントを支えてくれたお礼として僕のでよければ書いてあげよ。


椅子を用意してもらい、しばらく待つとギャイ先生と紅葉さまが、次に挨拶回りを終えた楓さま、8時50分前に獅喰蓮さまがステージ裏にやってきた。


「よし、時間だね。もう参加サークルの人たちはステージまわりに集まってもらってるから私たちも行こうか」


獅喰蓮さまを先頭にステージの上に上がっていく。


僕は台本通り、ステージ裏で呼ばれるのを待つ。


『皆さん、おはようございます! 本日は1234主催【ひふみよ感謝祭】際に参加していただきありがとうございます! 私は【1234+0】リーダー兼Mytuberの【1234+0】の【4】獅喰蓮です! よろしくお願いします!』

『おはようございます! 【1234+0】副リーダー音声担当兼声優の【1234+0】の【3】三条ヶ原楓です。今日は集まってくれて、ありがとーー!!!!』

『おはようございます。【1234+0】コスプレ担当兼ヤマト様親衛隊000002の【1234+0】の【2】二又紅葉です。コスプレイヤーの皆さん、私たちでイベントに花を咲かせましょう!』

『おはよう、皆の衆。【1234+0】同人誌制作並びにイラスト担当兼漫画家の【1234+0】の【1】一ギャイです。この中にはコミケに参加できなかったサークル、コミケで同人誌を売り切れなかったサークル、大型イベント初参加のサークル、たくさんいると思うけど、これまでの頑張りは嘘つかない。盛り上がっていこう』

『盛り上げるんだったらギャイちゃんも声を盛り上げようよ! ……さて、今回私たちは【1234+0】となってます。本日のスペシャルゲスト! 5月にヴァリアブル・ランド、先月は東京ドームに降臨なさった方がここ、【ひふみよ感謝祭】に降臨されます! Vtuberの神無月ヤマトさんです!』


会場内は一気に暗くなり、照明はステージ入り口に向けられる。


証明が集まり少しまぶしかったが、問題なくギャイ先生の横まで行くことができた。


『では、挨拶をお願いします!』

『はい、皆様、初めまして。【1234+0】アシスタント兼Vtuberでありあなたの執事【1234+0】の【+0】神無月ヤマトです。今日は最高の思い出になるように皆様で盛り上がりましょう』


大きな歓声が響き渡る。

それこそ外に漏れ出ているんじゃないかというほどに。


『それでは皆様、【ひふみよ感謝祭】ここに開催を宣言します! 最高に盛り上がりましょう!』



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