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高校受験に失敗したのでVtuberで才能を発揮します!  作者: 楪桔梗
第十五章 ごろろっく クイズ大会 本番!

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地獄のコーナー


福良萩 『えーと言うことで、最初は『ごろろっく関連クイズ』でした』

パポピ 『それでは現在のチーム点数を見ていきましょう! 現在の点数はこちらです!』


【アダルティック 10点】

【黒白      15点】

【乙女の花園   15点】

【ショタコン同盟 5点】

【イケおじクラブ 15点】

【リトルボーイズ 55点】


画面にはそれぞれのチームと『ごろろっく関連クイズ』で獲得した点数が出る。


それぞれのチーム1~3問正解しているが、一番最初のパポピ語を解いたヤマトのいる【リトルボーイズ】が一歩優勢のようになっている。


福良萩 『これは、……一チームを除いてなかなかに接戦でだな』

ミラン 『萩先輩、回答数で行ったら接戦ですよ』

福良萩 『いや、俺もう先輩じゃねぇし。でもミランの言うことにも一理あるな。やっぱりヤマトの1問目が大きかったか?』

光莉  『大体誰だよ。1問目に50点も用意したやつ!』

パポピ 『あー、それ私ですね。誰も解けないと思っていたので。でもいいじゃないですか! ここから逆転すれば盛り上がりますよ!』

イー  『た、確かに……』

はるか 『あーでも一緒に応えるのにどうやって追いつくの?』

平八郎 『俺たち5チームで組んでリトルボーイズにプレッシャーかけるのはどうよ!』

ミネルバ『ちょっ、平八郎君!?』

ヒタギ 『それいいですね! あー、ショタ攻めるの興奮する!』

リオン 『ひっ!?』

ハリン 『それじゃあヤマトたちに追いつくまでは。お互いに攻めたりしないってことでいいですか?』

光莉  『異議なし』

キラリ 『え、ヤマト様を攻めるのは抵抗が……』

はるか 『こちらも意義ないよー』

フヨウ 『うちもオッケーっす!』

フータ 『と、言うことで男の娘たちは覚悟してね』


この瞬間、リトルボーイズを覗く5チームが手を組むことが確定してしまった。

直接的な攻撃はないものの、まだ新人のリオンにゲストのミネルバ、ヤマトのチームにとっては5チームからの狙いうちはなかなかのプレッシャーになる。


ヤマト 『すみません。僕が温泉に目がくらんで知ったばかりに』

ハリン 『いやいや、気にしなくていいですよ。そもそも接戦になってしまった先輩方が悪いので』

ミネルバ『いたいけな男の娘たちに、大の大人が容赦ないよね』



そうだそうだ!

このジャンルでたくさん点を取ってるんだから少しは手加減してやれよー

いやいや、流石にこの点差は焦るでしょ……。

温泉に目がくらんだって、他は?

容赦ねー。



ヤマト 『考えたんですけど、この50点を5チームに分配するのはどうでしょう』

ミネルバ『あ、それいいね』

福良萩 『いや、普通にダメだからね?』

リオン 『残念』

パポピ 『あっはっは、面白い考えですね。あ、ここでスタジオの方も準備できたみたいなので次の問題に行きます。その前にイーヴァンさん、ハリンさん、ミランさん、ヒタギ君、フータさん、ヤマト君。今名前を呼ばれた6名はスタッフさんについていってくださ~い』


呼ばれた6人と福良萩のモデルが画面から消え、スタジオには13人が残り【しばらくお待ちください】と書かれた画面へと切り替わった。


————————



「あの、これ今どこに向かってるんですか?」


パポピ様に名前を呼ばれた僕たち6人と福良萩さまはスタッフさん数名に連れられ移動していた。


「……」

「イーヴァンさま、汗が凄いですけどどうしたんですか?」

「気にしないで上げてくれ。ここにいるごろろっくメンバーを見て何かを悟ったようだから。ところでヤマト君にハリン君、君たち嫌いな味とかはあるかな?」


嫌いな味?


フータ様はどうしてそんなことを聞くんだろう。

普通聞くんだったら『嫌いな食べ物』だと思うんだけど……。


「私は酸っぱいものが一番嫌いですね。他には辛い物や苦いものも少々」

「ふむふむ、ヤマト君は?」

「僕は辛いものと苦いものが食べれません。あ、でもピーマンは甘いので食べられます」

「ピ、ピーマンが甘いなんて、変わって、ます……ね」

「あー、イーヴァン先輩、ピーマン嫌いですもんね~。逆にミランはピーマン大好きだよね~」

「ヒタギ、私は嫌いなものがないだけでピーマンが好きだなんて一言も言ってません。ですがヤマトの言っていることには同意しかねます。ピーマンのいいところはその苦さが他の料理を際立たせているところです。甘いなんてありえません」

「いやいや、ピーマンの苦みは一周回って甘味ですよ。確かにピーマンと言えばピーマンの肉詰めや、野菜炒めなどで活躍しますが一番はやっぱり生焼きです。それが一番おいしい食べ方です!」

「確かに生焼きはいいかもしれません。でも、ピーマンの甘味がいいという反論になっていないのでは」

「うっ!」


ミラン様に言われてしまうが、途中から僕もうすうす気づいていた。


僕が行ったのはあくまでもピーマンの良さで甘味のことを口にできていない。

ピーマン好きで右に出る者はいないと自負していただけに、言い負けてしまった事はとても悔しい!


「はいはい、2人とも苦いか甘いかはそこまでにして、今は仲良くしていこうよ。僕たちはこれから地獄を見る同士なんだから」

「地獄?」

「そう、僕たち6人にとっては無限に続くような地獄」


フータ様の言っていることが最初は理解できなかったけど、スタッフさんにあんなにされたスタジオに入ってすぐに分かった。


スタジオ内には一列に並ぶ机とその上にたてられている仕切り版。


カメラ数台にスタッフさんも何人かいたけど、部屋の中に入って一番最初に感じたのはその匂い。


とてもおいしそうな匂いがする反面、鼻がやられそうになるほどの激辛臭。


そして、これから何をするのかが分かってしまった。

よくバラエティー番組で見るあれだ。


「皆さん、ここにくじの入った箱があるので1枚とってから書かれた番号の席の前に座ってください。あ、萩さんはそちらの方にお願いします」

「……皆さん、頑張ってくださいね」


スタッフに渡された箱から紙を引き、書かれていた数字の席に移動する。


僕の数字は3番で右隣にはミラン様、左隣にはヒタギ様が座った。


「それでは動作確認をしますので、もうしばらくお待ちください」


スタジオ内には僕たちが見える位置に大きなモニターがあり、しっかりと僕たち7人と右下の方にスタジオの風景が映っていた。


しばらくモニターを眺めていると、モニターに映る僕たちの頭の上に赤い炎や水しぶきのイラストが出たり消えたりしていた。


多分赤い炎は辛いのを我慢しているときのイラストで、水しぶきは吹き出る汗だと思う。


「あのスタジオ移動する必要なかったんじゃ……」

「ヤマトの言うこともわかります。バラエティー番組などでは出演者の前でやるところを見ますのでね。ですがこのスタジオだと他のメンバーの前でやるには少し狭いんです。機材が多いので」

「……言われてみればそうですね」


思い返してみれば、あのスタジオには僕たちが他の出演者の方を向いて耐久する場所なんて全然なかった。


「準備終わりましたので本番に行きます。5秒前! 4、3……」



————————


パポピ 『それでは次のコーナー! 【辛い物を食べているのは誰だ? 我慢している1人を当てろ!】 早速現場に移りたいと思います。萩さん!』

福良萩 『はい、こちら会場になります。皆さん、すでに準備万端で食べたい食べたいと言ってましたよ』

フータ 『言ってないよ!!』

福良萩 『そういうわけでね、早速ルールの説明に入ります。こちらの6名は辛い物が好きだけど苦手と言い張っているライバーさんたちです。皆さん一緒に辛い物を食べていただき、誰が一番辛い物を食べているのかを当てていただきます。ですが、動きだけでは誰が辛い物を食べているかわからないと思いますので、スタッフがライバーをそれぞれ観察し、悶えている場合は『赤い炎』、汗が出ている場合は『水しぶき』のイラストをライバーの頭の上に移すので、体の動きなどを見ながら誰が一番辛い物を食べているかを当ててください』


福良萩の説明に、初参加となるヤマトとハリンは驚きを隠せなかった。

福良萩の言っていることが正しければ、全員から言ものを食べるのは一緒で、一人だけがさらに辛い物とのこと。


結局、体を張る6人にとって、この場は地獄か大地獄のどちらか。


ヤマトはこの瞬間、移動していた時のフータの言葉の意味をようやく理解することができた。


福良萩 『それでは早速、一品目の紹介です。一品目は宮崎県延岡市発祥の辛麺のラーメン店【桝元(ますもと)】のラーメンです! ほか5名の辛さは10段階のうち2辛。あたりの1名の辛さは10段階のうち7辛です!』

ヤマト 『え、ふざけてます?』


ヤマトは宮崎県民だからこそ【桝元】の辛麺の辛さを知っていた。


ドラゴン『ヤマトってそこのラーメン食べたことあるの?』

ヤマト 『ありませんよ。むしろ入ったことありません』

はるか 『それじゃあ辛さ分からないんじゃない?』

ヤマト 『入ったことはないですけど近くを通ったことはありますよ。近くを通っただけで感じるんですよ激辛臭。あと、僕の妹が辛い物好きでたまに行くみたいなんですけど、辛い物が好きな妹でも8辛が限界で、僕が行ったら1辛すらも食べられないんじゃない? って言われるほどですよ。7辛なんて食べたら口内が死んじゃいますよ!』

パポピ 『あー、ぱんぽぱぱぺぺぷぱぱぴ』

ヤマト 『ぷぴぺぷ!』

福良萩 『パポピ語で会話しないでくださーい。ヤマト君も8辛が当たらなければいいんだから気をしっかり!』

ヤマト 『そうですね。僕以外に当たればいいんですもんね』

ヒタギ 『ひっどっ!』

ハリン 『ヤマトが他人を生贄にしようとするなんて、珍しいな。そんなに辛いのかよ……』

ヤマト 『カレーは断然甘口派です!』

ミラン 『私もです』

福良萩 『スタッフさんも準備運動が終わったみたいなのでね、皆さん。目の前にあるふたを開けて、食べてください!』


全員、ゆっくりとふたを開けながら、はしで麺を口に運ぶ。


そして、次の瞬間——



ミラン 『っ!?!?!?!?』

ヤマト 『かかかか!!!!!』

ヒタギ 『ぐふっ!?!?』

フータ 『ふぐっ!!!??』

イー  『ぶふっ!?!?!?』

ハリン 『かっらっ!?!?』


ミランは机を叩きながら悶え、ヤマトはすぐに天を仰ぎ、ヒタギはむせ、フータは足をバタバタさせながらなんとか飲み込み、イーヴァンは俯き、ハリンは皆の思いを口にした。








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