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高校受験に失敗したのでVtuberで才能を発揮します!  作者: 楪桔梗
第十一章 ヤマト、ママになる

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雨猫ハリンの配信前

嵐子さんとの特訓が終わって、そろそろ5日が立つ。


あの後も嵐子さんは僕の部屋に来てはゴロゴロしてそのまま帰る、と言った何しに来たの? って言いたくなるようなことをしている。


因みに今も僕の部屋にいる。


「嵐子さん、配信準備はいいんですか?」

「ん? なんの?」

「リメイク配信です。するんですよね?」

「あー、するする。というよりもここ数日で準備終わらせて、今暇なんだよね」

「ならいいんですけど……」


嵐子さんはあの後、獅喰蓮さんに頼んで配信の告知をしてもらえることになったみたいで、それが決まった次の日に、複雑な表情を浮かべながら僕の部屋に来た。


因みに今回配信の告知をするのは僕と獅喰蓮さんのほかにギャイ先生に楓さん、僕はあったことはないけど紅葉さんの4人。


今回は昔からかかわりのある3人にもしてもらうとのこと。


他にもライムやカナママも告知の手伝いをしてくれようとしていたけど、カナママは嵐子さんとあまりかかわったことがないため却下させてもらった。


そもそも、今回は嵐子さんが頼んだ人のみに告知してもらう予定だったので関りがないカナママは告知ができない。


そしてライムに関しては、ライムが僕の妹だと知り嵐子さんは頼み、ライムもオーケーしたけど、よくよく考えると無名のハリンさんをライムが告知するといろいろとややこしくなってしまいそうだったので今回は僕の方からしないように頼み込んだ。


因みに嵐子さんがライムのことを知っているのは獅喰蓮さんが教えたかららしく、それを知った来夢はすぐに獅喰蓮さんに電話して口止めしたとのこと。


「そういえば配信は何時からするんですか?」

「うん、20時~21時までかな。あくまでリメイク配信だから1時間をめどにね」

「1時間で足りますか? 獅喰蓮さんとの関係は公にするんですよね?」

「うん。お姉ちゃんの妹としてみられるのにはまだ抵抗あるけど、今のお姉ちゃんを超えるためにはこうでもしないと無理そうだしね。それに、そのあとに視聴者を稼げるかは私自身の腕にかかってるし」

「ですね……。でも助かりました。僕の配信は22時からなので時間通りに見られそうです」

「まぁ、私にとってもそっちの方が都合よさそうだったからね」

「都合?」

「ううん、何でもない。こっちの話」

「はぁ……」


何の都合かはわからないけど、プライバシーにかかわりすぎるのは流石にダメだからね。


嵐子さんは僕のプライバシーの詰まった部屋に散々侵入してきてるけど。


「因みに僕のことは話すんですか?」

「うん。新しいモデルになったし、流石に絵師(ママ)のことは話さないとね。だから今日のヤマトの配信、私のことでもちきりになるかもしれないよー」

「承知の上です。その話ことを想定した台本は既にできていますので安心してください」

「ふーん。……あ、台本! 最後の見直ししないと!? それじゃあ私帰るね!」

「はい、今日の配信頑張ってくださいね」

「待っかせなさい!」


嵐子さんはどたばたと慌てながら家を出ていった。

それと同時に来夢が帰ってくる。


「お兄ちゃん、また嵐子さん来てたの?」

「うん。リメイク配信少し緊張してるみたい」

「普通緊張するでしょ。私だって新曲披露するとき緊張するし、お兄ちゃんだって初めのころは緊張したでしょ?」

「うん。でも日がたつにつれて緊張もほぐれて行ってるみたいだからよかったよ」

「誰かといると緊張ほぐれるもんね。というわけでお兄ちゃん。先週出した新曲の反響一緒に見てくれない?」

「まだ見てなかったの?」


そう。

実は僕は嵐子さんに課題を出しながら新曲を公開した。


今回もイラストは義姉さんに描いてもらった。


その新曲の反応を来夢は未だに見ていない。

最初はクラスメイト達の話を聞きながら反響を確かめているらしい。


因みに僕は既に見て、なかなか好感触だった。

すでに200万再生されていて朝の情報番組はもちろん、夕方のニュースにも取り上げられ始めた。

何より、ライムが再び僕に歌を提供したのだからなおさら。


「それじゃあみるね」

「うん」


僕はもう見てるから知ってるけど。


来夢が反響を見た感想に関しては腕を握っている手の握力で分かる。


見る前は少し強く、見終わって好反応だった場合はぐたりと力が抜け、低反応だった場合悔しさのあまり握力が増す。


さて、今回は……特に反応なし。

これはどちらでもない。


嬉しくもある反面、予想より下回ったのが悔しい、という感じかな。


「どうだった?」

「うん。最低限のノルマは達成してるからよかったけど、本音を言ったら300万再生は行っときたかった」

「それほどの完成度だっただけに悔しいんだね」

「……うん。もう次の曲に関してはできてるから、今度こそ目標は達成する」

「頑張れ」


既に次の曲の構成は出来上がってるみたいで、本当に6月中にできるかもしれないとのこと。


「それで、あんなこと書いた連中を見返す」

「あんなこと?」


来夢はそのまま部屋を出ていく。


「……ああ、これか」


今回の動画のコメントには当然、『よかった』や『最高!』と言ったいいコメントが多かった。

その分、少し不満げなコメントも目立つ。


特に『曲はいいんだけどなんでライムが歌ってないの?』『もしかして歌うのが嫌で活動辞めちゃった?』『ライム=ヤマト説再び浮上してきたぞ!』などなど。


それは当然僕に対してもライムに対しても。

だからこそ次の曲で見返すんだね。


来夢の話では次の曲が母さんと凛音さんのドラマの主題歌になる可能性が高いらしく、それをもとに考えた結果、僕と来夢のデュエット曲になるとのこと。


歌には自信あるけど、来夢には負けるから少し練習しないとね。


っと、今はハリンさんのリメイク配信の方が先か!


部屋にこもり切っている来夢をよそに、僕は風呂に洗濯、料理に食器洗いを19時半までに終わらせる。


「来夢ー。作業するのはいいけど休憩をしっかりとってね!」

「分かってるー」


声は来夢の部屋からではなく下から聞こえた。

どうやら今からお風呂らしい。


「僕部屋で配信見るから静かにねー!」

「はーい!」


1階から配信鑑賞に必要な荷物を部屋に持ち込んでから椅子に座る。


「電源よし、画面よし、お菓子よし、ジュースよし、トイレよし、念のためのタオルもよし!」


これで配信鑑賞の準備は問題なし。


待機画面にはすでに5000人の視聴者が待っていた。


みんなリメイク配信というものが気になるみたいで、中には待機中に過去の配信を見に行った人も何人かコメントしてた。


更に登録者数に関しては既に3000人を超えていて、数日前のハリンさんからは全く考えることができない。


因みに今僕が見ているアカウントはヤマトの方のアカウントで、コメントに関しては名前が出るまでするつもりはない。


時間は刻々と過ぎていき、ついに雨猫ハリンリメイク配信が始まる。





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