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【3巻発売中!】転生後はのんびりと 能力は人並みのふりしてまったり冒険者しようと思います  作者: 弓立歩
アスカと冬と旅立ちの準備

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Cランク×2


 いよいよ今日は合同依頼の日だ。アルナを起こして食堂で朝食を取る。


「あっ、おはようリュート。他の二人は?」


「ジャネットさんは食事を済ませて、ちょっと外に出てる。ノヴァはもうすぐ来るよ」


「そっか、それじゃ私も食べよっと」


 朝食って言っても早い時間だから、簡単にだけどね。私が半分ぐらい食べた頃にノヴァが下りてきた。


「うい~」


「おはようノヴァ」


「おう~」


 まだ眠たいみたいだけど、きちんと食事はしてるんだから器用だ。さすがに男の子というかノヴァは食べるのが早い。結局、私のすぐ後には食べ終えていた。


「それじゃあ、行こっか。鍛冶屋にも寄らないといけないしね」


「そういえばそうだね。それじゃ出発しよう」


《ピィ》


 私たちは外にいたジャネットさんと一緒に鍛冶屋へ向かい、武器を受け取る。


 ガラガラ


「起きてるかい?」


「は、はい。ジャネット様一行ですね」


「ああ、武器を頼む」


 鍛冶屋にいたのは昨日見なかった人だ。弟子の人なのかな? 剣を二本と槍を持ってきてくれる。


「はいよ、確かに」


「ありがとうございました」


 装備を受け取った私たちは状態を確かめて、ギルドへ向かう。


「どうだった?」


「結構いい感じだと思います」


「まあ、ゲインも本職じゃないからね。といっても研ぐためだけにレディトまでってのは難しいとこだけどね」


「そうだよな。でも、預けられるんならこっちでもいいな。値段は一緒ぐらいだし」


「着いたよ」


 ギルドに入ると、すでに何組かのパーティーがいた。てっきり私たちと組むパーティーだけかと思ったけど、そうでもないんだな。いい依頼を手にするためにみんな頑張ってるんだ。


「あっ! フロートのみなさんですね。お揃いですか?」


「はい。相手の方は?」


「俺たちだ」


「こちらはベンガルというパーティーです。ベンガルのリーダーさん、こちらがフロートのリーダーのアスカさんですよ」


「ほう、随分かわいいリーダーだな。貴族かなんかなのか?」


「違いますよ。ちゃんと実績も十分にあるパーティーですよ。ランクもそちらと同じCランクです」


「そうか、期待させてもらうぜ」


「こちらこそよろしくお願いします」


「では、二パーティーとも依頼の受付をしますね。ただ、フロートのみなさんは昨日お伝えした通り、報酬の三人分は自分たちで分けること。いいですね」


「分かりました」


「では、もう準備が出来てるはずですので、ドーマン商会の裏へ廻ってください。フロートのみなさんは始めてですが、場所は大丈夫ですか?」


「大丈夫です。よく行くので!」


 ほとんど買わないけどね。アルバと違って私が作ったり、おじさんが置く安いのがないから、安くても銀貨二枚ぐらいからが多いんだよね。あんまり高いお土産ってのもね。


「そんじゃ、出発だな。遅れずについて来いよ」


「はい」


 先にベンガルがギルドを出て、私たちがそれを追いかけていく。受付の人の口ぶりから察するに相手のパーティーは何度かこの依頼を受けているみたいだ。


「おう! 準備は出来てるか」


「あっ、ベンガルのみなさん。毎度ありがとうございます。今日のお連れの方は?」


「こいつらだ。多分初めてだと思う」


「そうなんですね。おや? アスカ様ですか?」


「はい。トーマスさん、おはようございます」


「ん、知り合いなのか?」


「はい。うちの商会に商品を卸されている方ですよ。エヴァーシ村まで何か御用でしたか?」


「用というほどじゃないんですけど、いい機会だったので」


「そうですか。それではベンガルのみなさんと一緒によろしくお願いしますね」


 トーマスさんは出発の確認だけで、御者は別の人だった。見たことないなぁと思っていると、普段から各都市への運送担当らしくて、基本店に立つことはないらしい。


「よろしくな」


 こうして町を出てエヴァーシ村に向けて私たちは進み始めた。


「で、お前ら前に行くか?」


「いいですよ。私たちが前ですね。後ろよろしくお願いします」


「……んで、前から魔物が来たらお前らが対応して俺たちが馬車の守り。逆なら担当も逆だ。覚えておいてくれよ」


「分かりました。みんな良い?」


「おう!」


「お前ら何だか連携出来てるな」


「まあ、同じパーティーですし。そういえば、この依頼よく受けるんですか?」


「ああ。そこそこ融通は利くし、依頼料もまあまあだ。朝は早いが草原で野営をしなくていいというのも大きい」


「あ~、それはそうですね。夜は大変ですもんね」


「ん? お前ら草原に入ったことあるのか?」


「はい。昨日も行きましたし、エヴァーシ村にも行ったことありますよ」


「ほ~、そりゃいいや。野営なしだからと言ってなめてかかる馬鹿どもがいて面倒なんだよ」


「依頼には六人要りますもんね」


「そうそう。俺たちだってこの依頼はよく受けるけど、他にあんまり受けてくれる奴がいなくてさ~。たまにブリンクベアーが出て苦戦するんだよな~」


「ああ、見えにくいですもんね」


「そうだ。あれは慣れてないと分からんからな」


《ピィピィ》


「アルナどうしたの? 自分が見つけるって?」


「さっきから気になってたが、そいつ従魔か?」


「ま、まあ」


「へ~、この辺で魔物使いなんて珍しいな~。エサとか色々大変でしょ~?」


「アルナは小鳥ですから楽ですよ。後は宿の人に気に入ってもらえて、ご飯も楽をさせてもらってますね」


「宿? 邸じゃなくて?」


「どこから邸が出てきたんですか?」


「えっ!? 下級貴族とか商家の子じゃないの?」


「違いますよ。どうしてそうなるんですか?」


「だってなぁ、他のやつもかなり若いし、従魔を扱えるってことは金があるんだろ? どう見てもその辺りじゃないか?」


「違いますよ! 私はただの一般人です。受付でも言いましたし」


「悪い。俺そこにいなかったもんで」


「ただの一般人ねぇ……」


「ジャネットさんもどうしてそんなしみじみ言うんですか」


「いやいや、アスカが普通とかありえないだろ」


「あっ、そこは南に下りますよね?」


「おう、坊主はよく道知ってんなぁ」


「ここは昨日も来ましたから」


 そんな会話の間にもリュートは御者さんとルートを確認している。魔物の反応は……なし。今日は良い感じかも。


「そろそろ休憩場所です」


 そして出発から四時間経って休憩場所に着いた。


「次に長時間の休憩を取るのは十四時ぐらいです。ですが、魔物に襲われることもあるので、食事は今取っておいた方がいいかもしれません」


 大体、二時間に五分ほど確認を兼ねて立ち止まる。それ以外だとこの二回のみが休憩だ。そう言われたらあんまりお腹は空いてないけど、ご飯にした方がいいんだろうな。


「あっ、お前ら火とかは使うなよ。魔物が匂いで寄ってきやすくなるからな」


「分かりました」


 火が使えないので、携帯用の食事を出す。私がドライフルーツと干し肉で、リュートたちは干し肉。ジャネットさんは水で戻すスープを使っている。


「ジャネットさん、そのスープちょっともらっていいですか?」


「これが欲しいのかい? そこまでうまくないよ」


「いえ、アルナにちょうどいいかなって思いまして」


「そうかい。ならやるけど器は?」


「これに入れてください」


 私は面倒臭い時用に入れていた木のお椀を出して、そこにちょっと入れてもらう。


「はい、アルナのご飯だよ~。ドライフルーツ硬いからね」


「なあお前ら、いつもそんなん食べてるのか? 町に着いた時はうまい飯を食うんだろ?」


「それはそれ、これはこれです。美味しいものを食べると栄養になるんですよ。逆にまずいのは力になりません!」


「いや、それだと町でパーッと騒げないだろ」


「俺たち酒とかほとんど飲まないしな。アスカは高級店とかよく行くけどな」


 おおっと、ここで本日二度目のお前貴族だろ視線だ。みんな食事は美味しい方がいいよね? なんて考えながらベンガルの食事を見ると、堅いパンに少量の干し肉と、あのカロリーだけのエs……もとい食べ物とも言い難い物が見える。


「最初は僕らもそういう食事がほとんどだったんですけど、アスカが食べないのでどんどんそっちに寄って行っちゃったんです」


「その割にはいい装備だし、変わったやつらだな。食費がかさんで、毎日の暮らしに影響出たやつらが何人もいるのに」


「まっ、そんなのは稼ぎ方も知らない奴らのたわごとだね。それに今は火が使えないから、これでもグレードが落ちてるんだよ」


 そう言いながらジャネットさんもご飯を食べる。途中からベンガルのみんなはこっちを見ないようにしながら、ご飯を食べていた。我慢しなきゃいいのにね。


「そろそろ出発しますか?」


「はい」


「そうだな」


 休憩も取り終わり、再度進んでいく。お昼を過ぎた頃、センサーに反応があった。南の森林地帯との境を進んでいたところ、反応は森側からだった。


「ん~、四足で大きい。ガーキャットかな? ちょっと止まってください」


 私は御者さんに声をかけて止まってもらう。今いる位置なら森からやや離れていて対応もしやすかったのだ。


「どうしましたか?」


「魔物です。多分ガーキャットだと思います」


「ち、近いのですか?」


「まだちょっと距離がありますが、このままだと襲ってくるでしょう」


「本当か? 俺たちは何も感じないが……」


「アルナはどう?」


《ピィ!》


 アルナもわずかだけど反応を感じたらしい。小鳥な分、警戒心は強いからね。


「じゃあ、発見者ってことでこっちで面倒見るから、馬車は任せたよ」


「おう」


 私たちは戦闘準備を整え、馬車をベンガルに任せて森に目を向けた。


 

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