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【3巻発売中!】転生後はのんびりと 能力は人並みのふりしてまったり冒険者しようと思います  作者: 弓立歩
アスカと遺跡探検

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えーゆー?

「あの~、みなさんどうかしましたか?」


「どうかってあんた、ハイロックリザードと戦ったことがあるのか?」


「ひょっとして、この前のアルバで?」


「そうです。よく知ってますね」


「知ってるも何もこの辺じゃ、あの時戦ったやつは英雄だ。当時のアルバはまだCランク以上の冒険者も少なく、犠牲覚悟で戦ったんだからな」


「レディトもその時は最大戦力がBランクパーティーが二つ程で、実は十分に相手ができる状況でもなかったんだ」


「だから、私たちレディトの冒険者から見てもあなた方は英雄なんですよ」


「そうなんですか」


 ハイロックリザードの件でレディト側の事情は初めて聴いたかも。こっちのマスターは事務方だって聞いたし、どっちでも危なかったんだなぁ。


「そうですよみなさん。これだけの実力の方が指導員になってもらえるなんて滅多にないんですからね」


「全くだな」


「指導員って人気ないんですか?」


「人気がないというか、教えることに興味のある冒険者が少ないんです。基本的には一回二名までで、ひとり銀貨三枚の素材報酬無しというのも響きまして。かと言って、報酬をあげてしまうとギルドのマイナスも響くので……」


「ここにも前回参加してる奴がいるが、精々集団で来るってのと皮が固いってだけ教えられて、後は実戦だけだった。今回はやけに説明が丁寧だったし、ギルドが方針転換したと思ったんだが違ったんだな」


「これは特別ですね。私も数回出ていますが、正直なところ指導員のみなさんの意識次第といった感じでした。アスカ様の出された意見は中でも有用なので、ぜひ採用したいですね」


「じゃあ、アルバの方でも依頼を受けてみます。ちょっと気になりますし」


「なあ、一応聞いておくが、ハイロックリザードとこいつらはどれぐらい違うんだ?」


「多分全くの別物です。魔法はかなりの威力がないと効きませんし、ジュールさんのハルバードでも大きい傷は付きませんでした。多分普通の武器だと一撃で折れるのではないかと……。後は大量のサンドリザードを引き連れてますから、まずこの人数じゃ無理ですね。それに攻撃魔法も使いますし」


「攻撃魔法をか……さすがはAランクの魔物だな」


「正直に言うと、引き連れているのがサンドリザードで助かったって感じですね。地中から現れる以外の攻撃方法は限定的ですから」


「確かに俺みたいな重戦士は装備が良ければ安全ではあるからな。さっきの攻撃も鎧のおかげで大したこともないしな」


「突進が最大の攻撃ですからね。それを防げたら安全ですから楽なんですよね」


「楽……あれが楽なのか……」


 やっぱりあれを経験しちゃうとね。サンドリザードは安心できる。


「さあ、次はソーズの皆さんですよ。四人とランバーのみなさんより一人少ないので、より注意してくださいね」


「ああ」


 ランバーの人が下がって今度はソーズのみんなが前に出る。私は先ほどと同じように中間に構えて出番を待つ。少しだけ移動して奥側にポイントもずれたので、先ほどとはちょっと地形も変わる。岩場が如実に表れて木々も少なく、より戦いにくい地形だ。


「警戒に匂いは使えない。慣れないだろうが頼む」


「はい」


 こっちは斥候役の人が集中して警戒し、他の人は連携を確認している。こちらのパーティーは剣士二人に斥候役と魔法使いで構成されている。魔法使いの人も剣を持っているし、魔法攻撃は期待できなさそうだ。相性はこのパーティーの人たちの方が悪そうだけどどうだろう。


「とりあえず探知ではと……」


 とにもかくにも敵が現れてなんぼなので、まずはいるかどうかを確認する。ちょっと先に一応いるみたいだ。数は四匹でさっきより少ないけど、まあこれぐらいの規模が多いから大丈夫かな? とりあえず、いるということは分かったし、準備だけしておこう。


「先へと進もう」


 どうやらソーズのパーティーが進んでいくようだ。向こうもまだ気づいた様子はないし、私も距離を一定に保つため進んでいく。お互いまだ気づかないのはやっぱり装備の差かな?

 こっちのパーティーも鎧は着ているけど、重装備って感じでもないし、音もそんなに立てていない。どうやら私のアドバイスを聞いてくれているみたいだ。


《ズズズッ》


 とうとう気付かれたみたいだ。まだ距離はあるけどどうしようか?


「ん?」


「どうした?」


「何か音がした気がして……」


「分かった。みんな陣形を取れ」


「はい」


 さっきの潜る音が聞こえるなんて、この斥候の人って結構すごいのかも。感心していると、サンドリザードがどんどん近づいてくる。


「来てます。俺が先に行きますね」


「気をつけろ」


 斥候役の人は武器を構えることもなく大きい岩の横に陣取る。ちょっと荒い移動だったので、サンドリザードの警戒心もそっちに行ったみたいだ。


《ギャォォ》


「よっと」


 地中から攻撃を仕掛けてきたのに合わせて、隣の岩に跳ぶ。その後、二匹目三匹目と攻撃された時はなんと相手の鼻先を使って、次々に跳んで避ける。


「す、すごい」


「今だ!」


 攻撃後の無防備なところにソーズの残りのメンバーが一斉攻撃を仕掛ける。リーダー格の剣士の人が短めの剣を持ってサンドリザードの口を岩に突き刺し一匹を固定する。魔法使い風だった人は剣を構えて口元に一撃を加えると、そこからサンドリザードが凍り出した。どうやら氷の魔法剣のようだ。


「ちぃっ!」


 もう一人の人は最初に出たサンドリザードを狙ったけど、攻撃に対して尻尾を振って対応してきた。でも、残りは半数。さすがに手こずる感じではないだろう。


「よし、残り半分。そのまま行くぞ」


 ターゲットを絞ることなく、相手に攻撃をさせないように動く。特に斥候役の人の動きがよく、翻弄している。まあ、攻撃にはほぼ参加してないんだけど……。


「終わりだ!」


 リーダーが剣を振って戦闘は終了した。自分たちと同数と言えど、先ほどの戦いを見ていた分、やはり見事な戦いぶりだった。そのままソーズが解体に移る。


「それまでですね。文句なしのAランクです。後日、ギルドマスターと相談させていただいて、二組とも修了証を発行しますね。それにしても魔法剣とは珍しいですね」


「ははっ、これはうちの家宝でして。親は騎士なんですが、騎士学校に行くだけの金がなくて、こうして稼いでるんです」


「それでは将来は騎士に?」


「成れたらですけどね。騎士学校卒でないとなかなか成れないんですよ」


「お金を貯めたら騎士学校に行くのですか?」


「弟もいますし、こっちの方が向いてる気もするんでどうでしょう。騎士学校に行ったらマナーとかも習うそうでそっちは面倒臭くて……」


 はぇ~、色々な人がいるんだな。冒険者にもこういう人もいるんだ。でも、家宝の剣を貸してくれるなんて、お父さんも出来た人なんだな。飾ってばかりで使わないってところがほとんどだろうし。


「そういえば、斥候の人はすごかったですね。あんな動きが出来るなんて」


「あっ、いや、アスカさんにそう言ってもらえると嬉しいんですけど、実は俺、動きは早いですがそれ以外は全くでして」


 こっそり、私に見えるようにステータスを見せてくれる。腕力は私と同じぐらいで、速さだけが200越え。他は二桁のようだ。やや器用さが高いものの、レンジャー志望というには低めだ。


「リーダーに拾ってもらうまでは色々なパーティーにいたんですよ。注意を惹くのは良いけど傷も付けられないのかって言われちゃって……」


「そんなことはないと思いますよ。ソーズは前衛のパーティーですから、みんな近距離で戦うみたいですし、出来るだけ相手と一対一で戦える様にできるのでいいと思いますよ」


「そうだぞ。さっきのも俺たちに攻撃が来ていたら、怪我したかもしれないからな。あれだけ一気に仕掛けられて避けるのは俺たちじゃ難しいしな」


「私の弓でも狙いにくそうです」


「アスカさんは弓も使うんですか?」


「まぁ、サブウェポンってやつですよ。魔法だけなんて分かり易すぎですし!」


「そ、そうですよね……」


 あれ? なんだかみんなうつむいてるけど、何かあったのかな? ふと、足元の低木の近くを見る。さっきから少し戻ってきているので、木もそこそこあるのだ。


「あっ、ベル草だ。珍し~、シールさん! これは採っても大丈夫ですよね」


「え、ええ。どうぞ」


 しかも、珍しいことに群生している。よしよし、久し振りだけど頑張って採ろう。私は早速、採取用の自作ナイフを持ち出してスッと茎を傷つけないように採っていく。う~ん、二十本ぐらいだし五本は残さないとなぁ。


「おや、全部採らないのですか?」


「全部採っちゃうと、生えなくなっちゃいますから。入口とかなら採りますけど、こういうところのは採り尽くさないようにするんです。そしたら次の機会に誰かが採れますから」


「それで何時もちょっとだけ残ってたりするところがあるのね」


「出来たらみなさんもお願いします。場所がばれない限りは何度も採りにこれますし」


「懐具合にもよるが、大した金にもならないし別にいいぜ」


 採るものも取ったし私たちはギルドへ報告に戻る。


《わぅ!》


「ん? リンネどうしたの?」


 ソニアもばっと前に出て構える。何かいるのだろうか?


「探知! ……人型、だけど大きい。みなさん多分オーガです。気を付けて!」


「了解です。ソーズのみなさんは前を!」


「分かった」


 全体の人数が多いのでシールさんの指示でランバーは後方を固めて、ソーズが前だ。


「見えた!」


 私は弓を構えて射る。


 カン


「弾いた!? もう一回」


 今度は左右に連続で一射ずつだ。やはり最初の一撃は防がれたものの、二射目が肩に刺さる。間違いない、オーガバトラーだな。


「オーガの上位種です。パターンが多いので気を付けて」


 先頭に立って注意を促す。数の上ではこっちが有利だけど、相手は何を持っているのか分からない。


「リンネとソニアは木の上で待機! フォローお願いね」


《わふっ》


 二人に指示を出して、自分も構える。だんだん相手の姿も見えてきた。オーガバトラー三体にウォーオーガ二体だ。


「魔法込めててよかった。普通の矢なら刺さらなかったよ」


 みんなも態勢は整ってるし、被害が出ないようにしないと。




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