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【3巻発売中!】転生後はのんびりと 能力は人並みのふりしてまったり冒険者しようと思います  作者: 弓立歩
アスカと遺跡探検

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アスカ、臨時パーティーを組む!?


 遺跡探索も終え、レディトに帰ってきた私たちだったけど……。


「どうしましょう? サンダーバードたちついて来てますよ」


「あんたがいらないことをしてくれたおかげでね。ここまでついてきちまったら仕方ない。宿に泊めるしかないだろうね。ティタ、説明を頼んだよ」


「りょうかい」


 ティタはすぐにサンダーバードの二家族に話しかける。話が進むと、とても喜んでいるみたいだ。サンダーバードたちも茂みからバサッと出て来て、私の周りを歩く。

 町に入った後は街の人の好奇の目にさらされてしまった。というのも街の人はサンダーバードを見たことがないものの、害意がないのは私がいて分かるので興味津々なのだ。視線に耐えきれず、そそくさと宿に逃げ込む。


「いらっしゃいませ! あら、団体様ですね。どうしましょう? お部屋三部屋にしますか?」


「そうしてくれ。後、鳥のエサは……。あるわけないか」


「申し訳ありません。サービスで餌を入れるかごを用意しますので」


「助かります。ほら、みんな行くよ~」


《リィ》


《わふっ》


 サンダーバードに続いて、ソニアも付いて来る。もちろんリンネもだ。これぞ魔物使い! って風景だけど、あんまり嬉しくないのは何でだろうか。精神的に疲れたので、部屋に付いたらちょっと休む。


《リィ》


「あっ、ごめん。休めるところが必要だよね。明るいのもなんだしなぁ。そうだ! テントを組み立てるよ」


 私はガンドンのテントを出すと、早速組み立てていく。中は光を遮り暗い。だけど、サンダーバードたちにはそれが良かったみたいで、中ではしゃいでいる。


「もうちょっとしたらご飯も持ってくるからね」


 リンネたちは宿の見張りも兼ねてお外で過ごすことになった。というのも広めのガンドンのテントと言えど、サンダーバードたちとリンネとソニアだと狭かったのだ。鳥たちも落ち着かないだろうしね。


「アスカ、入るよ?」


「リュート、どうぞ」


 何の用かなと思ったけど、みんなのご飯を頼んでたんだった。


「はい、これご飯。あれ、リンネたちは?」


「ちょっと部屋が狭かったからお外に行ってもらった」


「そう。なら、二匹の分は外に持って行くね」


「うん。ありがと」


 私はリュートからご飯を受け取ると、早速テントを開ける。


「わっ!? 眩しい!」


 テントの中は滅茶苦茶明るかった。えらくはしゃいでるなぁと思ったけど、みんなで誰が一番明るいか競っている様だ。MPは大丈夫かなと一瞬思ったけど、子どもで200、大人で300の魔力ならMPは最低でも600ぐらいから最大で1000ぐらいはある。

 ライトの魔法でそこまで使うことはないからそのままにしておいた。というか日常的にこれをやってるから魔力が高いのかもしれないなぁ。


「ほら、遊ぶのもいいけどご飯だよ」


 私が話しかけると、一斉にこっちを向いてピタッと止まる。そして、子どもからご飯を食べ始める。草食な上に子どもから食べさせるなんて、とても平和的な鳥のようだ。

 その日は結局、遅くまで飛び回っていたみたいだった。もっとも宿の床まで衝撃が伝わらなかったので、周りには気づかれていないみたいだけど。そして翌日。


「みんな、今日は出かけてくるけど、大人しくしててね」


《リィ》


 見張り役にティタを置いて、私はリンネとソニアを連れてギルドに向かう。目的はソニアの登録だ。それとレディトに帰ってきたとはいえ、ヴォードさんのパーティーがまだ帰ってきていないので、数日暇なのでちょっとギルドに寄って依頼を見てみようと思ったのだ。

 みんなとはこの三日間は休日ということで話しもしている。レディトでのんびりすることも普段ないしね。


「こんにちは~」


「あら、アスカちゃん。依頼ですか~?」


「それもなんですけど、従魔の登録をと思って」


「そっちの緑色の子ですね~。少々お待ちを」


 受付のお姉さんにチクッと針を刺してもらい登録してもらう。


「はい、大丈夫ですよ~。それにしてもアスカちゃんの従魔は大人しいですね。針を見せると途端に興奮したりするもんなんですけど~」


「そうなんですか? リンネもソニアも大人しいですよ」


「私としては嬉しいですね。大怪我する人もたまにいて~」


 さらっと言ったけど、結構重大なことではないだろうか? その後は従魔の印に、黄色の足環をもらう。リンネは青でデザインは一緒だ。


「はい、これがカードです」


「どうも」


 私は早速、ソニアのステータスを確認する。


 名前:ソニア

 年齢:3歳

 種族:ソニックウルフ

 従魔:Cランク

 HP:346

 MP:220/220

 腕力:110

 体力:102

 速さ:201

 器用さ:103

 魔力:80

 運:38

 スキル:俊足、超音波、風魔法LV2


 おおっ、普通に強い。ステータスはリンネより魔力と器用さ以外はやや低く、残りは高いみたいだ。俊足もリンネと一緒のスキルだね。

 後は……超音波と風魔法か。魔力もウルフ種にしては高いし、ひょっとしたら超音波攻撃は魔法扱いなのかもしれないな。だけど、近接用のスキルがないから接近戦は思ったより苦手なのかも。気をつけなきゃ。

 私はソニアの戦い方を考えた後に依頼へと目を向けた。


「護衛は日にちがかかるし、採取もなぁ。何か変わったやつはと……」


 登録も終えたし依頼を見ていくと、あまり見かけない依頼を見つけた。


「何々……サンドリザード討伐訓練。Cランク以上で一定の経験がある方か。日帰りだしこれにしよう」


 それに依頼料も銀貨三枚と十分だし。解体あればなおよしか。持ってないけどなくてもいいみたいだし、受けてみよう。臨時のパーティーも一度、体験してみたかったしね。こうして私は登録ついでに臨時の依頼を受けることにした。


「あら、アスカちゃん依頼ですか~?」


「はい。これをお願いしたいんですけど……」


「この依頼は……ちょっとカードを貸してもらえますか? これは条件がありますので~」


「分かりました」


 言われるがまま、お姉さんにカードを渡す。


「では……討伐履歴のサンドリザードとハイロックリザードも一応検索に入れてと。ええっ!? ハイロックリザード一匹にサンドリザードの討伐数も多い……。アスカちゃん……いえ、アスカ様よろしくお願いします」


「えっ、あっ、はい。でも、よろしくって?」


「この依頼は訓練ですので、ギルドの立ち会いが必要なんです。だから、私たちも参加しなければならないのですが、このような方についてもらえるとありがたいです。同僚の中には怪我をしたものもおりますので」


 何だか丁寧な言い方になってるけど、そんなに大変なのか。三十分後に西門集合とのことだったので、ご飯を用意して西門で待つ。


「なあ、あんたも訓練参加者か?」


「はい、初めてなんですけど」


「そうか、俺は二回目なんだが、うちのパーティーの奴らは初めてだ。よろしくな」


「こちらこそ」


 先に来ていたパーティーの人と挨拶を交わす。私は初参加だし、この人に色々聞こう。


「何だ。今回はソーズの連中とか。足引っ張んなよ!」


「そっちこそな」


 少し遅れて五人組がやって来た。ソーズと言われた人たちは四人で、私も入れると一回で十人なのかな?


「で、そっちのガキは新メンバーか?」


「いや、彼女は俺たちとは別だ」


「じゃあ、ソロか? 珍しいな。しかも、連れてるのはウルフか? 一応冒険者ランクもCなんだな」


 一応は余計です。なんて思っていると、受付にいたお姉さんがやって来た。


「みなさんお揃いですね。それではこれから現地近くまで参ります。それまではお手数ですが、私が真ん中でどちらかのパーティーが後ろをお願いします」


「まて、まだ肝心の指導員が来ていないが?」


「そちらにいらっしゃいますよ?」


「な、なに……では、この子、いやこの人が!?」


「はい! 今回の指導員のアスカさんです」


「おいおい、シールさん。冗談はいけないぜ。こんなガキが指導員のはずは……」


「私がギルドで直に確認しましたが、以前の方よりも信頼できます」


「き、君、本当なのか?」


「えっ、まあサンドリザードなら、問題ないですけど。指導員ですか? この依頼は討伐訓練では?」


「あ、ああ、アスカ様。あの依頼は訓練の指導員を募るものですよ。アスカ様なら大丈夫です」


「本当かよ! 試しに出たところの木でも切ってみろ」


「いいですけど。ついでだし薪にしますね」


「薪に?」


「はい! 野営の時に手間が省けますから」


 依頼をよく見てなかったので、とりあえず実力に問題がないことを見せないといけないらしい。でも、木を切るだけなんてホントにいいのかな?


「ウィンドカッター」


 風の刃で枝打ちと上の不要なところを落として木を倒す。さらに上下を切っていって薪にしていく。後は弱めの火魔法で乾燥させれば終わりだ。なんだかソニアに見られていたけど、やり方が気になったのかな?


「とりあえず終わりましたけど……」


「は、早い!」


「それに正確だわ。私じゃできない」


「慣れたら誰でもできますよ~」


 できた薪はマジックバッグにいれておしまい。


「ま、薪をバッグに!?」


「重たいですからね」


 マジックバッグを複数持っているのでそう返したけど、後でそういうのは普通は現地で作るか背負って行くそうだ。容量がもったいないんだって。使わない方がもったいないと思うけどなぁ。


「まだ、文句がおありで?」


「いや、このまま進んでくれ」


 五人組の方も納得してくれたみたいで、道中はスムーズに進む。でも、あんなんじゃ強さなんて分からないと思うけどなぁ。


「では目的地近くまで行きます」


 その時の私はリュートたち以外だと、低ランクの知り合いはヒューイさんたちぐらいだった。だから、ウィンドカッターが何度も行き交ったり、複数属性を同時に使うことの難度を理解していなかった。

 それ故に気づかなかったのだ。この時点から他の冒険者たちが私に敬意を払っていたことを。



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