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38 爆弾!「SW≠」の襲撃

その女性プレイヤーは恐怖で顔が真っ青になり、足がガクガクと震え、その場で固まっていた。


やばい!こいつ、マジでイカれてる!


考える暇もなく、体が勝手に反応していた。狂ったようにスプーンを振り回すプレイヤーが女の子に襲いかかろうとしていて、その目は恐怖と狂気でギラギラしていた。


「おい!やめろ!」


俺はゴルフクラブを振り上げ、奴のスプーンを必死で押し止めた。キンッ!と金属がぶつかる音が廊下に響いた。


くそ、こいつ、なんでこんなに力あるんだよ?


俺は目の端で奴の仮面を観察しつつ、直視しないよう気をつけた。奴は同じ動きをロボットみたいに繰り返していた。マジで、この光景は超ヤバかった。


「わりぃ!」


俺はさっと身をかわし、奴のバランスが崩れた瞬間、思い切りゴルフクラブを顔面に叩きつけた。


バキッ!


鋭い音とともに仮面が粉々に砕け、奴はドサッと地面に倒れ込んだ。


ピクリとも動かねぇな。あんまりひどいことになってなきゃいいけど…でも、今はそんなこと気にしてる場合じゃねぇ!


「逃げろ!」俺は他の奴らに向かって叫んだ。


周りの壁からジョーカーの仮面が次々と飛び出し、俺たちに向かってビュンビュン飛んでくる。マジでホラー映画より怖えっての!


「ちくしょう!仮面に触られるんじゃねぇぞ!」


俺たちは必死に出口に向かって走りながら、手に持った武器で飛んでくる仮面をバシバシと払い落とした。ハンスは赤いボクシンググローブでガンガン仮面を殴り、ラマールは必死に箒をブンブン振り回していた。


「ひゃああっ!こっちに来ないでよぉ~!」雪ちゃんは可愛らしく悲鳴を上げながら、マシュマロ杖をめちゃくちゃに振り回した。


後ろからさらに悲鳴が聞こえてきた。振り返ると、また二人、仮面に顔面を覆われたプレイヤーがいた――杖を持ったやつと、フルートを持ったやつだ。


二人は周りのプレイヤーに攻撃を始め、その動きはガチガチに硬直していて不気味だった。


「みんな死ね!みんな死ぬんだ!」杖を持ったプレイヤーは全身をプルプル震わせながら、杖をブンブン振り回し、ビクビクと痙攣していた。「ヒヒ…ハハ…ハハハハハハ!」


「こっち見んな!見るなぁ!消えろ!消え失せろぉ!」フルートを持ったプレイヤーはキンキンした声で叫び、フルートをメチャクチャに振り回した。


ヒュッ!


石を結んだロープが横から飛んできて、発狂した二人のプレイヤーの足首をグイッと捕らえた。二人はドタバタとバランスを崩し、地面にドサリと倒れ込み、うめき声を上げた。


「そいつらはほっとけ!早く逃げて!」ロープの持ち主——クラシックな制服を着た女性プレイヤー、カイナが叫んだ。


誰も立ち止まる勇気はなかった。飛んでくる仮面はどんどん増え、恐ろしい海みたいに俺たちをザワザワと追いかけていた。


廊下はどこまでも続いているようで、迷宮みたいにくねくねと曲がりくねっていた。その時、俺の脳裏に、断片的な映像がフラッシュバックした――でっかい刃物で真っ二つにされた女の子、飛び散る血しぶき、バラバラになった手足、うつろな目、キーンと耳に響く悲鳴…


ち、違う、これは俺の記憶じゃねぇ!仮面が見せる幻覚だ!


俺はブンブンと首を振って、無理やりその恐ろしい光景を振り払った。


「白狼様…あの仮面…わ、わたし、すごく怖いものが見えちゃうよぉ…」雪ちゃんが震える声で、ほとんど涙声になって言った。


「あそこだ!出口が見えるぞ!」ハンスが緊張した声で叫んだ。


前方に開いたドアが見え、その向こうには青い空が広がっていた。誰もが我先にと、最後の力を振り絞ってダッシュした。


「ハァ、ハァ、ハァ…」


俺たちは次々とドアの外へ転がり出て、ようやくあのクソったれなおもちゃの家から脱出できた。みんなゼェゼェと息を切らしていて、中には地面にへたり込んで、荒い息を繰り返しているやつもいた。


外の世界はあまりにも普通で、相変わらずカラフルな小屋が立ち並び、陽光がキラキラと降り注いでいた。まるでさっきの恐怖がすべて悪夢だったみたいだった。


「はぁ…はぁ…白狼様…わたし、もう…動けなくなっちゃうかと思ったですぅ…」雪ちゃんはペタンと地面に座り込み、ゼェハァと息を切らし、頬を真っ赤にしていた。「あ、あの仮面…こ、こわいよぉ…」


ハンスは近くの手すりにもたれ、激しく肩で息をしていた。「くそっ…このクソゲー…マジで命取りだぜ…」


「ちょっと休もうぜ、みんなが揃ったらまた動くか」俺は周囲をキョロキョロと見回し、安全を確認してから言った。


十分ちょっと休んだけど、みんなまださっきの混乱からボーッと立ち直れていないようだった。壁にもたれて放心してる奴、うつむいて黙り込んでる奴…ドヨンとした重苦しい空気が漂っていた。


人数を確認したら、四人足りなかった。


「当たり前だろ…減らないわけねぇ…」チャカベが青白い唇で、壁にもたれかかったまま低く呟いた。「さっきマジで地獄だったぜ…」


「よし、そろそろ行くぞ」俺は立ち上がり、前方のカラフルな小屋の集まりを指さした。


突然、何かが横の建物の屋根から投げられ、俺たちの前方不遠くにドスンと落ちて、鈍い音を立てた。


青いギフトボックスだ。赤いリボンがかかっていた。


なんだこれ?バースデーサプライズか?


待てよ…


俺ははっと気づいた。ギフトボックスの表面に、血のように赤い「SW≠」のマークがあることに気づいた!昨日の夜、メモで見たのと同じマークだ!


俺の心臓がドキンと高鳴り、考える間もなく飛びかかった。


「避けろ!」


叫びながら飛び出し、ゴルフクラブを思いっきり振るってギフトボックスを弾き飛ばした。ボックスは弧を描いて飛び、右前方の小屋の壁にドゴンと激突した。


ドォォォン――ッ!


耳をつんざくような爆発音が鳴り響き、オレンジ色の炎と黒煙が一瞬にして壁の半分を飲み込む。衝撃波で俺たちはヨロヨロと後退した。


「な、なんてものだ!」ハンスは腕で顔を守りながら叫び、目はパチクリと恐怖に見開かれていた。


「今のって…まさか、爆弾?」エミリーはまだブルブルと震える声で言った。


俺はすぐさま、ギフトボックスが落ちてきた方向の屋根を見上げた。煙の中で、屋根の上でサササッと素早く動く人影が一瞬見えたが、すぐに視界から消えた。


心臓がドクドクと速鐘を打つ。頭が猛スピードで回転を始めた。これは絶対にゲームの正常な仕掛けなんかじゃない。誰かが意図的に――殺しにきてる!


「みんな気をつけろ!」俺は緊張した面持ちで全員に言った。「どうやらプレイヤーの中に殺し屋集団みたいな組織がいるみたいだ。奴らは他のプレイヤーを狙ってる」


「殺し屋組織?ふざけんな!」ある男性プレイヤーの顔がサーッと青ざめた。


俺は屈みこんで、地面に落ちていた石のかけらを拾うと、地面に「SW≠」のマークを刻んだ。


「昨夜、メモにこのマークがあったんだ。たぶん、そいつらの組織のマークだ」


「そ、それって、二日前の朝に見つかった二つの死体…あの犯人じゃないの?」雪ちゃんが、恐怖で大きく目を見開いて、震え声で尋ねた。


「可能性は高いわね」エミリーが考え込むように言った。「あの二つの死体の傷、確かにモンスターにやられたものには見えなかったし」


「その組織の名前は?」カルテルが尋ねた。


「さあな」俺は足元の黒焦げの破片を蹴飛ばした。「とにかく、もっと気をつけないとヤバいぞ。周りの様子に注意して、一人でフラフラするなよ」


「白狼様…私たち、ホントに生きてここから出られる、かな…?」雪ちゃんが不意に近寄ってきて、俺の服の端をくいっと引っ張りながら、不安そうな顔で小声で尋ねてきた。


「それは、まあ……」俺は周りの、同じように怯えた顔をしているプレイヤーたちを見回して、確信めいたことはとても言えなかった。「どうなるか…まあ、一歩ずつ進むしかないだろ。少なくとも、今はまだ全員生きてるんだからな」


「さあ、みんな。先に進むぞ」俺は再び周囲を見回した。「ここにずっといるのは危険だ」


俺たちはビクビクしながら周りを見渡し、前進を続けた。

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