理解者
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俺はあれから美琴先輩の家まで送っていこうとしたら、駅からはすぐ家に着くらしく、流石に高校生を夜にこれ以上出歩かせるわけにはいかないと断られてしまった。
そんなわけで俺は予定よりも少し早く家に帰った。
もう夜も遅く、今日一日で心身ともに動きまくった俺の身体は疲弊していたので、俺は家に帰るとすぐに寝る支度を整え、ベッドに入る。
遥紀がなにを考えてたのか俺には分からなかったが、明日は学校に行く用事があり、遥紀も来る。 その時に今日のことを弁明しようと思い、俺は眠りに落ちた。
***
翌日、俺はアラームの音で目を覚まし、体を起こして、部屋を出る。
「司、おはよう。今日学校行くんでしょ?起きないから起こそうかと思ってたよ」
今日は、俺たちの資生高校の学校説明会の日だ。そんな日になぜ俺が行かないといけないかというと・・・
あれは7月にあった終業式のこと。
「よし。終業式も終わったし、あとは帰るだけなんだか、最後にもう1つだけ話すことがある」
俺は早く帰りたくてうずうずしているが、先生の話はまだ終わりそうにない。
「8月の中旬にわが校で学校説明会のあるんだが、そこで来てくれた中学生にうちの校舎を案内する役をクラスから男女2人づつ出すことになった。だれかやってくれる人はいるかー?」
「はーい!俺やりますよ」
「おお、黒瀬やってくれるか」
遥紀が元気よく答えた。遥紀はこういうイベント事には必ず首を突っ込む。
本当によくやるよ。俺は絶対にごめんだね。
「他にはいないかー?」
先生は目線をクラスの随所に散りばめながら聞いていく。そして、ある1点のところで視線は止まり数秒後、
「はい、私やります」
瑞希が答えた。きっと、担任から涼風はやらないのか?的な視線を送られたんだろう。担任が悪いわけじゃない、いつもこうやって担任からの期待すらも応えようとしてしまうから、こういうことをやってくれる生徒だと認識されしまう。
本当に面倒で、いい性格してるよ、瑞希は。
まあ、俺は絶対こんなのやらんからな。
「じゃあ、あと男女1人づつ誰かいないかー?いないならくじ引きで決めるしかないけど」
まあ、それが妥当だろう。確率は約20分の1。そうそう引く確率じゃない。
「はーい。俺は司がいいと思います!」
「ちょっ!おい」
あいつやりやがった。俺がやりたがらないのを知っていながらにしやがったな。
「お、早乙女やってくれるのか?」
自分がやりたくないからやってほしいという期待に溢れた男子の視線が俺に集まる。この状況でNOと言えるほど俺の肝は据わってない。
「はい。分かりました」
俺が答えると、クラスメイトの男子の視線は俺から外れまた、前にある教卓に移る。
「おい、お前やったな。覚えとけよ」
「そんな怒んなって。先輩に聞いたんだが、2:2に分かれて、2人づつで案内するらしいぞ。涼風さんと一緒にしてやるから」
「そういうことじゃない」
「じゃあ、男子は決定で、女子は誰もいなさそうだから、くじ引きにするぞー」
女子全員が自分が当たらないようにと祈りを始めた瞬間、意外なところから声が上がった。
「は、はい!私やりたいです」
「おお、室井。やってくれるか。じゃあ全員決定だな。よろしく頼むぞ」
声を上げたのは室井透花。髪は長く、目にも少しかかっているくらいで、クラスでは目立たなく、俺は喋っているところをほとんど見たことがないくらいおとなしい性格の子だ。
そんな子がこれに志願するなんて驚きはしたが、俺はすぐに遥紀への怒りに思考が切り替わってそれどころじゃなかった。
***
そんなわけでその学校説明会が今日あるため、俺と瑞希は学校に行かなくてならない。
さんざん文句を言ってたが、今はでは遥紀に弁明できる機会で、結構感謝している。色々言ってごめん遥紀。
学校に到着し、今回のことの説明を受ける教室に入ると、遥紀はすでに到着しているようだった。
後ろの席が空いていたので、いつもの教室のように俺は遥紀の後ろの席に座った。
「あのー遥紀さん?昨日のことは・・・」
「どうしたの?浮気者?」
遥紀は笑顔で俺に返してきたが、問い詰めるような怖い笑顔だった。
「浮気者って、俺は誰とも付き合ってない」
「涼風さんというものがありながら、あんな綺麗な人とお祭り行くなんて罪な男だね」
遥紀は俺をからかうように言ってくる。
「いや、あれはただのバイトの先輩。昨日たまたまシフトが被ったから誘ってもらえただけ」
「あんな綺麗な人が他に誘う人がいないと思うか?それも、あんな気合入れて浴衣まで着てたじゃん」
「それは・・・そうなんだけど」
「じゃあ、何もないって言うなら涼風さんに言ってもいいよね。浴衣来ためっちゃ綺麗な人とデートしてたって」
祭りに行ってたことは言ってあるが、細かいことは瑞希には言ってない。言っても問題自体はないのだが、俺の感情はそれを拒んだ。
「だめ。言わないでください」
「うん。素直でよろしい。それに免じて黙っていてやろう。ややこしくなりそうだから黙って、知らないふりして通りすぎた俺に感謝しろよ?」
「あの時マジでテンパってて、それは、めっちゃ助かりました。ありがとうございます」
やっぱり、俺のことを1番理解してくれているのは、遥紀だよ。でも俺は一生、遥紀に頭が上がらないのかもしれない。
48話も読んでいただきありがとうございます。
昨日投稿できずに申し訳ありません。今日の夕方から夜にかけての時間帯にもう1話投稿するので許してくだい。(何度もすみません)
これからも応援よろしくお願いします。




