ベレアとの相対
「これくらいで……負けるわけないだろうが!」
俺はベレアが放ってきた魔法を一気に叩き斬る。
運ゲーだった。それほどまでに相手の魔法が強力だったのだ。
だが、やるしかない。
何が神様だ。こっちには隠しダンジョンの力があるんだぞ。
「ふん。私の魔法を斬り捨てるなんてさすがね」
「当然だ! これくらいで死んでたまるか!」
俺は剣を構え、一気にベレアへと接近する。
相手は魔法中心の攻撃。
剣士の俺にとっては相性は最悪とも言える。
だが――今の俺なら倒せない相手ではない。
剣を薙ぎ払うと、ベレアが魔法結界を張って攻撃を防ぐ。
どうやらそう簡単にはいかないらしい。
「ここは通さないわ。リイドの邪魔はさせない」
「この先にリイドがいるんだな……なら全力でお前を倒す!」
俺はこの国とは関係のない人物だ。
勇者にとっては俺は何者だ……なんて話だろう。
だが――俺にも責任がある。
こうなってしまったのは、俺の責任だ。
だから俺が止める必要がある。
全力で、食い止める必要があるんだ。
剣と結界が当たると、轟音が響く。
さすがは神様とやらの力が加わっているだけある。
はるかに力が増している。
以前のベレアならこんな攻撃を防ぐことなんてできなかっただろう。
しかし甘い。これくらいで神様の力だなんて笑わせる。
俺は剣を握り直し、結界に向かって突き立てる。
所詮相手が使っている魔法は結界魔法。
絶対に攻撃を防ぐことができる最強の盾ではない。
無理やり――破壊することだってできる。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
瞬間、パリンと音を立てて結果が破壊された。
「な――」
そして、勢いに任せたままベレアを貫く。
息はもうすでに上がっている。
肩を揺らしながら引き抜き、ベレアを見た。
「や、やるじゃない……」
ベレアは血を吐き捨てて俺のことを見る。
胸に空いていた傷をみるみると修復されていく。
……無力化するには苦労しそうだな。
「ナナ! アイラ! 勇者たちと一緒に距離を取ってくれ!」
俺は指示を送り、ベレアを再度見る。
せっかくだ。使ってやろうじゃないか。
向こうが神様の力を使ってくるのなら、こっちにも秘策がある。
隠しダンジョン。その力を使ってやろうじゃないか。
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