接敵
「第三アトムス拠点ね」
どうやら、その魔族が潜んでいる場所は最近まで使われていた拠点らしい。
突然魔族化したカイトさんの親友により、使用は不可になったらしいが。
ともあれ、帝国軍側からしたらたまったものじゃないだろう。
なんせ拠点が一つ潰れているのだ。
そりゃ俺にも頼りたくなる。
でも……事情が事情だ。
カイトさんは一体、俺にどんな心情でこの依頼を頼んだんだ?
想像すると胸が痛くなる。
彼は隊長という称号を持っているため、下手に負の感情を出すことが出来ないのだろう。
笑ってはいるが、決して心までは笑っていなかった。
本当に、俺にしか頼れない。
そんな感じがした。
「ここか……」
山岳地帯を進んでいると、大きな建物が見えてきた。
遠目ではあるが『第三アトムス拠点』という文字が見える。
「また魔族かぁ」
「そうだ。まあ、今回もアイラはお留守番……それとナナもだ」
そう言うと、ナナはキョトンとした表情を浮かべる。
「神を名のる人物は少なくとも、ナナも狙っているんだ。今回は隠しダンジョンで待っていてほしい」
「……不満ですが、分かりました」
「安全のためなんだ、許してくれ」
ナナを帝国に置いておくのも一瞬思ったが、カイトさんが信用できても他が分からない。
もしかするとナナを皇帝に引き渡す可能性もある。
それだけは避けるべく連れてきたが、申し訳ないがお留守番は確定だ。
せっかく隠しダンジョンがあるのだ。そこで待ってもらう。
「それじゃあ、私たちは待ってるからねー」
「いってらっしゃいです」
「任せてくれ」
彼女たちが消えるのを見届けた後、俺は拠点内に入る。
中は複雑でまるで迷路のようにも思えた。
こうなってくると、探すのは大変だな。
前回と違って、アンデッドが湧いているわけでもない。
ただ、一人の魔族だけが脅威なのだろう。
ここは慎重に――
「なっ!?」
バンっと音がなった瞬間に剣を構える。
すると、カチンと音を立てて何かが弾かれた。
「弾丸……」
なるほど。さすがは帝国軍。魔族でも銃を使ってくるか……!
だが、方向は分かった。
俺は弾丸が飛んできた通路を駆け抜ける。
バンバンバンと連続で弾丸が飛んでくるが、全て切り落とす。
これくらいの試練、俺は隠しダンジョンで乗り越えてきた。
「はぁ……ここまでするか」
突然、照明が消えた。
拠点内ということもあって、窓がない。
そのため、視界はもちろん真っ暗だ。
見える閃光を頼りに進んでいくと、突然体が浮いた。
「投げられた――!?」
体が宙に浮く感覚がする。
俺は咄嗟に受け身を取って辺りを見渡す。
……全く見えないな。
「神が言っている。貴様はここで終わると」
「そうだ。貴様は秘密を知りすぎた」
「……やっぱりいたか」
一度、聞いた覚えのある声が虚空から聞こえた。
場所は掴めないが、少なくともここ付近にいるはずだ。
「ナナは……いないか。まあいい。お前さえ殺れば早い」
その瞬間、何者かが俺の体にのしかかってきた。
「コロス、コロス、コロス」
「見つけた!」
この人が多分、件の魔族だろう。
ここまで距離があると、目が慣れてきたおかげかちゃんと見える。
今日は後一話更新します!お楽しみに!
さて、皆様の応援のおかげで7位をキープしております!やったぜ!
しかし、もう少し皆様のお力を貸して欲しいです。
【広告下の☆☆☆☆☆をタップして★★★★★に染めていただけると励みになります】
下の方にスクロールしていただくと、分かりやすいように案内を用意しました(緑色の文章)ので、
続きが気になる!面白いと思ってくださった方はお気軽に評価していっていただけると嬉しいです!




