公国のギルドにてまたしても敗北(リイド視点・ざまあ)
リイドたちはどうにか、リトバー公国までやってくることができた。
息を切らしながら、公国内をさまよう。
きっと、どこかにルイトがいるはずだ。
「ルイトのことだ。きっとギルドで稼ごうと考えているに違いない」
「そうね。レベルは低いけど、ある程度は戦えるもの」
間違いないとリイドたちはギルドを探す。
もちろん、その読みは当っていた。
事実、少し前までルイトはギルドを出入りしていたのだ。
その判断は間違っていない。
ただ、ギルドに足を踏み入れるのが間違っていた。
「我々はアルバ王国の勇者である! ルイトがいるなら、今すぐに差し出せ!」
リイドが叫ぶと、ギルドの面々が立ち上がる。
指をポキポキと鳴らしながら、リイドの前に全員が立ちふさがった。
「アルトミスさんからよぉ、俺たちは聞いているんだ。俺たちのボスであるルイトさんを追っているんだってぇ? 追放しておいてよぉ、理不尽というか自分勝手だとは思わねえかぁ?」
一番最初に声を上げたのは、スキンヘッドの男だった。
ルイトがこの国にやってきて、最初に敵対した者である。
そして、一番最初にルイトを認めた男でもあった。
最初こそ迫害をしていたが、今は違う。
ルイトの強さ、優しさに触れ、今も彼をボスと呼んで懐かしんでいる。
「な、なんだ貴様ら!」
「私たちは勇者なのよ!」
「ほう。勇者か。ちなみに聞くが、お前らはどこの国の勇者なんだって?」
スキンヘッドが尋ねると、リイドは下唇を噛み締めながら言う。
「アルバ王国の……勇者だ」
「ほほう」
スキンヘッドはニヤリと笑い、指をピンと立てた。
「んで、ここはなんていう国だ?」
「リトバー公国だ……」
「つまりよぉ。俺らにとっては、お前は勇者でもなんでもないただの一般人ってわけだ。なぁ、お前らもそう思うだろ!」
「そうだそうだ!」
「何が勇者だ、偉そうにしやがって!」
「潰せ! 潰せ! 潰せ!」
「というわけなんだ。わりいが、歯を食いしばれ!」
そう言って、スキンヘッドが一撃をリイドに放つ。
まさか殴られるなんて思わなかったのだろう。
リイドは無様にも、思い切り顔面を殴られて地面に転がった。
「リイド!?」
転がったリイドをベレアは起こす。
「……クソ! どうしてここまで順調に行かないんだ!」
「悪いな。ルイトさんは俺たちのボスなんだわ。ルイトはもうここにはいねえ。だからさっさと出て行け!」
「どうするのリイド……?」
「出ていくぞ……ルイトはいないんだ。ここにいる必要はない……」
リイドは立ち上がり、ギルドから出ていく。
その間も後ろからは罵倒が飛び交っていた。
「ベレア。ここにいないとなると、ルイトはアトムス帝国に移動している可能性がある。絶対とは言えないが、ルイトを連れ戻さないと国には帰れない……行こう」
「……分かったわ」
リイドたちは、ついに一般人を前にしても敗走した。
ずっと最悪の初めてが続いている。
何もかも、ルイトを追放――見殺しにしたばっかりに。
ざまぁになります!さて、どんどん近ずいて来ましたが、勇者一行はどんどん落ちぶれていきます。追放どころか、追いかけていることすらも後悔していくことになるでしょう。
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