アンデッドの屋敷
「……ここで合っているんだよな」
「はい。そのようで……」
森の中に入り、しばらく走った後。
長い石橋まで来て、ふと下の方を見ると大きな屋敷があった。
明らかに異常な気配がする。
屋敷はツタに侵食され、窓は割れている。
良い言い方をすればお化け屋敷のようだ。
悪い言い方をすれば、間違いなくアンデッドが潜んでいる本物のお化け屋敷だってことだ。
「とりあえず降りようか」
石橋を渡りきると、屋敷へと続く道があった。
そこを経由して、屋敷の前まで来た。
「気味が悪いです……」
「うげぇ……精霊さんの魔力とは真反対の物がはびこってる……気持ち悪いぃ……」
「そっか。アイラは精霊だもんな」
アンデッド系とは相性が悪いのだろう。
かなり顔色が悪く見える。
「アイラは隠しダンジョンに戻ったらどうだ? ここは俺がやっておくからさ」
「そうするー……ごめんねー」
「大丈夫だ。それじゃあな」
シュンとアイラが消える。
多分、隠しダンジョンの方に戻ったのだろう。
と言っても、アドバイザーが留守なのはおかしい話だが。
「ナナは光魔法、使えたりするか?」
「もちろん使えます! 今度こそ活躍しますからね!」
「良かったよ。よし、頑張ろうな!」
アンデッドには光魔法が一番効果が高い。
俺も使えるかもしれないが、きちんと魔法を把握しているわけではない。
剣士だってのもあるだろうけど、魔法を覚えるのは苦手らしい。
いや、単純に俺の記憶能力が低いだけかもしれない……。
ま、やってみたらできるかもだけど。
屋敷の扉を押し開くと、気味の悪い音が響く。
どうやらかなり建て付けが悪いらしい。
「……かなり上位のアンデッドがいるな」
ランクにしてAだろうか。絢爛な装備を身に着けたアンデッドが大量に湧いている。
これはアルトミスさんも頭を抱えるわけだ……。
「ナナ。上級アンデッドは倒しても復活する可能性がある。俺が一気に斬り倒すから、その瞬間に魔法を放ってくれ」
「分かりました! わたしにお任せを!」
「任せた!」
俺はうごめくアンデッドに向かって走る。
少し器用なことをしてみようと、剣に魔法を付与してみた。
「《火力増加》ッ!」
刹那、剣が赤く光る。
俺はすかさず、更に自分にバフをかける。
《速度加速》で自分の身体能力を格段に上げる。
再生する時間なんて与えない。
一瞬にして、斬り倒されたアンデッドを前にして叫ぶ。
「ナナ! なんでもいいから光魔法を!」
「分かりました! 《光鏡》!」
パッと部屋全体が白い光に包まれる。
アンデッドが再生を試みるが、光魔法によって遮られ燃え始めた。
「よし。一階は攻略完了だな」
この屋敷は二階建て。これほど増殖している原因。
大元は最奥にいるだろう。
「階段ありましたよ!」
「オッケー。慎重に行こう」
階段へと移動し、一段踏みしめる。
瞬間、場の空気が一気に変わった。
「あらあら、蹂躙しちゃったの? せっかく餌になる人間が来るって言うからペットを用意していたのに」
階段の上を見ると、高貴なドレスを身にまとった女性がいた。
いや……この気配はただの人間ではない。
「魔族か……!」
全く、厄介な相手が来たな……。
「あなたみたいなイレギュラー大好きよ。でもね、大嫌いでもあるの。マナーのなっていない雑魚は死になさい――!」
瞬間、相手がナイフを持ってこちらに接近してきた。
俺は咄嗟に剣を引き抜き、ぶつかり合う。
あまりの衝撃からか、接触した際に火花が散った。
「来なさい! 私の思い、封じきれるかしら!?」
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