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続きそうで続かない短編倉庫  作者: あかね


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ケモ度ぉ(鳴き声)の聖女様

 色々あったようなないような経緯を経て、異世界に聖女として降臨した私。

 聖地を定め、迫害されていた少数の種族にもお優しいという噂のわたくし。

 ケモ度90%でもイケる、人外そのもの、目玉お化けでもイケる、人外スキーであったのです。


「はぁ、どっかに、イケてる、ケモいないかなぁ」


「駄々洩れの欲望ありがとうございます」


「礼を言うわりに、苦々しい顔」


 お礼を言われるのは、世界の運営に必要なエネルギーを提供しているため。その名も欲望エネルギー。どうなの? と思う。

 本来は同じ世界で賄うはずが、穏やかな世界運営過ぎて突出した欲望持ちも出てこず、定期的に異世界からおいでいただいているそうだ。

 先代はうちの嫁さんとえろ……エルフをご紹介いただいた。

 癖。

 癖がさぁ。


 ……。

 人のこと言えないかとそこはスルーしたのは大人の対応だっただろう。というか女性なんだが、いや、世の中多様性……。うん。私、無機物、無性いけるので性別なんて! だもの。

 アンドロイドがな。変形するやつに脳を焼かれているので。


 ……まあ、そういう人間はこの世界にはもういないのである。

 正真正銘変態、私だけ。いや、先代もいるか。それにしたって二人。少なすぎる。


「ケモ、とか鳴くからですよ。うるさい。

 いるじゃないですか」


「ケモ度20%じゃなくて、50%くらい」


「それ、解釈違いが生まれすぎるので詳しく」


 ものすっごい嫌な顔をしているのはこの世界の意思の外部出力装置(自称)。つまりは、神様的なものの一部。

 私が居なければ困るくせに、私の欲望に嫌な顔をする。

 なんだ、ツンデレか?


 言うとはぁ? と冷酷対応になるので、いわないけど。前例がある。


「ええと、ケモ顔で」


「下が人間?」


「下半身獣で」


「アウト」


「くっ。

 じゃあ、にくきゅう」


「セクハラするからお断りします」


「しないよぉ。ぷにぷにするだけだよぉ」


「どこのドスケベ親父だよ、ってツラなので鏡見て来ればいいですよ」


「……はい。反省します。

 じゃあ、あの、毛皮のある、顔にこう獣の名残のあのマズルがある感じので、一つどうぞよろしくお願いします!


 平伏してお願いした。

 ぺらぺらと紙をめくってるような音が聞こえた。


「闘技場で使われてる人がいますので、行きますか」


「いきまっす! ぜひとも、行かせてください!」


 うきうきとしかし表面は憂いを浮かべたまま、違法闘技場にカチコミに行くのであった。


 まってろ、私のケモ度50%! たっぷり、休養させてつやっつやにしてやんよ!

そんな聖女様はこちらです。


異世界転移したら人外男子がいるっていうからついていったのに、ケモ耳・しっぽだけでは足らん!もっとだっ!※なお、ケモ耳・しっぽ男子は聖女スタッフがおいしくいただきました。

https://book1.adouzi.eu.org/n1873jn/


突発的に、なにか、発作のように、出てきます。日々の人外が足りないのかもしれません。

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― 新着の感想 ―
この聖女サマは相変わらず癖に正直だな!(笑)
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