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魔女の気まま暮らし~元勇者は不老で最強になってました~  作者: ゆっき
第2章 新たな住民と人族と魔族

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忙しさの合間のひと時

 翌日。薬屋は明日ということだし、今日は特に街にいかずにのんびりできる。

 最近、突然のように忙しくなって久しぶりにすら思える。


「ふぅ……」

「どうしたのよ、ため息ついて」

「いや、のんびりできるのが久しぶりだから」

「確かにそうかもしれないわね」


 数百年森からでなかった人間が、外に出た瞬間にこんなことになるのね。


「そういえばシグニアさんは?」

「農作業以外で軽く武器になるもの振る感覚を忘れないようにって、外で薪割ってるわよ」

「ありがたいけどいいのかしら。まあ馴染んでるっていうことでストレス感じてないならいいんだけど」

「いいんじゃない? 本人がやりたいって言ってるんだし」


 あたしの考え過ぎなこれは癖なのかもしれない。人の気持ちって難しい。

 というか薪割りは農作業とは別扱いなのね。まあ人によるかもしれないけど。

 いや、たしかに何かを斬る感覚は鍬とかよりはえられるのかも。


「まあ明日どうせ街いくんだし。その後は、なんか変な鎧と戦いに行くんでしょ」

「そうね」

「それなら今日くらいのんびりしてなさいよ」

「そうしようかしらね」


 しかし、1人の時は何にも考えずにのんびりすることに不満はなかった。

 ただ、こうして人と一緒に暮らし始めてわかる。

 何もしないというのは、それはそれで辛いということだ。

 1人のときは多分、自分と比較する相手とかもいなかった。ついでにあたしの場合は勇者としての人生しか歩んだことがないから、普通の忙しさを知らずに極端な命がけの忙しさだけしかしらなかった。

 その結果で極端なゆったりを楽しめていたのかもしれない。


「リリアちゃん。今回のこと終わったら何する?」

「なんでそんなこと聞くの?」

「いや……なんでって聞かれると難しいわね」

「別に普通にやりたいことやって暮せばいいんじゃない? 私の知ってるシエーラさんはそんな感じだけど」

「そうね。多分そうなのよね」


 椅子に座って揺られながら外を見ると、風で小さく木々たちが揺れている。

 のんびりとした時間だ。


「……もしかしてあたしって欲がない?」

「欲がない人が私の事買うの?」

「いや、それは運命的なあれこれだと思うのよ」

「そうは言われても……でも、たしかにシエーラさんたまにものすごく無気力でボーッとしてる時あったかもしれないわね」

「前はそっちが普通だったんだけどね」

「感情豊かになることはいいことじゃないの?」

「なんかあたしが不足した人間であることを最近自覚し始めてるのよ」


 さっき考えたばかりだけど、改めて考えよう。

 数百年のんびりと過ごせたのは、そもそもあたしがゆっくりしたいという事以外への欲がなかったからじゃないだろうか。


「うぅん……それじゃあそうね」

「ありがとう」


 自然にリリアちゃんがお茶を入れてくれて、対面に座った。


「よく考えたらシエーラさんの趣味って聞いたこと無いかも」

「そうだったかしら?」

「もしくは別の大きな出来事が有りすぎて話してても印象に残ってない」

「それも有り得そうな毎日かもしれないわね。でも、趣味……」


 やばい。今頭の中で考えたけど1つとして浮かんでこない。


「あたし趣味無いかも」

「料理は? あれだけできるんだから趣味とかじゃないの?」

「……そこそこ長い間、1人で自給自足してれば自然と試行錯誤しだすから趣味といえるかは微妙ね。リリアちゃんが上達したりシグニアさんがきてからは任せる時も多いし」

「じゃあ、買い物? 結構服装とかのあれもあったわよね」

「趣味というか好み程度で、詳しくはないわよ」


 元々が男だったわけだし。最近たまに忘れかけるけど。


「……じゃあ、今回のことが終わったら趣味探しでもしてみたら?」

「趣味探し……それもいいかもしれないわね」


 リリアちゃんの入れたお茶をいただきながら、その後もまったりとした会話が続いた。

 しかし、本当にあたしって無欲だったのね。


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