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魔女の気まま暮らし~元勇者は不老で最強になってました~  作者: ゆっき
第2章 新たな住民と人族と魔族

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襲撃の理由

 道を元通りに戻して馬車を確認する。気配の数からして全部対処できてるから無事のはずだけど、万が一後ろがやられてたらまずい。

 まあ、その考えは杞憂だったようだ。

 あたしが馬車の後ろに移動すると、すで地に伏したサーベルウルフと剣を収める彼女がいた。


「そっちも終わった?」

「大丈夫よ」

「よかった。山を出るまでは、アタシも外で護衛する」

「そうしてもらえると助かるわ」


 改めて彼女をよく見てみる。綺麗な黒髪を後頭部の上の方で縛ってテールを作っている。女性の中では身長は普通だけど、背中に収められている細身の剣のせいか小さく見えてしまう。

 その立ち姿は冒険者と言うよりは、剣士といったほうが良い気がする。

 いや、剣士の冒険者も多いんだけど、流派やこだわりなどの剣への誇りを持つような感じの存在だ。


「アタシはコノミ。よろしく」

「アンジュ・シエーラよ。アンジュでいいわ」


 あたしは差し出された握手に応じる。

 立ちふるまいや雰囲気からみてて誰だけど、西大陸では見たことがあまりないタイプだ。

 東大陸特有の何かがあるのかもしれない。


「海沿いまで来たのは、アタシは初めて。サーベルウルフはこの辺にはいつも?」

「いいえ、今少し異常かもしれないってことで調査してるところだったの。護衛を名乗り出たのもそのためよ」

「了解した。しかし、サーベルウルフは肉も入ってない馬車を襲ってくるとは妙」

「本当に魔法道具だけなの?」

「中にいたから、少なくとも食料の類は旅の分しかない。それも保存が効くように加工したもので、わざわざ動物。ましてや魔物が襲ってくることは殆ど無いような食料だけ」

「そうなのね……」


 となるとやっぱり襲ってきた理由にも違和感が出てくる。

 サーベルウルフの嗅覚は、魔物の中でも良いはずだ。


「やっぱり、少し警戒していくに越したことはないわね」

「うん。ところで、森のなかに潜んでだお仲間さんは大丈夫? 護衛を手伝ってもらうことになるし、姿を現すかはともかく確認してくるくらいの時間は待つよ。商人さんも馬を落ち着かせてるところだし」

「そうね、ありがとう。それじゃあ、少し確認してくるわ」


 あたしはそう言ってからシグニアさんの気配がする方に移動する。

 多分、このあたりにいるはずなんだけど。あたしがあたりを見渡すと、木々の緑と茶色の中に違和感を与える銀色を見つけた。


「シグニアさ……ん」

「シエーラさん。大丈夫だったか?」

「う、うん。あたしの方は大丈夫だったけど」

「そうか。ならばよかった」


 シグニアさんにやられたサーベルウルフは見事にメイスで牙を叩き砕かれて、体もところどころ陥没していた。


「後で埋めてあげておいてね」

「あ、あぁ。やりすぎたな」


 かなりパワータイプなのかもしれないわね。


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