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魔女の気まま暮らし~元勇者は不老で最強になってました~  作者: ゆっき
第2章 新たな住民と人族と魔族

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サーベルウルフの違和感

 翌日。朝早くに起きてからあたしはひとり家を出た。

 やることがあると必要以上に早起きしてしまう時もあるのは何でなのか。

 街にたどり着く頃には、各々店を開く準備をしているのが目に入ってきた。

 店が本格的に始まる時間より、前に契約は終わらせてしまったほうがよさそうと考えたけど実際どうなんだろう。

 まあ、もう街についてしまったし行く他なさそうなので、あたしは薬屋へ一直線で向かった。

 薬屋にたどり着くと、他の店と同じく店を開ける準備をしていた店員の姿を見つけた。


「おはようございまーす」

「あ、おはようございます。ってアンジュさん!?」

「依頼の話、今で大丈夫かしら?」

「あ、もちろん。中へどうぞ」


 あたしは案内されて中の机と椅子に座る事になった。本人は少しだけ店の奥に入って契約書らしき物と、別の大きな紙を持って戻ってくる。


「すいません。朝早くから」

「大丈夫よ。店開く前のほうがいいかと思ったから」

「ありがとうございます」


 店員は深く頭を下げてくる。店で働いてる故なのか性格なのか、誠意が過度な気もするけどあたしがどうこういうものでもないだろう。

 もしかするとあたしが雑だったり気にしなさすぎな性格の場合もある。


「それで、改めてどういう依頼になるのかしら?」

「えっと、これを見てもらいたいんですが」


 そう言って彼は持ってきた大きめの紙を机の上に広げる。それはこの周辺地域の地図だった。

 いくつかの道が目立つように色付けされている。


「この色が付いてるのが交易っていうのかしら。まあ商業用のルート?」

「はい。それで、その中でもこの山のルートに隣接して魔物が巣食ってしまったんです」


 そう言って指さした先は内陸の奥に行くための山を越える最短ルートだった。

 その他のルートだとたしかに数日レベルで到着が遅れそうな気がする。


「どの辺りに巣食ったのか細かい所はわかる?」

「すいません。そこまでは……ただ、魔物の警戒度合いとかを考えると自分を守るためというよりは縄張りを守るためというようなものに似ていたと鉢合った人から話を聞いてます」

「……あなたは直接出会ってはないってこと?」

「ボクは遠目で同じ魔物を見かけたといった感じですね。でも、なにか警戒してた雰囲気はたしかにありましたが、そこまで細かい事は」

「そう……まあ、魔物で迷惑被ってるのに嘘つく理由もないしそれは信じていいわね」


 ここまでで山の中での仕事になることは確定した。火属性魔法はあまり使えないかもしれない。


「それじゃあ魔物の種類はどうなるかしら? 場所はまあいいけど、種類によってはあたしの手におえない場合だってあるから」

「ボクが見たのは『サーベルウルフ』です。少なくとも最近になるまでは一度も見たことなかったんですけどね」

「サーベルウルフね。まあそれならやりようはあるかも」


 サーベルウルフは牙が長く口からはみ出ていて、その牙がさながらサーベルのように見えることから名付けられた魔物の一種だ。元々はウルフだったが魔力によって変異して魔物化したタイプだった記憶がある。

 ただ、問題はサーベルウルフにそこまで強い縄張り意識があったかどうか。

 あたしの昔の記憶を無理やりほじくり出すと一つの嫌な予感が浮かんでくる。

 それはサーベルウルフの使役だ。サーベルウルフはそこそこの知能があるために使役する方法もいくつか存在している。

 つまり縄張りを守るかのような行動が使役されたサーベルウルフが指示されてやっていると考えればつじつまは合う。

 問題はそれが事実ならサーベルウルフを操っている誰かが裏に存在しているということだ。


「えっと、頼めますかね?」

「まあ、今いるサーベルウルフをどこかに追いやるなり倒すってことは可能だと思う。ただ、ひとまずはそれだけでいい?」

「他になにかあるんですか?」


 サーベルウルフがこの辺りにいないのか、彼は縄張り意識の違和感にまではたどり着かないらしい。

 人為的な何かがあれば、それはもう騎士が出向く必要も考えなければならない案件だけど、あたしが確認して直接伝えればそれでいいか。


「いいえ、大丈夫よ。わかった。契約書を見せて」

「はい、これです。よろしくおねがいします」


 あたしは少しの疑問は残るものの、これ以上は自分で確認したほうが良いと考えて契約を済ませる。

 でもこれは、急いだほうが良いかもしれないわね。

 あたしはそう思って今日中に出発できるように家に向かって走り出した。


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