緊張
妙に眠れない夜を過ごして翌日の朝。
顔を洗って目を覚ましてからアリアさんの到着を待つ。
しばらくして日が徐々に昇り青空がはっきりと見える時間に彼女はやってきた。
「遅れてごめんなさい」
「大丈夫よ。どうせ毎日のんびりしてるようなものだからね」
「私ものんびり過ごしたいものですよ」
手短に挨拶を済ませてから家に招く。
ひとまず最初からばったりというのを避けるためにシグニアさんはリリアちゃんの部屋にいてもらっている。
「あれ? リリアちゃんは?」
「畑にいるわよ」
「あ、本当ですね。お久しぶりです」
アリアさんは窓を開けて外にいるリリアちゃんに声をかける。
「お、お久しぶりです!」
まだ緊張するのかリリアちゃんは、ちょっと硬い声でそう返したようだ。
「それじゃあ、ちょっと呼んでくるから座って待ってて」
あたしはアリアさんにそう伝えてからシグニアさんを呼びに行く。
リリアちゃんの部屋に入るといつもどおりのシグニアさんがいる。こっちは緊張とかはないみたいだ。
そう、思ったけれど近づいてみると尻尾の毛が少しだけ跳ねてる。
たしか気絶から起きた時とかもこんな感じだった気がするけど、緊張してるとこうなるのかな。それともあたしが今まで気づいてなかった癖っ毛だったりするのか。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫だ。ワタシとてこのようなことで緊張は……」
「絶対緊張してるわよね。あたしの時そんなことなかったのに」
「それは、出会いがそもそも想定外であったし意識してない時にはすでに自分の距離に入られていたようなものだからな。今回のように完全に外だと意識してしまう人と話すには緊張してもしょうがない」
最終的にごまかしてたはずなのに自分で緊張していることを暴露してるけど、自覚してなさそう。
「ほら、あたしも一緒にいるから行くわよ」
「わ、わかった」
少なくとも尻尾以外は表面上緊張が見て取れない。隠すのが上手いのか下手なのかよくわからないな。
場合によっては大きく状況が動く対談なのに大丈夫かな。




