信頼と関係
数日が過ぎてシグニアさんの傷口は素人目では完全に塞がった。
傷跡はいくつか残りそうだけど古傷もあるし、目立つ場所ではなさそうだ。
「うぅん……」
「シエーラさん? ワタシの尻尾を梳かしながらどうかしたのか?」
一応、関係としては深まったようで尻尾をあたしが梳いても問題ないくらいだ。
「いえ、改めて本数を数えてみたけど、これって人によってちがうの?」
「そうだな。だが、ほとんどは生まれつきで決まる事が多い。体毛は親の遺伝が大きい」
「ってことは、シグニアさんのご両親はどっちも銀髪の銀尻尾ってこと?」
「いや、母は体毛と尻尾が銀で髪は赤い。父が銀髪なんだ」
「それで、見事に銀部分を遺伝したってことなのね」
綺麗に銀にそろうと一色でもとても綺麗だ。
「しかし、そろそろ世話になるばかりではいかないな」
「これからどうするか決めたの?」
まだアリアさんにも言っていない。外にも出かけていないから情報はここで収まっているはずだ。
「まだ戻るには時間が早い気もしてるが、不用意に人族の国に行っても混乱を招くだろうか」
「まあ、貴族とか有名な騎士との関係とかがない限りは誤解を受けるかもしれないわね」
「やはりそうか……」
シグニアさんはそう言って顎に手を当ててうなりだす。
毛並みを整えた尻尾を少しだけ触らせてもらったあと、外の畑へとでた。
「リリアちゃんどう?」
「一応、収穫できる分は終わったわ」
野菜の方はいくつかが収穫時期を迎えていた。今回は豊作で余る可能性があるほどになりそうだ。
「どうしようかな」
「今まで余ったのはどうしてたのよ?」
「腐ったのは土にしたっていうか、仕方なく埋めたりしていたわ」
「それなら、余裕持ちつつそれでも余りそうな分は売りに行ったら?」
「そうね。それがよさそうね……ただ、この家今は空けるわけにもいかないわよね」
流石に、畑くらいならともかく街にまででるとなるとシグニアさんを1人にするわけにはいかない。
見張り的な意味もだけど、それ以上に実は見張られてたとかであたし達がいない時に狙われるのもあり得る。
「留守番くらいは私でもできるわよ」
すごいジトッとした目でリリアちゃんはあたしに言ってきた。
「ほんとうに大丈夫?」
「大丈夫よ! こう見えて、ちゃんと私だって学んでるんだから!」
シグニアさんも悪い人じゃないのはわかったけど……。
「わかった。じゃあ、明日ちょっと売ったりしてくるわ。家任せるわね」
「任せて!」
ついでにアリアさんにも話したいけど、時間取れるかな。




