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ユーディキウムサーガ 父親に捨てられた少年は好きになった少女のために最強の剣士を目指す  作者: ムラタカ


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47話 神(仮定)


建物の中は悪い意味で思った通りの内装だった

外観がかなり古ぼけていたので中も相当傷んでいるだろうなと予想していたけど想像以上にボロボロだった


ただ中は外観の見た目以上に広く人が100人は余裕で入れそうな程広い、ただその広さのせいか雑草が生い茂っていて、壁には木の根や苔などがこびり付き、古めかしさに拍車をかけている、


ただそんなモノが霞んでしまう程の後があった


大きなクレーターみたいなものがそこかしこにあって誰かがこの建物内で壮絶な戦闘を行った形跡があるのだ



「誰かがこの中で戦ったんでしょうか?」


「だとしたら相当な化け物ですね、このクレーターの大きさ魔法だとしたら並大抵の術者では到底なし得ない威力ですね」


「確かに、でもこんな威力の高魔力量を捻出出来る人間…、本当にいるのですか?」


「今私の前にいますね、」


「………、私じゃないですよ?」


「フィーファ様だったら驚きですね」



そんな冗談を交わしながらも先をいくレコの後を追うフィーファ、結局中に入ったからと言って何がどうなるわけでもない、考え過ぎかと、そう思った時だった、




「う?……あぅぐっあ!!?」


「フィーファ様?」



突然わけも分からず強い頭痛が襲ってくる

いやコレは頭痛とは違う、

根本的な痛み、体ではなくその中

言ってしまえば精神とか魂とかそういったものから発する痛みだ



「な…んです…か…これぇ…あぐぅ!」


「ちょっ、ふざけないで下さい!」


「ふっ…ふざけて…あぁっ!」



対処方がわからず考える余裕もない、余りの苦しさに膝をつき自分を抱きしめるようにうずくまる


レコが必死にこちらに何かを言ってるけどどんどん聞こえなくなっていく


意識が途絶え、無くなっていく、


無が…静寂が広がっていく









女がいる


綺麗な金の髪の女


女は血で濡れた両手を何度も何度も振り下ろす


女は泣いている


綺麗な顔と髪をクシャクシャにして


その顔には見覚えがある


気がする


でも思い出せない


ただ綺麗な顔を涙でクシャクシャにして


血濡れた両手で何かを握って必死に振り下ろす


必死に


必死













「かはっ!?」


「フィーファ様!大丈夫ですか!フィーファ様」


「はぁはぁはぁぐっ…はぁはぁ……」


(何だいまの?何?今の何?)



「フィーファ様?」


「はぁはぁっだっ、大丈夫です、貴方が必死になってるのが意外でびっくりしただけです」


「やっぱりふざけてるじゃないですか!」



何だ今のは、あんな記憶私にはない、

顔に面影はあるもののあの女は私ではなかった

そもそも手が真っ赤になってるのに構わず“ナイフ”を振り下ろしたなんていう記憶に心当たりはない


ではあれはなんの記憶だ?



「フィーファ様……あそこ…」


レコが突然指を指す

つられてその方向に目を向けるとその空間が歪んで見える


何も無い筈の空間が歪んで見えるのだ


以前ラミュアが同じ様な空間に作用する闇魔法を用いていたがそれとは似て非なるものだ、

何故ならフィーファはそこにそんなモノが有ることに今の今まで全く気づかなかった

何も感じなかった

しいていえば違和感を感じただけ

それだけで特段興味を引かれる程のものではなかった


そしてその“何も無い筈の空間”から何かがはい出て来る


それはフィーファを恐怖のドン底に叩き落とすには十分だった

今まで感じた事のない魔力

いやコレは魔力なのだろうか?

もっと別の何か

根本から異なる何かだ



「フィーファ様…人です…何もない所から人が…」



レコにはあの“何もない筈の空間”すら認識出来ない様だ、

彼女からすれば突然何もない所から人が出て来た様に見えるのか、

字面だけで見ればそれは間抜けに見えるかも知れないがそう表現するしかなかった



それは人だった、人の型をした何か

そう形容するしか無かった


ただそれは美しかった

美しいなんて単調な言葉では到底表現出来ない次元の

まさに美の体現

見た目は髪の黒い20代くらいの、それこそレコと同じくらいの年齢の美女だ

美女である事は変わりないがそこまで突出した美貌かと言われればノーと答えるだろう、


では何故ここまで彼女に美を感じるのか

何故これ程まで見惚れるのか

何故これ程までに−ーこ····−しーー·な·ー−だろうか



「っ!?、……私今何を……?」



意識が飛んでいた、

一瞬前までの自分の記憶がない

私は今何をかんがえていた?


目の前の女性から目を話せない

そこでふと思い出す

祖父との話を


神様は実在する、


祖父は言った


娘の結婚式で神と会ったと

そう言えばここは結婚式会場だ、私の母と父の結婚式会場、ではあれは、あの圧倒的な存在感を放つ女の姿をした何かは神なのか?



その時神(仮定)と目があった

目があってしまった


私は後悔する


アレと目があった事を、ここに来た事を


手紙に踊らされた事を


全てを後悔する



「ネ…メジ…‥ス……?」



神(仮定)はフィーファを見てそう呟き次の瞬間



「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」




大声を上げながら襲いかかってきたのだから


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