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ユーディキウムサーガ 父親に捨てられた少年は好きになった少女のために最強の剣士を目指す  作者: ムラタカ


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王様と聖女の対談



「これって…もしかして脱出経路……なの?」



自室の机の上には一通の手紙、その内容は大まかな地図と脱出のための指示が書き記されていた、

順当に考えるならばこの地図を用意したのは先程までこの部屋を清掃していたレコによるものだと考えるのが自然だ、しかし彼女は祖父に弱みを握られているといって差し支えない、果たしてこんな危険をおかしてまで私に肩入れするだろうか?



「罠…?」



そう、罠と考えるのが自然だろう、

あの祖父の事だ、私の出方を見て楽しんでいるに違いない、指示通りに動いた結果、最終的には祖父が出て来てこの様な手に引っ掛かるとはお前には失望したぞ?

とか勝手な事を嫌味ったらしく言って来ても何も不思議では無い、


あの老人なら十分考えられた、でも



「この機会を逃せば私はずっとこのまま…そんなの嫌だ…」



フィーファは半信半疑ながらもこの手紙にそって行動してみる事にした

それが大きな災厄を生み出すとも知らずに、








この国の国王であり

フィーファの祖父にあたるレスティーナ王は眼前に控える修道服に身を包んだ銀髪の少女を見下ろしていた。



「お会い出来て光栄の極みですわ、国王様、私は白銀聖魔導教会の聖女、フィオナ·オクトーンと申します、以後お見知りおきを」


フィオナは眼前に一国の王を前にしながらも腰を降り頭を下げる事なく直立不動で王を見据える、

その姿からは王に対する敬意や恐れ等感じていないと如実に物語っていた


「不敬とはそなたの様な人間にこそ相応しい言葉なのだろうな、ワシを目の前にして頭を下げぬとは見下げ果てた胆力よな?聖女よ」


「申し訳ありませんわ、国王陛下様、私は主神様以外に敬意をはらってはいませんの、神の前には下民も一国の王も等しく等価値、であるならばその神に使える聖女である私が貴方に下げる頭は無いと知ってほしいですね」



実際のところ神云々以前に頭を下げるとか敬っているだとかそういった態度を作ることが面倒になっただけに過ぎないのだが…

そもそもにおいて目の前の老人はフィオナの猫被りが通用する様な生易しさなど無いだろうと本能的に悟ったが為の開き直りだったりするのだが彼女のこういった側面が生まれたのはここ最近、ある少年との出会いが起因している事に彼女自身気づいていなかったりする



「よく吠える雌犬よ、まぁ良い、そなたの言う通り神にとっては人間など等しく等価値だと言うのはワシも理解出来ない訳では無い」


「意外と信心深いのですね、レスティーナの国王は神に心酔してないと聞き及んでいましたからそのようなお考えとは存じませんでした」


「それは間違った認識だろうよ、ワシは誰よりも神なる存在に心惹かれておる、もっともそなたの言う神とワシの言う神が同一の存在では無いかもしれぬがな、」


「王は神が複数いると考えていらっしゃると?」


「お前達が崇めるはこの世界を創造したと言う母神だろう?ワシが心酔する神がそれとは限らぬよ、」


「まるで神に会った事がお有りのような口ぶりですね?」


「くく、神に使える者を自称しておきながら神に会ったこともないとは笑わせるな聖女よ?」


「……、では国王は会ったことがあるのですね、それはそれは羨ましい。」


「ワシは神に祝福されている、故に何人も抗えぬ大いなる力を授かった、それこそがワシが神に愛されている揺るがぬ証拠となろうよ、」


「大変興味深いですね?いったい何を神から授かったのですか?」


「時期に解る、ソナタをこの城に通したのはワシの喜びを共有する者が欲しかっただけのことよ」


「それは光栄なことですね、」



フィオナは違和感を感じていた

レスティーナの国王といえば厳格なリアリストと聞き及んでいる

私の信者候補を勝手に殺したのこの老人に細やかな嫌がらせでもしてやろうかとこの地にやってきたがまさか王から直々の謁見を取り付けられるとは思いもよらなかった、リアリストである以上神等と言う不確かな幻想に執着する人間とは考えていなかったがここまで幻想に執着しているとは人は見かけによらない



「しかし意外でしたね」


「ほう、何がだ?」


「いえ、失礼を承知で言いますが、割かし俗的な感性をお持ちなのですね、自分の腹の内など決して見せないタイプの人間だと思ってましたから、」


「くくく、今は気分がよい、特別に不敬は許しやる、聖女よ、しかし次は無いとしれ?」


「心しておきますわ」



何かが起こる、フィオナはそう直感、いや、確信していた、でなければこの厳格そうな老人かまここまで感情をむき出しにして愉悦に沈む筈はないと、そう確信できたからだ、



(お可哀想なフィーファ様、)



この老人とフィーファの間に何があるのかなんてフィオナは知らないし興味もない、

しかしこの悪趣味な老人の孫として生まれ、玩具にされているのは何となくわかった、

願わくば元気な彼女ともっともっと遊びたかったけどそれも叶うかはわからない



これから起こる事を想像し、フィオナもまた笑顔を深めた






レスティーナ王とフィオナの会談から数時間後

フィーファは薄暗い地下道を歩いていた、

蜘蛛の巣や変に泥濘んだ床、明らかに清掃などされていない通路を彼女は一人で進む、



(まさか城の地下にこんな隠し通路があるなんて、私はこの城の事を何もしらないんだな……、)



手に持った地図を見ると真っ直ぐ進めばどん付きでそこに備えられた階段を上がれば地上となる

恐らくはこの地下通路、王族が城攻めされたさいの緊急脱出路としての役割を与えられていたのだろう、


手の平から赤い火の玉を魔法で生み出し即席の明かりとして前を照らし進む

地下道は地下に記されている通り行き止まりで近くに階段があった



(てっきり何かが待ち構えてると思ったのにホントに出られる)



階段を駆け上がり地下から這い出ると見晴らしの良い景色がフィーファの眼前に広がっている

青い空、白い雲、緑の雑草、窓からの眺めではない

しっかりと自分の足で大地を踏みしめていた



「外だ!やった!外だ!」



大事な事なので2回言った

2回言う程嬉しかったのだ


しかしそんなフィーファの喜びも目の前の建物に意識を取られる



「随分と古めかしい建物ですね…、何年も手入れがされてない?」



「ここは貴方のご両親が婚儀を執り行った場所だそうですよ?」



後ろから声がして振り向くとそこには専属メイドのレコがいた



「レコ…どうして貴方が…?いや、やはりこの手紙は貴方だったんですね…」


「はい、というより私にしか出来ませんでしょ?」


「何が目的でこんな手の混んだことを?」


「王からの命令です」


「はぁ…やはり罠でしたか、しかしわからないですね、ここは城の外、どうして祖父はこんな所に私を?」


「さぁ?私にはわかりかねます、ただ王は貴方をあそこに誘うように私に命じられました」


「両親の結婚式会場……、なんの為に…?」



祖父の考えている事がわかったためしなど一度たりともなかった

それだけはハッキリしている


なら取るべき行動は一つしかない、


この古いボケた建物のなかに祖父が私に見せたい何かがある、

それを確かめてやるのだ









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