プールの怪異
こんにちは、紫雀です。
中学時代の塾友、 中田亜子さんは
ある日、私にこんな話をしてきた。
亜子さんの中学校にはプールがあった。
だがこのプールは数年前に水を抜いている途中、
生徒が排水溝に挟まれ亡くなると言う痛ましい事故が起こった。
排水溝にかかる水圧と言うのは想像を絶するものがある。
水深が1.3~1.4m、排水口の大きさを1m2とした場合、
排水口に掛かる力は12740[N/m2]となり
これは足に1.3tの重りを付けて
深い水の中に飛び込むことに相当するらしい。
たとえ気が付いて誰かがプールに助けに入ったとしても
第二の犠牲者が出るだけだっただろう。
夏休みに入る目前、彼女のクラスでプールの授業があった。
「平泳ぎ」と「「自由形」で、構内の水泳大会に向けた
練習のための授業だった。
彼女の順番がきて水中眼鏡をかけプールに飛び込み泳ぎ始める。
プールの中ほどまで来て前に進めなくなった。
誰かが足を引っ張っている。
水の中で振り返るとだれもいない。
気にせず泳ぎ始めるとまた誰かが足を引っ張る。
気持ち悪くなって泳ぐのをやめ後ろを振り返るが誰もいない。
首を傾げながらも再度泳ぎ始めた。
突然、ものすごい力で水底に引っ張られた。
息継ぎが出来なくて必死でもがいた。
水流が一方向に生じ、手足の抵抗を塞いだ。
水の流れる方に顏を向けると
閉じているハズの排水溝が見える。
排水溝の中から手が伸びてきて、
おいでおいでと彼女を招いていた。
「おい、中田、中田、大丈夫か?」
ぱちぱち軽く頬を叩かれ、先生の問いかけで目が覚めた。
気が付くと彼女はプールから引き上げられ、プールサイドの床に寝かされていた。
「よかった。びっくりしたぞ。
お前、水底に沈んで上がってこないからてっきり」
先生は心から安堵したというように言葉をかけてきた。
「あの手、一体なんだったんだろう。
プールに落ちた子まだ成仏できてないのかな……」
語り終わった後、彼女はそう呟いた。
ぞぞぞぞー……((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル。
ちなみにそのプール今でも使用しています。
以上きょてー(怖い)話、紫雀の体験談でした。




