3.待ち合わせ
装備を買いに行くことになった翔也。どうやら彩の妹も来るみたいだ。
写真には祐二さんと彩さん。それにこのお店の店長と知らない人達がエアガンを持って並んでいる様子が写っていた。
「これは4年ほど前の写真ですよ。当時は私自身も西沢様や友人達と共にサバゲーをしておりました」
「そうなんですか?」
「はい。訳あってサバゲーを辞めることになり、今はここでBARを営むことになりました」
「あ…そうなんですか」
マスターや祐二さん達の表情が少し暗いな。訳を聞いちゃいけないような気がする。
「…飯田はタクティカルトレーナーとしても活動していたから、何か知りたいことがあったら気軽に聞けばいい」
「飯田さんは私達よりもサバゲーが上手かったからね」
「はは…昔の話ですよ」
マスターはそう言うと洗って乾かしたグラスをタオルで拭き始める。
「まぁとにかく。次の日曜に行くってことでいいのか?」
「ん〜……今のところ予定が入ってないので大丈夫です」
「そう。勝平くんも一緒に行くか確認しましょう」
彩さんはそう言うとスマホを取り出し、勝平に日曜日空いているかどうかL◯NEを送った。
「……行けるみたいだわ」
「そうですか」
そう言えばアイツ今月は酒飲みに行ったり、サバゲーに行ったりしてた金の方は大丈夫なのか?
翔也が心配しているのに彩と祐二は気付いていないのか、どのミリタリーショップを回ろうかスマホの画面を見ながら話し合っている。
「…あ⁉︎ ここのショップでセールやってるみたいだから、行ってみてもいいんじゃないかしら?」
「エアガン自体も少し安くなってるからいいかもな」
「セール?」
「ああ…秋葉原のエアガンショップは定期的にSALEをやっているんだ」
※秋葉原近辺は様々なエアガンショップが点在しており、サバゲーマーであれば一度は行ってみたい場所であり、聖地と言っても過言ではない!
そして各エアガンショップでは年明けやゴールデンウィーク。それに年末などにSALEをやっているので時期をみて行くのもありだぞ!
無論SALEに付いてはホームページに記載しているのでチェックすることも必要だ!
「とりあえず、今度日曜までにどんな装備を揃えてたいのか調べておけよ」
その後は祐二さん達と共にお酒を飲んだりして楽しんでいた。そして約束の日。
「えっとぉ〜……秋葉原駅の…ここでいいんだよな」
スマホと周りを見て集合場所で合っているのか確認する。
「ん〜……誰も来てないっぽいな」
集合時間よりも15分も早く来たから来てる訳もないか。
そう思ってから駅の柱に寄り掛かって待っていたら、目の前に小柄な黒髪に金色メッシュの女の子が立った。
「…あの、もしかして伊上 翔也さんですか?」
「ん? ああ…そうですけどぉ……」
この子どっかで会ったっけ?
翔也がそう思っていると目の前にいる女の子は、嬉しそうな顔で話し始めた。
「やっぱり! 私、河野 莉央って言います! お姉ちゃんが言ってた通り背が大きいですね!」
「お姉ちゃん?」
「はい! …あっ⁉︎ 私のお姉ちゃんの名前を言わないと分かりませんよね。お姉ちゃんの名前は西沢 彩 ですよ!」
「彩さんの妹ぉっ⁉︎」
あのグラビアモデルになっていてもおかしくないスタイルで、黒髪ロングヘアーの魅力的な女性の………妹?
「はい! 驚かれるのも無理はありませんよね。お姉ちゃんと比べたら、こんなにも背が低くて残念な身体ですから……ね」
「いや…そんなことは思ってないから、落ち込まないで下さい」
俯いてしまっている莉央さんにそう言ったら、今度はケロッとした顔で俺の顔を見つめる。
「とにかく今日は私も翔也さん達の買い物にお付き合いしますので、私に頼って下さいね!」
「あ、はい。分かりました」
莉央さんは俺の返事を聞くとポケットからスマホを取り出して画面を見つめる。
「お姉ちゃん達もそろそろ着くみたいですよ。鈴木さんはどうしているのでしょうか?」
「勝平の方は……あ」
スマホを取り出して連絡を取ろうとしているときに気付いた。勝平が俺達を見つめたまま銅像のように固まっていたことを……。
「…………見つけた」
「え? お姉ちゃん達ですか?」
「いや、俺の友人の鈴木 勝平を…」
そう言って勝平に向かって指をさしたら、莉央さんもその方向に顔を向けて目を点にさせる。
「あの人が鈴木 勝平さんですか?」
「うん…まぁ……」
「何か固まってるんですけど、どうしたんですかね?」
「俺が知りたいぐらいです」
何て話をしていたら勝平が「ハッ⁉︎」と気が付いた様子を見せると、こっちに向かって駆け寄って来る!
「しょぉぉぉおおおおおおやああああああああああああっ‼︎⁉︎」
そう言って翔也の目の前に来ると、両肩を掴み揺さぶり始める!
「何で? 何でお前が可愛い子と一緒にいるんだよ⁉︎ 俺そんな話聞いてねぇよっ‼︎」
「いや、この人は河野 莉央って名前であy……」
「名前なんてどうでもいい! 何処で知り合った? 付き合ってるのか? 可愛い彼女のことをどう思ってるんだテメェはよおおおおおおおおおおおおっ!⁉︎」
涙を流しながら質問してくる勝平に俺と莉央さんは協力して宥めていた。
こうして勝平に対して必死に説明する翔也と莉央であった。




