36.張り切り過ぎた勝平
最終試合にやる気満々な翔也達。しかし、やる気過ぎるのが1人いるみたいだ。
やる気に満ち溢れている勝平をジト目で見つめていたら、アナウンスが聞こえて来る。
『先ほどのゲームお疲れ様でした! これからフラッグ戦の裏を始めます! ゲームに参加される方はゲームフィールドに入って下さい!
なおこの試合が終わり次第今日の定例会を終了とさせて頂きます!』
「……さて。最後のゲーム全員参加するか?」
「行くに決まってるじゃない」
「俺も行きます」
「うおおおおおおおっ!⁉︎ 俺に任せろぉっ‼︎」
祐二さんは勝平の様子にちょっと引きながらも、ガンラックに置いている自前のエアガンを手に取って立ち上がった。
「じゃあ行くか」
そう言って歩く祐二さんの後を付いて行くようにしてゲームフィールドへと入って行き、先ほど相手チームのフラッグだった場所にたどり着くと勝平がこっちに顔を向けて来る。
「…翔也! 今度は俺がフラッグを取るから見ていてくれ!」
「あ、ああ……頑張ってくれ」
その後は「莉央さんとお近付きになれる最後の……」とか言い出したので、気にせず祐二さん達の方を向く。
「祐二さん。さっき俺が仲間の人と進んで行ったのは隠れるところが多い左側の方でした。
だからこっちの方を重点的に守った方がいいと思ってます」
「なるほど。…でもな、お前がそうやってフラグを取ったから相手も同じようなルートを通って来るとは限らないぞ」
「そうね。もしかしたら右側の方を通って来るかもしれないわよ」
「そうですかぁ……」
「まぁでも。今回は翔也の考えを尊重して左側を攻めてみるか」
「俺は真っ直ぐ行くぞ翔也ああああああああああああっ‼︎⁉︎」
「ああ、うん……頑張ってくれ」
最早暴走していると言っていい勝平にそう言ったら、スタッフが俺達の前に立った。
「はい! 先ほどのゲームお疲れ様でした! 今回はもう知っていると思いますが、先ほどの裏ゲームになります!
最後のゲームですので、思いっきり楽しみましょう!」
フィールドスタッフはそう言うとトランシーバーを手に取り、「黄色チーム準備OKと」言った。そのやり取りが終わり。ちょっと時間が過ぎたところでスピーカーからアナウンスが聞こえて来た。
『両チーム戦闘準備完了! 本日定例会最後の試合フラッグ戦!
戦闘開始5秒前! …4…3…2…1 ゲームスタートォッ‼︎』
スタートの合図と共に味方達が前線へと走って行く! その中でも一際目立っていたのが勝平だ。
「うおおおおおおおおおおおおっ‼︎⁉︎ 俺はやってやるぞぉっ‼︎ 翔也みたくフラグゲットしてやるんだああああああああああああぁぁぁぁぁぁ…………」
勝平はそう言いながら走って行ってしまった。
※全力ダッシュをすること自体はルール違反に当たらないが、自身が転んでしまったり他にヤツとぶつかって怪我をさせてしまったりすることがある! だから周り人がいないか確かめながら走ることを推奨するぞ!
駆け抜けて行ってしまった勝平をポカーンとした顔で見つめていたら、彩さんに肩を叩かれた。
「勝平くんのことは放っておいて、私達は私達で進むことにしましょう」
「あ…はい」
「じゃあ私が先頭に立つから、祐二と翔也くんは後に付いて来てね」
「分かった」
「了解です!」
彩さんにそう返事をすると1番後ろから付いて行く。…一方勝平はと言うと……。
「あのドラム缶の裏に敵がいます!」
「了解!」
「左側に回るんで、援護をお願いします!」
「了解です!」
敵はドラム缶を狙い撃っている。それもその筈そこには勝平が怯えた様子で体育座りしていたのだから。
「ど…どどどどうしよう!」
試合始まって早々に誰よりも早く前線に向かったまではいいが、1番乗りで最前線に来てしまった為、敵チームの標的になってしまっていた。
※最前線に行くのはいいことだが、余りにも前に行き過ぎるとこうなってしまう! なので常に周囲に敵がいないか気にしながら進むことをオススメする!
勝平はドラム缶がカンッ⁉︎ コンッ⁉︎ カカカンッ⁉︎ とBB弾を弾く音が聴こえる中、声を張り上げる!
「誰かああああああっ⁉︎ 助けてええええええええええええええっ‼︎⁉︎」
「うおっ⁉︎ HIT⁉︎」
「えっ⁉︎」
敵チームの方からHITコールが聞こえたので、勝平は自衛するフラグの方向に顔を向けて見ると味方と思わしき人物がいた。
「ヤバイッ⁉︎ コンテナの方から敵が来た!」
「誰か撃てますかっ?」
「ゴメンこっちは抑えられて動けない!」
そう敵チームである赤チームは勝平に注目していた為、他の方向から黄色チームが来ていたことに気付かなかった。
「ああ〜……救世主が来たぁ〜〜〜〜〜〜〜‼︎⁉︎」
勝平は展開して行く味方に向かって祈りのポーズを取りながら感謝の気持ちを伝えていた。ところ変わって翔也達は……。
「正面に敵2人!」
「了解! 彩、倒せるか?」
「2対1だからキツイわ!」
「クッ……一本道じゃなきゃ側面に回ってたんだけどな」
そう祐二達がいる場所は一本道の曲がり角。そこに敵が2人ほどやって来て応戦している状態で展開しようにも出来ない場所なのだった。
翔也達は苦戦を強いられる結果になったのであった。




