26.頼りになる勝平(?)
今度は殲滅戦に参加をする翔也達。一体彼らはどう戦うのだろうか?
フィールドスタッフの先導の下、復活地点にやって来るとスタッフはドラム缶の上にカウンターを置くと、声を上げて話し始める。
「はい、皆さんご注目して下さい! 確認の為もう一度説明するので、こちらに顔を向けて下さい!」
スタッフがそう言うと味方全員が女性スタッフに顔を向ける。
「えぇっと…今回のゲームは殲滅戦です! フラッグ戦ではないので、敵陣地の復活地点に行ってもフラッグが用意していませんのでご注意下さい!
そして復活する際はドラム缶の上に置いたカウンターを1回押して復活をして下さい!
復活する際はHITした本人が押すようにして下さいね!
そしてここが重要! 復活は黄色チーム全体で15回までとなります! 15回目を押した時点で復活終了となりアナウンスもしますので、復活しようとしていた方はそのままゲームフィールドを退場して下さい!
個人ではなく、黄色チームで15回なのをお間違えないようにお願い致します!
…ここまでで質問のある方はいますか?」
女性スタッフはそう言いながら黄色チームを一瞥する。
「……ないようなのでゲームを始めさせて頂きます!」
女性スタッフはトランシーバーを口元に近付け、「黄色チーム準備完了」と言った。その言葉の後にアナウンスが聞こえて来る。
『両チーム準備完了! ゲーム時間10分間、15回復活有りの殲滅戦! 戦闘開始5秒前! 4…3…2…1…ゲームスタートォ⁉︎』
ゲームスタートの合図と共に前にいた味方達が我先にと走って行く!
「俺達も行きますか」
「そうね」
祐二さん達はそう言うとネット側を沿って行くようにしてゲームフィールド出入り口に向かって歩き出したので、俺も後に続くのだけれども……何故か勝平が怯えた表情でこっち見て来る。
「えっ⁉︎ そっちは……」
「ん? どうしたの勝平くん?」
「い…いえ。何も問題ありませんっ‼︎」
勝平はそう言うが前のゲームで滅多撃ちにされた記憶が頭の中を駆け巡っていた。
「で…でも今回は祐二さん達がいるから大丈夫だよな?」
「ん? 何か言ったか?」
「何も言ってませんよ! 祐二さんっ‼︎」
「そうか」
気にせず前を向いて進む祐二と彩の後ろを翔也と勝平は付いて行くのだが、勝平の方がビクビク怯えた様子を見せていたのに3人は気付いていなかった。
そしてネット側を沿って行くようにして歩いて行くと、壁に隠れている味方達が見えて来た。
「あの辺りが前線っぽいな」
「そうね。1っ箇所に固まらず、分散しましょう!」
「了解です!」
「わ、分かりましたぁっ⁉︎」
ん? 勝平が泣きそうなのは気のせいか?
そんなことを思いつつも車の裏に隠れると、戦っている味方の方に顔を向ける。
「敵は何処にいますかっ?」
「中央の通路右側です! 反対側のキャットウォーク下に敵が流れて行ってるので、反対側も注意して下さい!」
「了解です!」
そう返事をすると車の窓ガラス越しに相手が何処にいるか探し始める。
中央通路って言うから多分あそこだ。そして右側だから…って見つけた!
翔也が見つけるのと同時に敵も翔也に気付き、翔也に向けて撃った! ……がしかし、翔也は車の窓越しに見ているので撃ったBB弾は窓に弾かれてしまった。
他にも敵がいないか?
そう思いながら探しているとキャットウォーク下に、こちらの様子を覗っている人がいた。
「右側キャットウォーク下に敵1人!」
「了解! 反対側から来るかもしれないから、そっちの方も気にして下さい!」
「分かりました!」
味方に言われたことが気になったので、反対側の方に行き顔を出した。
こっち側は……いない。まだ来てないのか?
そんなことを思っていたら、CQBエリアの先から敵がひょっこり出て来たのだ!
来たっ⁉︎
翔也が東京マルイ M4A1を構えようとしている間にも、敵は翔也がいたのに驚いているのか慌てた様子を見せながら通路の角へと逃げて行ってしまった!
あっ⁉︎ せっかくのチャンスだったのに逃した……。
※こういった場合はエアガンを構えながら顔を出すと、敵を見つけたすぐに撃てるぞ!
翔也は残念な気持ちでいると、先ほどの敵が隠れた場所からひょっこり顔を出して撃って来た! その弾は車のボディに当たった為ヒットは免れたが、翔也は驚きつつ車の陰に隠れた!
危なかったぁ〜っ⁉︎
そう思いながらも、味方がいる方に顔を向ける!
「こっちの方からも敵が来ています!」
「やっぱりそっちからも来てたぁっ⁉︎ 」
「翔也くん! 1人で何とか出来る?」
「1人だけなので何とか……」
と言いながら再度確認の為に顔を出して見ると、3人ほどの敵が翔也に向けてエアガンを構えていたのだ! 翔也は瞬時に撃たれると気付いたので顔を引っ込めた!
「3人に増えたので対応が難しそうです‼︎」
「分かったわ勝平くん! 翔也くんのところに行って援護してあげて!」
「えっ⁉︎ 俺がですか?」
「ええ、そうよ。…って、どうしたの勝平くん?」
勝平は彩さんの命令に無理と言いたそうに首を横に振っていた。
「……そう。これじゃあ私の妹を紹介出来そうにないわね」
彩のその言葉に勝平の脳内に電流が走る。
「じゃあ私が……」
「いいえ、俺が親友を助ける為に行きます」
「無理しなくてもいいのよ」
「無理なんてしていませんよ。俺に任せて下さい」
いつもと違って紳士的な感じだから、気持ち悪いなぁ〜。
「そう……じゃあ、お願いするわね」
「任せて下さい。彩さん」
笑顔で見つめる彩に対して勝平はそう言うと、翔也の下へと行く。
だが周りにいた彩以外の人達はこう思っていた。“コイツ単純なヤツだなぁ……。”と。
こうして翔也の援護をしてくれる勝平であった。




