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ただの日本のヒラ公務員(事務職)だった私は異世界の最弱王国を立て直して最強経済大国にします  作者: 脇田朝洋


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第212話 何を教えるかが重要です

 教育文化事務省の首席事務官室の扉をノックすると中から入室許可の声が聞こえる。

 部屋に入ると首席教文事務官のロッドがいた。


 ロッドは私の顔を見るとニコリと笑みを浮かべる。


「これはアリサ様。何か私に用事ですか?」


「突然お邪魔してすみません。ロッド様。ご相談したいことがありまして」


 私がそう言うとロッドは私に椅子を勧める。

 私は素直に椅子に座った。

 ロッドも私の向かい側の椅子に座る。


「実は「労働力確保」のために女性も労働力として働いてもらうことを考えているのですが今のこの国では女性たちは子育て中はなかなか仕事ができないのが現状ですよね?」


「そうですね。若いうちは女性も仕事をしてますが子供ができると家庭に入り子育てする方が多いと認識しています」


 私の言葉にロッドは頷く。


「これは私の実家のワイン伯爵領で取り入れた制度なのですがこの国に「保育園」の設置をできないかと思いまして」


「保育園ですか?」


「はい。簡単に言えば子供を預かってもらう施設で「保育園」に子供を預けている間に女性たちに働いてもらうということです」


 私は「保育園」の施設についての概要をロッドに説明した。


「なるほど。それであれば女性が子育て中でも働けて国としても「労働力確保」に繋がりますね」


「はい。まずは根本的に働く人たちを増やさなければどんな仕事をしても収益が上がらないと思うんです」


「ふむ。働く人が増えればその分仕事ができるから収益に繋がり経済発展にも繋がるということですか」


「ええ。そのためにはこの『保育園の設置』というのが重要になってきます。この事業についてはワイン伯爵領で実施した「前例」があります。なので国全体に保育園の設置をした時にどれくらいの「労働力」が見込まれどれくらいの「経済効果」が期待できるかがある程度計算できます」


 私の説明をロッドはメモを取りながら聞いてくれる。


「この事業を行う部署について検討した結果、「保育園」も子供の教育機関の一つと考えてこちらの教育文化事務省が担当するのがいいのではないかと思うのですがロッド様はどう思われますか?」


「そうですね。確かに子供の成長にも関わる問題ですし、「保育園」を一つの子供の教育機関として考えることに反対は致しませんよ」


「そうですか」


 ロッドの言葉に私は少し胸をなでおろす。

 とりあえず担当部署を決めなければ事業は前には進まない。


「ワイン伯爵領で既に取り入れて成果を上げている事業ならそれほど『保育園の設置』に関しては他の事務省からも反対意見はないでしょう。まあ、費用面での折り合いはこれから相談にはなるとは思いますが」


「そうですね。どのくらいの保育園を設置すれば一番効果があるかは試算してみないとですね」


「ええ。でもそのワイン伯爵領での保育園に関する資料をいただけるならその試算は教育文化事務省で行いますよ」


「ありがとうございます。ロッド様」


 私はロッドに頭を下げる。


「いえいえこの国をより良くするためには皆が協力しないとですからね」


 ロッドはそう言って私に笑みを向ける。


 そうね。この国を『経済大国』にするには皆で協力しないといけないわ。

 個人の力は小さくても皆で協力すればそれは「大きな力」となる。


「保育園の設置のお話は分かりましたが他にもお話はありますか?」


「あ、えっと。以前、町の女性に話を聞いたら「子育て中だから働けない」という意見とともに「女性の働ける職場が少ない」という意見もありまして、それなら女性も手に職をつけたらもっといろんな職場で働くことができると思うんです」


「なるほど、そうかもしれませんね」


「はい。なのでこれもまたロッド様のお力をお借りしたいんですがそういった手に職をつけるような『職業専門学校』のようなモノを作ることができないかと」


「ふむ。『職業専門学校』ですか。なるほど、それも教育機関の一つになるでしょうからこの教育文化事務省の管轄ですね」


 ロッドは腕を組みしばし考えているようだ。


「学校自体の設立は設立すると決めてしまえばそんなに大変なことではないと思いますが、問題はその専門学校で何を教えるかでしょうね」


 専門学校で何を教えるか?

 そういえばそうよね。一言で「手に職をつける」なんて言ってもこの世界は日本とは違うからこの世界特有の仕事もあるものね。

 それに女性向きの仕事や男性向きの仕事があるだろうし。


 「男女平等」という考えに私は反対はしないが職業によっては女性ならでは男性ならではの仕事も存在するのも事実。

 なぜなら男女ではどうしても身体の作りが違うからだ。

 これは「男女差別」ではない。「適材適所」だと私は思っている。


 何を教える学校かを決めなければ学校は設立できない。


「それにはまずどんな職業があってどんな人材を必要としているかを考えないとですね」


 私がそう言うとロッドは頷く。


「ええ。この際ですからその『職業専門学校の設立』に関しては男女関係なくその職業に必要な技術を教える学校にしてはいかがですか?アリサ様」


 なるほど。その方が一度に男女とも職業の技術が学べる専門学校の設立ということで一つの事業として考えられるから首席会議や国王説明も一度で終わり楽だろう。


「そうですね。その方向で考えてみます。そうするとやはりどんなことをその学校で教えるかを決めないとですね」


「ええ。それに「大学」で既に教えている専門的な知識や技術もありますのでそれらと「専門学校」の内容が重なっても意味がないので、これは私からの提案ですが……」


「何でしょうか? ロッド様」


「アリサ様は異国の出身ということも聞いておりますので一度この国の「学校」や「大学」などの視察をしてみるのはいかがかと」


「なるほど。ロッド様の言う通りだと思いますわ」


 そうか。現場百回。まずはこの国の「学校」や「大学」の視察とどんな「職業」にどんな「人材」が必要か調べないとね!

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