第12話:裂け目を縫いとめる夜に。
澪視点で綴る、ある夜のこと。
“好き”という言葉が、呪いにも似た執着に変わるまで。
――キスの回数が、数えられなくなったのは、いつからだっただろう。
たぶん、最初のうちは数えていた。
ひとつ、ふたつ、みっつ。
数を重ねるたびに、ユウの反応が薄れていくのを、どこかでわたしは恐れていた。
でも、いまはもう違う。
彼が何も言わずに、黙って唇を受け入れてくれることが、
ただそれだけで、安心できる。
触れていなければ、わたしは“わたし”でいられない。
ユウのぬくもりが、わたしの輪郭を縫いとめてくれる。
その熱に包まれているあいだだけ、わたしは「存在」していられる。
……それがなければ、きっと、わたしは溶けてしまう。
最初の頃は、ぎこちなく唇を重ねるだけだった。
でも、回数を重ねるうちに、私は“やり方”を思い出してしまった。
舌をすべらせて、歯の裏をなぞって、喉奥へと誘導するように口内を満たす。
誰に教わったわけでもない。
ただ、昔、そうして“愛されているふり”をしていた自分の記憶が、勝手に体を動かす。
それが愛じゃなかったことなんて、ずっと前から知っている。
でも、あの頃のわたしは、それでも触れてもらわなければ“消えてしまいそう”だった。
いまの私も、何も変わっていない。
ただ、“触れる対象”が、ユウになっただけ。
「……ねえ、ユウ」
彼の唇に、わたしの言葉が当たる。
微かに濡れた吐息が、体温と混ざって沈んでいく。
キスを重ねるたびに、ユウの目が虚ろになる。
何も言わず、ただ身を預けてくれる。
その無抵抗が、どこか“所有”に似た安心をわたしに与えてくれる。
おかしいって、わかってる。
でも――こうしなきゃ、私、壊れちゃう。
口づけのあいだ、ユウの瞳は閉じたまま動かない。
拒まないことが、どれだけ嬉しいか、きっと彼は知らない。
“受け入れてもらえる”って、それだけで、人間って生きていけるの。
……わたしみたいな人間でも。
唇を離すたびに、わたしの中に生まれる不安。
それをなだめるために、また触れる。
もう癖になってしまった。
いや、これは“確認”なんかじゃない。依存だ。
身体の奥で疼くように「もっと」「まだ」と、何かが囁いている。
ユウの肌がぬくもっている限り、私は“存在”していられる。
彼に触れている時間だけが、“わたし”の形を保ってくれる。
もしも彼が触れ返してくれたら、もしも声を漏らしたら――
わたしは、その瞬間に“自分の身体”が壊れるのを、きっと止められない。
だから今夜もまた、わたしはキスを重ねる。
なだめるように。
自分を落ち着かせるために。
“彼の中にいる私”を確かめるために。
♢
……触れたい、じゃない。
触れていなければ、崩れてしまうの。
誰かの体温に触れていないと、自分の輪郭がわからなくなる。
だから、私は夜になるとユウの唇を塞ぎ、肌に頬を押しつける。
そこにいる彼を――“この世に繋ぎとめる”みたいに。
でも、それだけじゃ足りない。
毎晩、重ねてきたキスの回数なんて、もう思い出せない。
数えていたのは最初の頃だけ。
今では、触れ続けていないと不安でたまらない。
たとえそれが、彼にとっては重荷でも、無意味でも。
わたしにとっては、生きるための“呼吸”みたいなものだった。
ユウの唇に舌を絡めながら、私は彼の胸元に手を滑らせる。
シャツの布越しに感じる鼓動――それが、心地よい。
彼がそこに“いる”と知れるだけで、ほんの少し、自分の形が戻る気がした。
けれど、キスだけじゃ、もう足りない。
足りなさが、焦りとなって指先を震わせる。
もっと深く、もっと奥まで。
彼を感じていたい。彼の中に入りたい。
そうすれば、自分の空っぽの中身をごまかせる気がして。
わたしは囁く。
「……好き、じゃないの」
「ただ、確かめたいだけ」
「ユウが、ここにいるって……ちゃんと、“わたしの中”にいるって」
ユウは何も言わない。
目を閉じたまま、ただ静かに息をしている。
それが――うれしい。
彼の無言が、わたしに許しを与えているように思えた。
けれど……
でも……
それでも、足りなかった。
わたしの中で、疼くものがある。
触れても、舌を這わせても、満たされない。
ユウの体温を吸い込んでも、胸の奥に空洞がある。
そこだけが、ずっと冷たいまま。
気づいたときには、わたしの手は自分の太腿にあった。
彼に触れている手とは別の手が、自分の体をそっと撫でていた。
(……ごめんね、ユウ)
心の中でだけ、そう呟いた。
だって、仕方なかった。
彼は動かないし、触れ返してくれないし、声も出さない。
だから私は、自分で自分を、慰めるしかなかった。
ユウの胸に頬を当てたまま、もう片方の手で、自分の身体に触れる。
彼の肌のぬくもりを感じながら、自分の温度を確認する――それは、奇妙な二重構造だった。
わたしは、ユウの体温に身を沈める。
“独りじゃないふり”――その幻想に、全身を浸すように。
息を潜めて、指先だけで自分を慰めながら――
本当は、気づいてほしかった。
わたしの壊れ方を。
それでも、置いていかないでって。
布越しに、でも確かに、自分の奥に触れていた。
わたしは息を殺す。
声が漏れたら、彼が気づいてしまうかもしれないから。
でも、怖い半面――気づいてほしいとも思っていた。
見つめていてほしい。
わたしの“壊れ方”を。
それでも離れないで、と願っていた。
「……ユウ、ユウ……」
名前を呼ぶたびに、体が跳ねる。
彼の名を呟きながら、自分の身体に指を這わせる。
ああ、そうだ――
こうしていれば、まるでユウが“わたしの中”にいるような気がする。
何も返さない彼が、
無抵抗なまま“そこ”にいるから、
わたしは、自分の孤独をごまかせる。
「ここに、いて……お願い……」
その言葉は、彼に向けたものじゃなかった。
自分自身へ向けた呪文のようだった。
身体が小さく震える。
震えとともに、わたしの“孤独の輪郭”が、じわじわと滲んでいく。
気づけば、わたしは涙を流していた。
触れても、感じても、埋まらない。
それでも――それでも。
彼の肌に頬を寄せながら、
自分を慰め続けることでしか、生きている実感が得られなかった。
「……ねえ、ユウ」
「わたし、もうどうなってもいいから……お願い、わたしを“ここ”に閉じ込めて」
その囁きに返事はなかった。
けれど、彼の温度だけが、微かに上がったような気がした。
私はそのぬくもりに縋りながら、
壊れた自分をごまかすように、また触れた。
夜の静寂の中、
布団の中の体温と、呼吸と、涙と、震えと――
全部を混ぜ合わせながら、
わたしは少しずつ、少しずつ、
彼と溶け合っていった。
♢
――ユウの“初めて”が、私じゃなかったら。
そんなことを考えただけで、心臓が軋んだ。
息が詰まる。喉が焼ける。胃の奥が冷たくなる。
胸の真ん中が、ぽっかりと空いて、そこから黒いものが溢れてしまいそうになる。
わたしじゃなきゃ、駄目なの。
最初で、最後で、唯一じゃなきゃ――壊れてしまうのは、きっと“私”の方。
だから、閉じ込める。
ユウの“最初”を、自分の中に、静かに沈めてしまう。
誰の手にも触れられないように。
彼の記憶の奥底に、まるで“呪印”のように、深く焼きつける。
「……大丈夫、ユウ。わたし、初めてじゃないから」
その言葉は、慰めじゃない。
過去を引きずって生きてきた“傷”の告白でもない。
ただの――確認だった。
もう“知っている”自分が、“知らない”彼を導くことで、
その差異を“私の勝ち”として刻みつける、勝手な理屈。
ユウの指先がかすかに震えるのが、わかった。
でも、それ以上は何も言わなかった。
彼は、きっとこの瞬間の意味を理解していない。
自分の中で何かが“終わる”ことも、“始まる”ことも。
私は、そっと彼の身体に重なる。
体温が交わる。
鼓動のリズムが、ほんの少しずれていたのが、だんだんと重なっていく。
温度の差が、境界をぼやかしていく。
私は、自分が彼の中に溶けていくのか、彼が私の中に埋もれていくのか、もうわからなかった。
「ユウ……全部、私の中に置いていって……」
囁いた声は、どこか祈りのようだった。
欲望や喜びとは、まるで違う、執着のための沈黙。
触れた肌から、じわじわと伝わってくる“彼のはじまり”。
わたしの内側に、“彼の形”が押し込められていく感覚。
振動。密度。鼓動のぶつかり。
そこにあるのは、優しさなんかじゃなかった。
――それは封印だった。
決して他人に渡らないように、
決して思い出にならないように、
彼の“初めて”を、わたしの奥に、閉じ込める。
このぬくもりを知ってしまえば、
ユウはもう、わたしから離れられない。
たとえ、心では誰かを想っていたとしても。
たとえ、未来で何を選んでも――
“身体”だけは、わたしのものとして、終わらせてしまえる。
自分の体に感じる彼の存在が、
ひとつの音も立てずに、“染みてくる”。
沈黙の中で、それだけが確かだった。
わたしの奥で、“ユウ”という存在が、静かに息をしていた。
そう思った瞬間、涙がこぼれた。
歓喜じゃない。安心でもない。
その涙には、名前がなかった。
わたしの中の何かが、少しだけ“満たされた気がした”。
でも、それもすぐに空っぽになってしまうだろう。
それでも――今だけは。
「ねえ、ユウ。……もう、どこにも行かないでね」
返事はなかった。
彼の唇は、わたしの肩に落ちたまま、何も言わなかった。
でもそれでいい。
反応がないことが、今夜だけは、わたしの“救い”だった。
密着した肌の奥で、ユウの体温が確かに動いていた。
その温度だけが、わたしの空虚を“封じて”くれていた。
まるで――
わたし自身が彼を喰らってしまったような、そんな夜だった。
♢
夜のしじまが、重たい布のように部屋を覆っていた。
外は静かで、壁の時計の針の音さえ、遠くに霞んでいた。
わたしは、眠れなかった。
体は疲れているはずなのに、どこかがずっと、軋んでいた。
さっきまで重なっていたユウの温もりが、まだ肌の内側に残っている。
それなのに、胸の真ん中だけが、ひどく冷えていた。
わたしはそっと布団を抜け出す。
床がきしむ音にすら神経を尖らせながら、部屋の隅――姿見の前まで歩いた。
月明かりが、レースのカーテン越しに白く射している。
ぼんやりとした光の中で、鏡の中の“わたし”が、じっとこちらを見返していた。
――この人、誰?
一瞬、そう思った。
でも、それは確かに“わたし”だった。
髪の乱れも、首元の赤みも、肩の震えも。
全部、自分のものだった。はずなのに。
「……だいじょうぶ。ユウは、わたしの中にいる」
わたしは、口にした。
けれど、それが“誰に向けた言葉”だったのか、自分でもわからなかった。
鏡に映るわたしは、少しだけ笑ったような気がした。
でも、その笑みはどこか、冷たくて――わたしのものではないように思えた。
「ここにいる。ここにいる。ここにいる。ねえ、ほら……ここにいるって、言ってよ……」
鏡の中で、わたしは笑っていた。
小声で何度も囁いた。
それは“慰め”の言葉であると同時に、“呪文”だった。
誰かがわたしの中で怯えていた。
それをなだめるために、わたしは何度も繰り返す。
“誰”を慰めているのか、もうわからない。
“わたし”の中に、“わたしじゃない誰か”がいる気がしていた。
でも、否定しようとは思わなかった。
だって、それがいないと、
本当に“空っぽ”になってしまうから。
「ねえ、あなた……」
「ユウは、わたしのこと……好きだって言ってくれたよ」
「それって、ほんとに“本物”だよね?」
「ねえ、ねえ、ねえ――本物だよね?」
鏡の中の“わたし”は、答えなかった。
ただ、笑っていた。
その唇の端が、少しずつ吊り上がって、やがて“にたぁ”とした歪な笑みになる。
それが、“もう一人のわたし”の答えだった。
足音ひとつない夜。
でも、その静寂を打ち破るように、背後の布団がかすかに動いた。
わたしは気づいていなかった。
布団の中で、ユウがうっすらと目を開けていたことを。
彼の視線が、こちらを見ていたことを。
鏡の前で、“誰かと話しているわたし”を見ていたことを。
その視線に、どんな感情が宿っていたのか――知ることもなく。
わたしは、鏡の中の“わたし”に、最後に囁く。
“笑った”のは――わたし、じゃない。
その確信が、背筋を冷やした。
目の奥で、笑っている“わたし”がいる。
だけど、わたしは笑っていない。
「……ふたりで、ひとつになれば、もう怖くないよね」
そして、鏡の前で、にこりと笑った。
その顔は、まるで“祝福”のようだった。
けれどその祝福が、どこにも向けられていないことだけが、
ひどく、怖かった。
誰のためでもなく、誰にも向けられていない。
ただ“笑っている”という事実だけが、そこにあった。
わたしは気づいていなかった。
あのとき、背後のベッドで、ユウが――目を開けていたことを。
その目が、こちらを見ていたかどうか――
わたしには、確かめるすべもなかった。
♢
ベッドへと戻ると、ユウはまだ眠っているふりをしていた。
いや――たぶん、本当に眠っているのかもしれない。
夢と現の境界に、彼の意識が溶けかかっているような、そんな静けさだった。
わたしは、そっと布団を持ち上げて、その隣に潜り込む。
彼の体温が、ほんのりと残っていて、肌の下に染み込むようだった。
そのぬくもりに頬を押しつけたまま、息を吐く。
(……ここにいる)
わたしのなかで、その言葉が反芻される。
確かめるように、呪文のように、心の底に沈んでいく。
手が勝手に動く。
眠っているユウのシャツの端を、そっと、つまむ。
爪の先で布を軽く引っかけるだけ。
それだけの、ほんの小さな動作。
でも、それがないと――自分の中の輪郭が溶けてしまいそうで。
(つかんでいる、という感覚)
(彼と繋がっている、という錯覚)
それが、わたしの中に空いた“裂け目”をふさいでくれる。
――まるで、糸の切れた人形に縫い針を刺すみたいに。
シャツの端をつまんでいる指が、少しだけ震えていた。
手のひらの奥の奥で、何かがずっと泣いていた。
声も出せず、顔も持たず、ただ怯えている“小さなもの”が、
わたしの中でずっと、生き残っている。
ユウは何も言わない。
わたしの手を拒むことも、払いのけることもない。
その無言が、わたしには救いだった。
愛されていなくてもいい。
優しくされなくても、好きだと言われなくても――
せめて、“触れていられる”だけでいい。
それが、わたしの“最後の希望”だった。
わたしの髪が、ユウの首筋に触れる。
彼はそれにも反応を見せなかった。
もしかしたら、もう彼のなかで、わたしは“空気”になっているのかもしれない。
毎日、同じように接吻し、同じように身体を重ねて、
同じように、夜を迎えて、朝を迎えて――
彼の中の“他者”としてのわたしは、もう消えかけているのかもしれない。
でも、それでもいい。
むしろ、そうなってくれる方がいい。
だって、“他者”じゃなければ、
彼と“ひとつ”になれる気がするから。
「……ユウ」
囁いても、返事はない。
けれど、シャツの端をつまむわたしの指先が、じんわりと汗ばんでいた。
まるで、彼の皮膚がわたしの体温を吸っているようだった。
誰が誰を侵しているのか、
誰が誰に寄り添っているのか、
もう、わからなかった。
境界が、どこにもなかった。
わたしとユウの間にあるはずの“線”が、夜の深さに溶けていった。
皮膚と皮膚のあいだに、わずかな空気がなかった。
ただ、同じ体温が、同じ形で、横たわっていた。
「……もう、どこにも行かないで」
もう一度そう呟いて、目を閉じた。
その声に返事はなくても、
わたしの指先に、まだシャツの感触がある限り、
それで――よかった。
♢
夜が、終わろうとしていた。
カーテンの隙間から、かすかな明かりが射し込んでいる。
まだそれは朝と呼べるには遠く、
けれど、確実に“終わり”の気配を孕んでいた。
隣にいるユウは、動かない。
浅い寝息と、微かな鼓動の音。
静かに、確かに、そこに在る“気配”。
わたしは、その手をそっと握りしめた。
小指と薬指のあいだに、自分の指を滑り込ませる。
ほんの僅かに彼の指先が動いたような気がして、
それだけで、胸の奥が満たされる。
(……大丈夫。まだ、ここにいる)
目を閉じたまま、わたしはそっと心の中で囁いた。
“彼がいなくなる”という恐怖が、毎晩わたしを縛りつけていた。
だからこうして、身体のどこかに触れていないと――
“わたし”という形が崩れてしまいそうで。
(ユウは、わたしの中にいる)
さっき、確かに彼の“初めて”を、
わたしの奥に閉じ込めた。
だから、もう大丈夫。
彼はもう、わたしの外には出られない。
……なら、わたしが“世界”になればいい。
わたしが彼を見つめ、語り、抱きしめつづけるかぎり、
彼は消えない。
わたしの中に――静かに、確かに、生きている。
彼の居場所を、わたしの中に限定してしまえばいい。
彼がどこにも行けないように、
どこにも逃げられないように、
誰の記憶にも残らないように。
(わたししか、彼を形作れない)
その実感が、わたしを支えてくれていた。
それはきっと、愛とは呼べない。
救いでもない。
ただ、執着という名前を持った、静かな“狂気”。
それでも、いい。
彼を“失うこと”よりは、ずっといい。
ユウの手の感触が、指先にじっと染み込んでいく。
皮膚を越えて、骨の奥にまで沈んでいくような、
そんな深い安心が、じんわりと満ちていた。
誰かに祝福されなくてもいい。
優しい言葉なんて、もう要らない。
わたしと、わたしの中の彼だけが、
この世界の全てでいい。
――ふたりきりで、ひとつになれた。
わたしは静かに目を閉じた。
ユウの手を握ったまま、
その温度と呼吸を感じながら、
“彼がそこにいる”という錯覚を、
ひとつの真実として受け入れていく。
眠気が、ゆっくりと沈んでくる。
体が緩む。
思考が溶けていく。
その沈黙の中で、わたしは最後に、
心の奥底から、静かに告げる。
「わたしと、わたしの中のあなた――それだけが、世界だった。」
……そう思っていられるあいだだけは、壊れずにいられる。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この第12話は、澪の内面に深く潜る形で描いた、静かな“狂気”の物語です。
触れることでしか自分の輪郭を保てない彼女が、ユウとの関係にすがる姿――
その痛々しさも、歪んだ愛も、彼女なりの「生き方」なのだと感じながら綴りました。
「ふたりで、ひとつになれた」と思い込むこと。
それが、彼女の救いであり、同時に深い孤独の証でもあります。
もし心に残るものがありましたら、
ブックマーク、評価、レビュー、感想など、ひとことでもいただけると励みになります。
これからもどうぞ、綴木ユウと真白澪の物語を見届けていただけたら幸いです。




