あれから、350年。
※突如思いついてしまった未来編というか、未来の設定?
違和感なくかけてればいいなぁと思います。突発なので。感想もらっておかしい点に気付き次第直します。
アキヒサやフランツがこの世界で色々やらかしてから350年。私はもう700年生きている。それでも衰えない体の自分に、本当にいつまで生きるんだろうなんていう疑問は湧くけれど別にいいかなと思う。
アウグスヌスの森が聖地とされて、350年。
私とアキヒサ、フランツの世界での位置づけも大分変わった気がする。
そして、変わらないと思っていた私自身も少なからず変化してきた。
昔は100年足らずしか生きない人間と人より少し長生きする魔術師。
そんな分け方しかされてなかったのに、今では獣人、エルフ、竜族なんて異種族まで存在してしまっている。
そして私の一番の変化は―――、
「お母さん!!」
娘なんてものが出来てしまった事だ。しかも正真正銘血のつながった娘である。
私譲りの銀色にきらめく髪とフランツ譲りのグレーの瞳を持つ娘の名はアレイシアという。
そう、私はいつの間にかフランツと恋仲になっていた。
いや、正確にいえば、
「セイナさん!!」
こんな風に私の名を呼んで、いつからか好きだの言い始めた押しまくりのフランツにほだされたというのが正しい。
恋人いない歴生きた年数なんていう私に恋愛耐性なんてあるわけもなく、結局フランツも私と同じであるし、長年くらしてれば情ぐらいわく。そのまま恋仲になってしまい、つい100年ほど前に娘が生まれた。
娘は16歳程度の年齢で姿を止めている。私とフランツの魔力を引き継いで生まれてしまった娘だ。
今は私とフランツとアレイシアでのんびりと精霊達と共に森の中で暮らしている。聖地となっている事もあって、この森は平和だ。
で、話に出てこないアキヒサはどうしているかと言うと、エルフの集落に住んでいる。
どうしてそんなことになり、そして異種族が何処からきたのかというと、獣人と竜族に関しては私とアキヒサとフランツで暮らし始めてしばらくした頃に他大陸からやってきた。
私も興味がなかったから、他の大陸があるかどうかさえ調べてなかったものだがあったのだ。今では船が大陸同士を行き来している。最も獣人と竜族は人間が人体実験をした結果生まれたものらしいというのだから、気分が悪くなる話だ。
ちなみに私の存在は発見された大陸でも『触るな危険』みたいになってる。ちょっと他大陸にいった結果、そうなった。
それで私やフランツの位置づけより先に、まずはエルフについてだ。
エルフは、300年近く前にアキヒサが軽率な行動に出た事により生まれた。…今では人間の高位種ってなってるけど。
一緒に暮らし始めて50年ほどたった頃に、アキヒサは欲求不満になった。いや、わかるんだけどね? 男ならそういうのわくだろうし。それでまぁ、そんな事を言い出したアキヒサに「なら外で発散してきなさい」ととりあえず外に出した。だってねぇ? この森って私しか女いないし、アキヒサは性欲発散したいだけなんだから外で発散するしかないじゃない。
私もこの時もう少し色々考えて送り出すべきだったと後から思ったんだけど…。
だってそれから5年間アキヒサは帰ってこなかった。その間は女の元で暮らしたりしてたらしく、一定の人と付き合って別れて、次の人と付き合ってというそういうヒモ生活みたいな事(一応魔法で仕事手伝ってたらしいけど)をしていたらしく。
5年ぶりに入ってきてから、その詳細を聞いて「うわ」と思ったのは仕方がないわよね? 私はすぐに帰ってくると思ったのに5年って…と呆れたわけなんだけど、そんなに簡単な話ではなかった。
それからアキヒサを叱って、自重してもらったわけだけど遅かった。
しばらくしてから、人よりもゆっくり育っていくような人種が生まれるようになったのだ。……簡潔に言えばアキヒサの子供である。
歳を中々とらず、魔力が平均より大幅に多いせいで迫害されてたのを知って、私は「責任とってきなさい」とアキヒサを放り出した。
その後色々調べた結果、エルフは人間の三分の一のスピードで成長していくと発覚した。脅威として排除されてたのを、父親であるアキヒサがまとめ上げてエルフの里を作った。
で、アキヒサがバタバタして50年ぐらい帰ってこない間に私とフランツが恋仲になってしまい、帰ってきたアキヒサは自立しようと思ったのかエルフの里に住まうようになった。
アキヒサはそんなわけで、エルフの祖先的な位置になってたりする。アキヒサの子供もまだ生きてるらしいよ。300年近く寿命があるみたいだからね。
それにしても、私とフランツって子供一人生まれたけど、私達みたいな寿命が長い人間って子供出来にくいっぽいのよね? それなのに子供が十数人五年間で出来たアキヒサって何やってんの? というか、どんだけ女遊びしたのって呆れるわよね?
まぁ、それはおいといてアキヒサがエルフの祖先的な存在として見られて、ハイエルフなんて種族名つけられたわけで…。私とフランツもそんな種族と周りに認識されるようになった。私に関して言えば『聖地』に住まう『賢者』って肩書もまだあるけれど。
アキヒサも昔の経験から私が人と関わりたくないの知っているから、「…あの森には手を出さないように」とちゃんと人間にいっていてくれてるからいいけど。エルフは両親が人間でもアキヒサの血が少なからず入ってれば時折生まれるから人間の世界で生まれたエルフは見つかり次第エルフの里に住まうようになってるの。
エルフの事利用しようとするとアキヒサが動くという図になっているため、エルフに手を出す人間はあんまりいないのよ。昔は人間社会への関わり方間違って、『救世主』なんて呼ばれながら色んな人間にどうにかしてくださいって言われる存在だったのに、今ではエルフの守護者とも呼ばれていたりするのよね。成長したわよね、アキヒサも。
昔の一件で、人間社会への付き合い方も大分学んだみたいだもの。
ま、エルフがどうのこうのも、人間がどう動くのも、異種族がいるのもどうでもいいけれど。
これからも、のんびりと暮らしていければそれでいい。
ただ、最近悩みがあるのよね。アレイシアが森の外の世界を見てみたいなんていいだしたの。私はこれからも三人+α(精霊達)で暮らしていければいいんだけどなぁ…。
突発で中途半端な気がするんですが、つい昨日思いついた設定。
森の賢者様の中でファンタジー世界にありがちな異種族がいないという事で、割と獣人とか好きなので、考えた結果こうなってしまったという。
実はこんな風になってる世界のトリップ少年(寿命と魔力はエルフ程度)の話を書いても楽しいかなと思ったんですが、なんか書けるかわからなかったのでこういう番外編になったという…。
ちなみにセイナさんは初の恋人です。化け物として見られていて、社会から離れて生活していたので押されて絆されたって事にしたんですが、違和感なければいいと思います。
というか、こういう異種族の成り立ちって読者様的に受け入れられるかなと違和感がないかなと思いながらとりあえず試しに書いてみたのです。
あとからおかしな点ありましたら、編集しますので。




