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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第十一章 エルフの森
76/81

第76話は、空飛ぶベンチと温泉の話。

宜しくお願いします。

 空飛ぶベンチ。

 一見、普通の公園にある、ちょこっと古い型のベンチ。

 管理者のお爺さんから貰って、夢みるテントにしまっておいてあった物だ。



 ゴロウさんたちの村に居た時は、一度アオバちゃんと隣の村に一度乗っていったきり、使っていなかった乗り物でもある。

 なぜあまり使わなかったかというと、空飛ぶベンチが天気を選ぶ乗り物だからである。

 自動車や電車と違い覆うものがない為、雨や雪は勿論のこと、埃の舞う強風の日なども移動出来ないし、寒い日には移動したくない乗り物でもある。

 他にも安全面から、あまり高く飛べないし、スピードも出せない、当然夜間飛行なども出来ない。

 ちなみに横に飛ぶことは出来るのである程度の道幅には対応可能になっている。 



 ちょっと不便に感じて二、三回しか使わなかったが、今回久しぶりに使ったところ、季節や天気の良い日には、思った以上に気持ちいいのがわかった。

 で、感じたことは、完成されていないというのも悪くないのかもしれないとも思った。



 道中ずっと座っているとお尻も痛くなるし途中、休み休み行くから、恵やお紺と楽しい思い出が作られるのだからね。(もちろんクリスも一緒)

 また道で会った子どもたちを乗せてあげたりして、ご両親から果物などの頂きものをして旅をしている感じがしていい。 で、来た当時に比べて何か人が近く感じられるのもいい。

 それに……。




■ ■ ■ ■ ■




 私たちは、村を出て数日のうちは天気は良かったが、途中から天気が安定せず動けずに居た。

 行き先も空飛ぶベンチにしか登録されているので動けず、ここ二、三日は移動出来ていない。

 とはいえ、百年の期限のうちのひと月くらいは、ノンビリとしてもいいと思っているので、特に気にしてもいないのだが。



 ただ今回は運が良かったのか近場に温泉があった。

 湯治場などでなく、いわゆる秘湯に近いものだ。

 秘湯は、浅い洞窟のなかにあり、クリスが見つけたものだ。

 少し青みがかった湯で、とても気持ちがよい。

 せっかくなので、近場にテントを張って天気の回復を待ちながらのんびりすることにした。



 せっかくなので、空飛ぶベンチにこの場所をセットしておくことにした。

 これでまた、この湯に浸かれると思うと、ほおが緩む。

 それほどまでに、この湯は素晴らしいものだった。

 


 そんな訳で、一日に五回ほど温泉に浸かっている。

 恵もお紺も気に入ったみたいで、私ほどではないが、ちょこちょこ温泉に入っているみたいだ。

 結局、天気は回復したが、ここに二週間ほど留まることになった。




■ ■ ■ ■ ■




 そしてこの温泉から十日ほど空飛ぶベンチに乗って、エルフの住んでいる森へと着くことが出来た。

お読み頂きありがとうございます。

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