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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第七章 滅亡しそうな種族を救うのです!
58/81

第58話は、王都に行く話。

よろしくお願いします。




■ ■ ■ ■ ■



 移住して来た村人のお見合いの件をドワーフの長であるゴンザさん話をする事になった。

 私の知り合いは生憎と、ネコミミさんとラミアさんの村人しかいないのが現状である。

 その事をゴンザさんに話をした結果、最近まで王都に居たレスちゃんのお父さんにお手伝いをして貰う事になった。

 ちなみにレスちゃんのお母さんは妊婦さんなので家で待機して貰う事になった。

 当初は、お腹の赤ちゃんの大事な時期なので悪いので、現地で案内してくれる人を紹介でもして貰って同行をお断りしようとしたところ、少しでも恩を返させて下さいと言われ、上手く断われずに旦那さんと一緒に行く事になった次第である。

 奥さんは、お父さん(ゴンザさん)がいるから大丈夫ですよと。

 話を聞くと、どうやらレスちゃんのお父さんはマスオさんだったようだ。

 だから、ゴンザさんに対して全然気を遣わないので大丈夫ですよ、と笑顔で見送ってくれる事になった次第である。

 そういえば、レスちゃんのお父さん少しノビノビしていますね。



 一応保険として、村には妊婦さんの為に万能薬を少し預ける事にした。

 そして時間短縮の為、王都まではネコミミさんのところの地竜で行く事になった。

 恵が竜化した方が早いと思われるが、それに関しては以前、国を騒がす問題にまで発展したので今回は避ける事になった。

 ……で、地竜を借りる際にネコミミさんにお願いして、ラミア母さんに赤ちゃんを預かってくれる人の募集の言付けをした。

 そういえば、先日ラミアのお母さんからゴブリンちゃんを紹介してくれるという手紙を預かった。

 とりあえず、よく分からなかったのでOKの返事をしたのだけど、旅から帰ったくらいには、そのゴブ子ちゃんという人は来るのだろうか?

 少し楽しみである。



■ ■ ■ ■ ■



 そして地竜で王都に向かう事、一週間。

 ようやく王都に到着した。

 ……と、書けば簡単だけど実際に王都までの道程は、なかなか辛い日々だった。

 地竜の乗り心地は、良い悪い以前の問題で、日本に居た時の舗装された道路に乗り心地のいいクッションが、これほど恵まれているとは思わなかった。

 それに加え、一歩一歩が大きい為か、かなりの振動があり、更に舗装されていない土埃の舞う道を疾走していくので全身埃塗れの状態に……。

 そして地竜の上から見る風景の恐怖。

 車とは全く体感スピードがまるで違いすごく早く感じる。

 それらが重なり、肉体以上に精神的に疲れる事になった。

 初めの頃は、だいたい十分間乗るだけで一本、万能薬を口にしていた位である。

 結局、少し慣れた帰り道ですら一時間に一本口にしている始末……。



 王都に到着後、直ぐに酒場へと直行した。

 何故に酒場?と思われるが、王都で働いていたレスちゃんのご両親の行動に理由がある。

 ご両親は、ここで生活をしていた頃は、食事をこれから行く酒場で取っていたとの事だ。

 レスちゃんのお父さんと一緒に酒場に入ると、マスターさんやら常連さんに囲まれて何やら話している。

 しばらくすると、お父さんが戻ってきた。

 なんと、早くもお見合いの設定が終わったとの事だった。

 開催場所は、この酒場でも大丈夫か?との確認だった。

 本当なら、ドワーフ村で開催したいところだけど、それは普通に考えて無理な話であろう。

 相手からすると見知らぬ人とお見合いする為に、地竜で一週間もするところに来いという事など、言える筈なんてないのだから。

 ……で、いつにお見合いを開催する?と話しをしたところ、前日にでも話しをしてくれたら、セッティングをしてくれるとの事みたいだ。

 どうも、このような事がちょくちょくと行われているらしく、女性の方も無料で料理を食べられて恋人が見つかるという事で前日に酒場に提示すれば結構人数が集まるとの事だ。

 マスターに場所代とセッティング代の事を相談してみたところ、ここで食べて飲んでくれるから、それだけで充分だよとの事だった。

 ……とそんな感じで、来た当日にトントン拍子に決まった。

 レスちゃんのご両親に感謝である。



 そして思いのほか早く決まったので午後は、買い物をする事になった。

 お酒やら本などお世話になっている村人のみんなにお土産を買う事に。

 そして翌日、村に戻る事になった。

 本当なら折角王都に来たのだから、もっとゆっくりしたいところだけど、向こうには妊婦さんも居るしノンビリとしてはいられない。

 なんといっても片道一週間、今回の旅で15日間も村を離れる事になったのだから。



■ ■ ■ ■ ■



 地竜に乗り、一週間かけて村へと戻った。

 村の妊婦さん達は、何事もなくお腹の赤ちゃんも順調に育っているみたいで一安心。



 その帰ってきた翌日、早速この件を村に移住して来た人達に話す事にした。

 まさかこんなに早く話が決まると思わなかったようで、みんな大喜びだった。

 そして、お見合いが何時でも出来ると分かったところ、すぐに王都に行って開催をしようじゃなく、レスちゃん宅の赤ちゃんが無事に産まれて少し落ち着いてから開催をしようと、そのようになった。

 どうも何時でもお見合いが出来ると分かったので、気分的にもだいぶ余裕が出来たみたいで、ドワーフの村で少し落ち着いてから開催した方が上手くいくんじゃないかという結論になったようだ。



 そして現在、恩人であるレスちゃんの奥さんが出産が一段落するまでに、この村を少しでも快適にするよう頑張ると張り切っている。

 自分達の普段している仕事だけじゃなく、あれから環境設備なども率先して手伝ってくれている。

 何でも、自分達もいずれ、ここで結婚して子どもと一緒に住む事になるのだから、少しでも良くしたいとの事だ。

 そのような訳で、本日も村が発展させるようにドワーフの人も移住して来た人も全員一体になって頑張っている。



 それから、半年後。

 レスちゃんの弟が出来、ドワーフの村では、ベビーブームになった。

お読み頂きありがとうございます。

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