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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第七章 滅亡しそうな種族を救うのです!
56/81

第56話は、一年後の村。

よろしくお願いします。




■ ■ ■ ■ ■



 ドワーフさんの村に来て、早一年。


 その間も色々出来事があったけど、やっと新たな村の形が見えてきた。

 新たな設計図を作り、その通りならドワーフ族を村の中心に置いて、徐々に外に向かって違う種族が住むように開発を進めていく考えになっている。

 まあ、いずれドワーフ族も増えて外に行く事になるかもしれないが。


 ちなみに家と家との間隔を少し空けている。

 何故なら、あの運命のグループ分けから一年も経つと、結ばれる人が続出して、もう既にお腹の大きい妊婦さんもいるくらいなのだから。

 まだ目立たない妊婦さんも含めると、二十人くらいにはなりそうだ。

 来年の今頃には、ドワーフ族の村に第一次ベビーブームが到来しそうな気配である。


 そうそう、レスちゃんのご両親は半年前にお土産をいっぱい買って帰ってきた。

 レスちゃんは、泣きながらご両親に抱きついていて、それを見た私達ももらい泣きをしてしまった。

 ご両親と話しをしたところ、本当なら一日でも早くレスちゃんの元に戻りたかったんだけど、折角王都まで来て、手ぶらでなんて帰れない。

 病気が治って後顧の憂いもなくなったから、少しでも村の発展に協力できるよう、毎日必死になって勉強をしてきたとの事だ。

 確かに、戻ってきた時、疲れきった顔をしていた。

 万能薬をあげたら、翌日別人のような顔をしていたので驚いたくらいである。

 それから半年後の今、レスちゃんのご両親もベビーブームの波に乗ったようで、ゴンザさんもレスちゃんも大喜びで、赤ちゃんが産まれるの一日千秋の思いで待っている。


 そういった経緯もあるが、赤ちゃんがたくさん産まれそうだとの事で、村の総力を挙げて託児所やら診療所などの複合施設を作った。

 村の若い衆だけでなく、年配のドワーフさん達も新たな住人を迎え入れる為に昼夜を問わずに働いて頑張って作った。

 ……というのも、この村の一番最後に生まれたのが、レスちゃんであり、ここ数年ドワーフの村に赤ちゃんが生まれなかったのだから慌てて設備を整えるのも仕方のない話である。


 その為、村全体が半分お祭り騒ぎになり、今回は自分に関係なくても、次は自分の番(子どもか孫)かもしれないという事で、村全体で協力して立派な複合施設を作ったのだ。

 そして、その作業もようやく先日終わったのだ。

 ある意味ここまで望まれて産まれてくる赤ちゃん達は幸せだろう。

 何と言っても村全体で、祝福してくれるのだから。

 だから早く生まれてきておいで。



■ ■ ■ ■ ■



 村の建物が完成してから、レスちゃんのご両親は、ドワーフの村でなくなった技術や王都での最新の技術を組み合わせたりして研究を始めた。

 そしてお母さんは、身重という事もあり夢見るテントの中、テレビを見たり本で新たな研究というか論文を書き始めている。

 あまり無理をしないように恵とお紺を手伝わせて休憩などをこまめに取って貰っている。

 また適度に散歩などもして母体の健康に気遣っている。

 まあその他にも、私がこの村に居る間だけになってしまうけど、万能薬を妊婦さん全員に週に一度少量ずつ飲んで貰って、お母さんと赤ちゃんが元気になるようにしている。


 そんな中、レスちゃんのご両親は、なくなった技術や最新の技術など、三日に一度、三時間ほどの勉強会を村人に始めた。

 当然、全員参加だ。

 おかげで、技術というか知識だけは往年の時まで戻っているらしい。

 ただ残念ながら病気のせいで知識に比べ、経験値が圧倒的に足りない。

 ご年配のドワーフの方でも経験値が半分にも満たないくらいなのだから。

 その為、老いも若きも男衆は、朝早くから晩まで一生懸命仕事を頑張っている。

 

 少し心配なので、三日に一度の勉強会で集まった際に保険として万能薬を少量飲み物に入れて飲んで貰っている。

 この万能薬は、病気だけでなく疲れなどの回復が少し早くなるとの事なのであまり休んでないドワーフさん達にピッタリである。

 本当は、万能薬に頼らず休んで頂きたいのだが、ドワーフの皆さんは私が止めても仕事をしに行くんだからどうしようもない。

 それに、あんなキラキラした目をされては、止めようがない。

 仕方ない……、仕事を毎日する度に魂の色がキレイになっていくんだから。

 私も自分の使命として、ドワーフさんが健康でいられる為に動くしかないと決意をした。



■ ■ ■ ■ ■



 そして現在、倉庫にはドワーフさん達が作った物で溢れている。

 毎日、朝から晩まで休みなく作り続けていれば、そうなるのは道理である。

 彼らは職人肌なので、気に入らないと炉に入れてしまおうとするが、そのような物でもネコミミさんの村で見たより明らかに品質がいい。

 廃棄してしまうには、勿体無いのだ。

 その為、現在ネコミミさんの村とラミアさんの森にそれを持っていって食料と物々交換をしている。

 働けるドワーフさん達全員が鍛冶仕事をしているので、食料が足りないからである。


 当初は、村にあった食料やネコミミさんの村やラミアさんの森で貰ったもので補っていたが、ずーっと頼っていてもよろしくない。

 それで作った道具などと交換する事にした訳である。

 商品の輸送は地竜便。

 安全、安心、早くてエサだけで頑張ってくれて非常に便利だ。

 そのうち、王都にも輸送をしていきたいと思っている。


 ……と、この一年の間の出来事は、ざっとこのような感じである。


お読み頂きありがとうございます。

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