第49話は、魔法少女?の悩み。
よろしくお願いします。
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青木 恵。
魔法少女でありながら、世界を司る竜でもある彼女は、うら若き乙女である。
当然、そんな乙女だから嗜みもある訳だ。
例えば、お口や息が臭いって言われたら、誰でもスゴく傷がつくが、年頃の女の子なら尚更である。
当然、エチケットや身だしなみには多大な関心を抱いている。
今回は、そんなお話。
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ご飯を食べたら、キチンと歯を磨く。
臭いのキツイ物を食べたら、薔薇のジュースを飲まないといけません!
ふぅ……。
私は、たまに息を吐く事があるから口臭のチェックは、常に欠かせません……。
もしあの魔法少女の息が生臭いとか言われたら……これから先、生きていける自信がありません。
『はぁ~っ』
「大丈夫よ、姉さん。ちゃんとフローラルの香りがするわ」
「ありがとう、お紺ちゃん」
「でも偶にやるドラゴンブレスも大変ですわね……」
「本当に……」
「でも、吐いた息が臭いって言うのが噂になったら、乙女として最悪ですものね」
「そうそう……。でもお紺ちゃんは、息吐かないから楽でしょ?」
「……でも、私変身するとモフモフで抱きつかれる事多いから、あまり汗をかかないようにしてるのよ。万が一、獣臭いって言われたら、しばらく立ち直れなさそうですもの」
「確かに、私にはそのような悩みがあまりありませんね」
「特に梅雨時は、大変ですわ……」
「夏じゃなくて梅雨時?」
「あの季節って、毛がすこし湿って、フンワリ感がなくなるんですよ。もし触れられて、あれ?思ったのと違う……って言われて御覧なさい。確実に三日間、塞ぎこむの確定ですわ」
「わかります。私も鱗を触られて、何か思ったのと違うと一回言われて、半月重い気分でしたから……」
その後も恵とお紺の悩み話は、まだまだ続いた……。
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【ある街のウワサ】
【男性A】「いや~、ドラゴンってフローラルな香りの息を吐くんだな」
【女児A】「あのドラゴンしゃんの吐く匂い好き~」
【女性A】「あの匂い、どっかに売ってないかしら?」
【女性B】「香水にしたら、きっと売れるわよね~」
【女児A】「でも、キツネさんの匂いも好き~」
【男性A】「あのムフモフ、一度触ってみたいぜ!」
【女児A】「私、さわった~」
【女児B】「私も~」
【女性A】「私も触らせて頂いたけど、毛並みが素晴らしかったですわ」
【女性B】「私も触ってみたいですわ~」
【男性A】「俺も一度でいいから触りたいな!」
【女性A】「女性と子供なら、触るの大丈夫みたいですけど、大人の殿方は触らせないみたいですわ」
【男性A】「モフモフが~」
【女性A】「ご愁傷さま」
その後も、恵とお紺のウワサ話は続いたけど、概ね良い匂いだのモフモフだの言われたが、魔法少女に関する話は、一切出なかった……。
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