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異世界育成マニュアル【魔法少女を育てよう】  作者: パステルカラー
第六章 魔法少女活躍?編
48/81

第48話は、城下町の守護竜。

よろしくお願いします。




◆◇◆◇◆◇◆◇



 【金色のドラゴン】


 お名前……ゴルド。

 恵に脅されて、自分で壊した城下町を復興中。

 今回は、そのお話。



 Q.前話で今章は、恵が主役って言ってなかったっけ?

 A.言ってました。

 次話は、恵が主役になります。

 ちなみに次話でこの章が終わります。

 短いんです。

 だから、ここに説明文を入れているんです。

 この章が終わったら、通常モードに戻ります。




◆◇◆◇◆◇◆◇




 金色のどらごん君。

 本名【ゴルド】247歳のやんちゃ盛りでした。昨日までは……。

 ただ昨日、魔法少女メグミンに傲慢な心をパキパキに折られ、傷心中。

 そんな傷心中の彼ですが、心を癒す時間は与えられていません。

 何故なら、魔法少女メグミンが何時ここに来るかわからないからです。

 サボっていたら、どのような目に合うかわかりません。

 昨日は、違う世界に行く一歩手前でした。

 もし違う世界に行ったらチートになれるんでしょうか?(←既にチートです)

 でも、きょくりょく違う世界に行きたくないので、街を直す事にしました。



 ※お気づきかと思いますが、彼は昨日の出来事で少し心が病んでいます。

 少し幼児化してしまったようです。

 今回は、それが良い方向になります。では、続きをどうぞ。




■ ■ ■ ■ ■




 ゴルドは街の復興を始めた。

 一年目は、街の住民は誰も怖くて近寄ってこなかった。

 昨日、暴れていたドラゴンが復興をしても植えつけられた恐怖はそんなに簡単に拭い去れないのだ。

 幸いにして、街の住民に死人やケガ人が出なかったのが救いだが、もしそのような人が本人や家族に居たら、きっとそれどころじゃなかっただろう。



 ゴルドは、それでも一日も休まずに街を復興し続けた。

 そう……それが贖罪だから。

 本音は、魔法少女メグミンの影に怯えていたから。

 とりあえず魔法少女メグミンが来る前に少しでも見れる形にしようと、それこそ寝る間も惜しんで頑張った。

 ……と、そんな感じで一年が過ぎた。




■ ■ ■ ■ ■




 それから二年が経過した。

 もう三年も経つと、ゴルドに見慣れてきたのか、ゴルドの近くで作業をする者達が現れた。

 まだ警戒は怠らないが、何時までも遠巻きにしていても何も解決しないし、生活なんて出来ないからだ。

 そして街は、以前の活気を取り戻してきた。

 ゴルドは、復興した街を見て思った。

 このままじゃ、きっと難癖つけられて、異世界に行くんだよなーって。

 まだ僕は、250歳。(俺から僕に変わった。幼児化がここまでで止まって幸いだ)

 これからが僕の竜生だよ。

 その為にも頑張らないと!

 そんな太郎達は、金色のドラゴンの話を風の噂で聞いて見守っている。




「恵、あの金色のドラゴンさん真面目に頑張っているみたいだね?」

「はい。先月、どらごん君にばれないように遠くから見たのですが、一生懸命お仕事をしていました。サボっていたら、お仕置きをしようと思っていたのですが、その必要はありませんでした」

「きっと、恵の言葉が彼に響いたんだよ」(←太郎は、恵からちょっと話をしたら改心したと聞いている)

「話せば、ドラゴンも分かるんですよ♪」(←殺しかけた事を忘れて、自分では話した事になっている)

「じゃあ、しばらくこのまま見守ってあげようかね」

「はい。そうしましょう」



 と、まあお互いに気持ちというか何かが勘違いしている事に気付いていないが、結果は一緒なので特に大きな問題はない。

 お仕置きされて直すか、自発的に直すかの違いだ。

 幸い、幼児化した事によって真面目になり、血の雨を降らさないで済んだ事はゴルドにとっては良かったけど。




■ ■ ■ ■ ■



 五年後。

 もうそれくらいになると、街に住んでいる子ども達がゴルドの近くにきて話すようになった。

 子ども達にとってゴルドは、物心ついた時から街で発展のお手伝いをしているので、やんちゃで暴れん坊な頃のゴルド君を知らないのだ。

 子ども達はゴルドに話しかけ、ゴルドはたどたどしくだが頑張って話を返していた。

 その様子を見ていた大人達も少しづつだが、心を開いていった。

 何故なら、ゴルドは五年間一日も休まずに街の復興と発展をし続けたからだ。

 もうそこにはやんちゃな昔の姿など垣間見えない。

 ただひたすらに街の復興をしている姿に、何時の間にか街の人達も仲間意識を持っていたのだ。

 そして街は、以前より活気も出ている。

 何故なら金色のドラゴンがいるので、悪さをする盗賊やら魔獣が警戒して近寄ってこないからだ。




■ ■ ■ ■ ■




 十年後。

 ゴルドの周りには街の老若男女が集まっていた。

 今、ちょうどお昼時だ。

 三年ほど前の夏から、ゴルドの周りでお昼を食べる人が出てきた。

 理由は簡単。

 ゴルドの影にいれば、日差しが防げるから。

 そして昨年からは、更に躊躇しなくなってきた。

 ゴルドに寄りかかってご飯を食べる人が出てきた。

 理由は簡単。

 鱗がひんやりとスベスベで気持ちいいから。

 人間とは、一度やると躊躇しなくなる生き物である。

 もうすっかり癒しの場になりつつある。

 ゴルドは、ゴルドで幼児化してから一時期寂しかったので、このような扱いでも結構嬉しいのだ。

 本当は、寂しがりやが原因でやんちゃ坊主になったのかもしれない。

 ……と、まあそんな感じで街は、ゴルドをすっかり受け入れたのだった。




 そんなゴルドを陰から見るドラゴンが……。

 (↑恵ではありません)




■ ■ ■ ■ ■




 三十年後。

 この城下町は、この世界でも有数の街に変貌した。

 そこにある知らせが……。

 狂った魔獣達がこの街に向かっているとの事だ。

 ゴルドは、街を守る為に外に出た。

 そこには、万を超す魔獣達が……。



 もうそこには、やんちゃだった頃のゴルドはいない。

 万を超す大群に飛び込むゴルド。

 傷つけられ、それでも諦めない闘志。

 もうあの恵にお腹を出して降参したゴルドはそこにいなかった。

 そこに一匹の金色のドラゴンが現れた。

 あの陰から見ていたドラゴンだ。

 そのドラゴンは、ゴルドを助けるかのように飛び込むと一緒に魔獣を撃退していく。

 だけど、いくら強くてもたった二匹のドラゴン。

 徐々に体中に傷がついていく。

 そして、もうダメダと思ったその時!




「そこの魔獣よ……。大人しく家に帰りなさい!」(少し成長した物言い)

「早く帰らないと、恵姉さんにお仕置きされてしまいますよ!」




 場違いな雰囲気のもと、二人の魔法少女が現れた。

 いや、もう魔女か。

 魔法少女を否定した途端にきた殺気は何だ……。

 死ぬかと思った……。

 横に助太刀に来たドラゴンも打ち震えている。



 そのメグミーンからの殺気を受けた途端、他の魔物がサーッと波が引くように離れていく。

 狂った魔獣達だが、本能で危険と判断したためだ。




「恵姉さん、どうやら狂犬病みたいな感じですね」

「なら、どうしたらいいかしら」

「私にお任せを」



 そういうと、もう一人の魔法少女が呪文を唱え始めた。

 お二人とも魔女じゃなく魔法少女ですよ。うん!

 詠唱が終わると、辺りに優しい光が舞い降りた。

 魔獣もドラゴンの傷も癒えていく。

 魔獣は傷が癒えると、散っていった。

 多分、自分の住処に戻っていったのだろう。

 先程の目と違い穏やかな目をしていた。

 魔法少女のお二人は、ゴルドの肩?をトントンと叩くと、微笑みながら去っていった。




■ ■ ■ ■ ■




 ゴルドが街に帰ると、街中の人がお礼を言ってきた。

 ゴルドが自分は、結局ダメだったと言ったが、街の人はそれでも温かく迎えてくれて口々にお礼を言った。

 そして、途中で助けてくれたドラゴンもまた街に迎え入れられた。

 この助太刀に入ってくれたドラゴンだけど、どうもメスらしく二十年くらい前からゴルドを気になって時々見に来たらしい。

 ……と、そんな訳でゴルドにも春がやってきた訳だ。




■ ■ ■ ■ ■




 【後日談】



 この城下町には、一対の金色のドラゴン像がある。

 何でも昔、魔獣からこの街を守ったという言い伝えがある。

 そして、この街に有事があると、近くのゴルド山から金色のドラゴンが飛んできて守ってくれると言われている。

 そして何でも『子育ては、自然が一番』と言って山で暮らし始めたと言われている。

 まあ、その言い伝えが本当かどうかは分からないけど、この街ではドラゴンを隣人として常に親しまれているという事実だけは、本当だ。

お読み頂きありがとうございます。

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