第16回 第3会場 17 『 皇后筆頭候補(代理) は、“粛正皇帝”の最愛を求めない。』
作品のURL → https://book1.adouzi.eu.org/n0928hv/18/
タイトルから最近流行の系統の一つでもある白い結婚系なのかなという印象。
わりと女性向けに書かれていることも多く、読者は選んでしまいますよね(私は好きです)
これは正しいやり方で、全読者受けするタイトルで、よくわからなくなってしまうよりも、狙ったターゲットをしっかりと刈り取れているかと思います。
書籍化されていても、違和感の無いタイトルですね。
さてさて。
『差し出された右手を見て、これはなにかの挑戦状かと思った。』
で始まる冒頭部。
時系列的には物語のどこかのワンシーンを切り取って始まるスタイルですが、いわゆる「どうしてこうなった」系の書き出しは個人的には避けた方が良い表現ではないかと思っています。
冒頭部分ということもあり、本来は読者を引き込む要素を満載すべきなのですが、オチが無い状態で「どうしてこうなった」的な書き出しでは、先に読み進めるための推進力としては、むしろブレーキになるのではないかと考えているからです。
勿論、この冒頭部分が物語の終盤への大きな伏線だったりすると違ってくるのですが、この作品では、単に、書き出し4000字内の情報を提示する順番の組み替えにしかなっておらず、効果という点ではマイナスに働く、そんな印象を受けました。
数万字程度の短編から中編くらいのボリュームなのか、長編になるのかは判断がつきませんでしたが、設定やキャラとしてはしっかりと組み立てられている印象があり、文章自体も非常に読みやすい印象を受けたのですが、書き出し4000字を競うということを考えると、ややインパクトにかける平坦さを感じます。
例えば4000字の中で、人が大きく動くシーンとなるリーザがヒルデに平手打ちをしたところが非常にあっさりと記述されていましたが、この部分を思い切って冒頭に持って行き、ヒルデには鼻血を出して吹き飛んでもらった上で、(皇帝に見られてしまった!)のような表現からスタートでも良かったんじゃないでしょうか。
平手打ちのシーン → 皇帝にダンスに誘われる → 10日間で狩る決意表明
この3シーンに絞ってスピード感のある構成とした上で、もう1つか2つのシーンを盛り込むというようなことが充分可能な世界観の作り込みはあると思うのです。特に社交の場ともいえる場所で平手をくらったヒルダの悪役っぷりが少し弱いので、そのあたりももっと強めにエンタメに振り切った形で4000字に詰め込んでみるというのも一つの解な気がしました。
読み取れる範囲で設定としてはとても好きな作品だったのですが、オーソドックスにまとまっている分、もったいないなという感じで読ませていただきました。




