第11回 第一会場 22.『円環を貫く者/やがて屍か英雄か』
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【タイトルについて】
ここでも円環を貫く者が屍になるか英雄になっていくのかという物語なんだということは、読者にストレートに伝わってきます。
スラッシュの使い方に意味があるのでしょうね。
どういう使い方をするかというのは個人差があるでしょうが、私はスラッシュの左辺と右辺は=で結べる意味で使っり、反語で使ったりしますね。
なにか深い意味が、このスラッシュにあったりするのではと、ぞくぞくしてしまうタイトルです。昔で言うところの両A面でしょうか。
一方で『円環』という表現自体にはどういった意味を持たせているのでしょうか。
わりと運命であったり輪廻的に使わられる作品が多いように感じています。円環少女とか面白かったですね。
こお作品
で取り扱われる
【あらすじについて】
あらすじは、うまく作品の方向性を出せていますね。
一文入れるとすると『戦わなければ死ぬ』の手前までに女が銃を差し出すようなシーンを入れた方が、『銃を掲げて』が唐突じゃない気がしました。
魔術、魔法陣、魔法という表現が統一されていない部分に、特段の意味がないのであれば統一した方が良いかもしれません。
【内容について】
この作品も情景描写から始まります。
読者の主観にも届きやすい音の描写からなので、個人的には好きです。
私は世界観を感じ没入させるのは視覚よりも聴覚や嗅覚に訴えた方が早いんじゃないかなと、日ごろ感じています。
『蛍光色』は何色なのでしょう。黄色、赤などいくつかの色の候補があります(蛍光ペンの色を想像)。『薄曇りの空に照らされた砂色の荒野にあって、その異様な色彩』が少し情景を渋滞させているように思えます。
せっかく、音から入った世界ですので、そのあとは何らかの単色で情景を際立たせた方がいいかもしれないですね。
『あれを壊せってか』という主人公の一言の入りは良いと思います。
なんとなく、脳内でキャラの性格付けがカチりとはまりました。
ただその直後に『蛍光色の滑空』と続くことで、やはり情景の渋滞が続いてしまっているように感じます。
『彼の左腕が火を噴いた』が主人公の核となる部分なのですね。
そうであるなら『彼の左腕が火を噴いた』として説明を後に回してしまった方が、より印象的になったかもしれません。そしてその後に続ける描写も簡素なものとし、ただ『撃ち抜かれた魔方陣は四散した』くらいで次のシーン、『見事だ』に繋げるというのも、一つの手だとは思います。
主人公の名前は、カナのままの方がいいですね。万年青はついつい、「まんねんあお」と読んでしまいます。
数分前に召還され左腕が銃になってしまったばかりだというのに、主人公の心情描写が薄すぎるように感じました。
何か背景があるのでしょうか。
背景があるのであれば、簡単でもいいので、書き出しの中で埋めた方が良いと思います。主人公のキャラがしっかりと立ち上がるまでは、感情移入ができない描写を避ける方が無難です。
『名残惜しくはないけど』は銃自体への描写だと思いますが、召還→腕が銃→魔方陣をぶっ壊すまでが数分という状況で高校生が発する言葉なのかという点まで考慮する必要があると思いました。夢だと思っているくらいなら解らなくもないのですが……
場面転換後も少し唐突のような気がしました。
読み手を置いてきぼりにしてしまうような、そんな展開です。
ラストシーンで出てくる『魔術師の青年』は前半で出てきた『術者』なのでしょうが、同一人物としてつながる描写が欠けているため、主人公はわかるかもしれないけど読者はわからないという状況になっています。
全体を通して物語が始まっているようで始まっていないという印象で終わってしまっております。
情景描写に文字数を割かず、物語を進める方に寄せたり、そもそも最初の魔方陣を破壊する部分がストーリー上の必然でなければ省略してもいいような気がします。あるいは物語の時系列としての最初を描くのであれば、もう少し戦いに身を投じるまでの心理描写に丁寧さが欲しいなと感じました。
左腕が銃というのはコブラが流行した世代を生きてきた身としては、もの凄い好みなんですけどね。




