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第11回 第一会場 1.『ララとロロの終末時計』

ここから第11回の作品です。

今回は作家としての参加はしておりませんので、伸び伸びと感想を書かせていただきます。相変わらず感想というより、私ならこう書くといった技術的な部分が多くなりそうですが。


https://book1.adouzi.eu.org/n2293gq/2/

【タイトルについて】


 小説家になろう向きかというと、そうでもない気がします。

 良い悪いは別として、今のなろうのファーストビューやランキングでの仕組み上、タイトル自体に、あらすじ的な要素がある方が有利という傾向があるので、その点では不利に働くタイトルかと思います。

 

 一方で作品の趣味嗜好的に刺さる人には刺さりそうなタイトルです。

 作品を大切にする方のタイトルの付け方ともいえる気がします。

 どんな作品なのでしょう。

 わくわくします。

 

【あらすじについて】


 プロローグが4000字以内という制約があるなか、エピローグまでのインデックスをあらすじに表現するのは面白いですね。2~3万字の短編的な内容であることを読者に明示できている部分は、タイトルで嗜好での絞り込みが完了していることを考えると、良い手法のような気がします。

 

 一方で、あらすじ自体は組み立ての工夫がもう少しあっても良いかと思いました。

 

 あらすじを読んでいてテンポの悪さを感じたのは以下の2か所です。

 

『いつから集め始めたかわからないコレクションは無限に連なる部屋のあちらこちらに飾られている。その世界、時代ごとに移ろいゆく物たちは無限にあるので、自分たちの体がひとつずつしかないことを嘆いていた』

『そして、便利な時計もあったものだと時たま掃除をしてあげていた。』


 この二つを省いてもあらすじの構成には影響しないのではないでしょうか。

 その上で冗長的にならない、あらすじとしてのエピソードをもう一つくらい差し込めると、より完成度が高くなったように感じました。


【内容について】


 情景描写から始まる冒頭。

 視点は港町の海際。

 海鳥→波止場と情景が動くのにも関わらず、次のセンテンスで街中に視点が動いてしまうのは勿体無い気がします。特に『そんな街中』につながる直前が波止場の情景なので、『波止場の近くには露店が並び多くの人が行き交っていた』くらいの視点移動があった方が読者の入りがスムーズではないでしょうか。

 

 『大人』と『少女』の対比は美しいですね。

 まるでモノクロの『大人』に対し『少女』というカラーの存在が雑踏の中で際立っています。

 字数的に余裕があるなら、歩くスピードも周囲の大人との対比で表現できると、よりスポットが当たるような印象が出ますし、そのあとの『足を止めた』が効いてきます。

 

 非常に細かいですが、『あら、いい香り』は足を止めた後の方が良かったかもしれないですね。

 一番最初の「音」ですので、動から静に遷移後の方が、より美しくなる気がします(ドラマが始まるという印象が強くなります)

 

 「音」が入ったあたりから徐々に没入できていきます。

 面白いですね。

 キノ的な要素をもった色々と変わった世界を探訪する作品になるのでしょうか。

 エピローグがすでに定義されていますが、アイデア次第でいくらでも物語を作れそうですね。

 プラットフォーム的な世界観になるので、これは強いと思いました。


 没入後の部分でも、いくつか気が付いた点を。

  

『軽く手を振って少女は店を後にする。その背中に向かって「またのお越しをー!」と元気な声が響いた。』の部分ですが、ここはストレートにララが消えてしまって、「あれ? お姉ちゃん?」というような締め方でも、より面白かったんじゃないでしょうか。


 幼い女の子のお父さんの『お腹がいたい』は、軽めの伏線で「重病だったひいひいおじいちゃんが助かって」くらいのエピソードをロロのシーンで挟んだ方が、幸運の石などという対価として価値があったかどうか謎なものを先祖伝来のものとして持ち続けた動機付けになったように感じました。実際に物々交換ですと、直接消費できるものじゃない限り、女の子が親に怒られるだけになりそうですので。


 週末時計は何度かⅫの手前で粘るような表現があった方が、滅びに対してのスリリングさが少しでる気がしました。

 

 『あーあ、やっぱりまたこのパターンか』以下は、読者の感じ方を意識して組み立てを再考してみると良いかと思います。3回くらい読み返したのですが、どうしてもこのセリフの下から物語の厚みが減っているように感じました。これは世界が滅びたことに対してララとロロの人間味のある感情の動きを感じられなかったからだと思います。もちろん、キャラ設定としての特性もあるのだとは思いますが、『水晶玉から眩い光が発せられた。』の後に、「数刻ほど部屋の中は静寂に包まれた」といった、どこか寂しさや滅びてしまうことへの諦めの表現があった方が、より今後の物語がスムーズに動き出す気がしました。


 人を選ぶ作風ですので、どのくらいの票をとれるかという点では分かりませんが、前述の通り世界観が物語を紡ぎだすプラットフォームになる作品構成ですので、書き出し祭りとしての優劣以上のものがあると思います。作家内では玄人受けしそう。2話目、3話目が楽しみな作品ですね。


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