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第10回 第二会場 16.『君が動けないなら、僕が君を頂上へ連れて行く』

https://book1.adouzi.eu.org/n0183gl/17/

【タイトル】

なんだろう。

頂上を目指すんですよね。

山登りですよね。

『生徒諸君』の沖田君からみの例のシーン、『探すなら頂上です』がぶわっと過りました。

登山の話だったらいいなぁ……


【あらすじ】

ゲームかい!

すみません、勝手に期待していただけです。


あらすじとしては……失敗かな。

まるでゲームの説明書。

これは作者読みする読者じゃないと引っ張れない気がしました。

作者が読者にどういう風に読んで欲しいかというもの、あらすじの重要な要素だと思うのです。

「そうなんだ」と思われたらお終いな気がします。



【構成】

構成としては冒頭の地の部分と残り……になるのかな。

会話文が中心なので、明確にシーンとして分かれる感じでも無いんですよね。

ということで2シーンでの感想となります。


① 冒頭地の文(『当たり前だろ?』まで)


『僕はタマ』だったの書き出し。

このインパクトは夏目漱石級ですね。

とりあえず読者をぶんなぐってくるスタイル。


勇と優。

球なのに男女の差があり、動ける球と動けない球の2属性があったり。

設定だけで読者を混乱に落とした上で、冒頭ですら、そのまま強引に引っ張り続ける筆力。

すごいですね。


ここまで読むと、あらすじはわざとやったなということが見えてきます。

凄いなぁ。

書き出し祭りじゃなければ、あらすじでブラバされて、埋もれて終わるようなものかもしれないけど、この作品は凄いですよって思いました。


会話文のこり


厳密にはいくつかのシーンに分かれていますが、ただひたすら会話を繰り返しながら物語が進行していきます。

転生者であることとか、色々な情報が小出しにされながらも、頂上を目指すという目的のみがメインテーマ。

これって球だし、二人(二球?)は成長していくのかな。

もう理解のボーダーをオーバーラインしていますよ。


地の文でほとんど情景を描く必要が無いというのも凄い世界です。

無駄な会話のように見えて、どんどん世界へ没入させるテクニックはただものじゃないですね。


『僕は黙って優に近づくと、黙って軽くとんっとぶつかってみた』の表現、球なのに青春していてニヤニヤしてしまいました。


【総評】

これ、1万字前後の短編なんですかね。

さすがに、この設定で長編は厳しい気がします。

なので全文読ませてください、お願いします。


完全に書き出し祭りだからこその狙いに来ている作品に見えます。

また技術的な面では非常に高いように思えますので、あとは読者の好き嫌いだけなんでしょうね。

私は非常に好きです。


自我をもった二つだけの球が暗喩しているものは何なのだろうな。

作者の解説をきくと、ものすごい裏設定があるんじゃないかと期待しちゃいます(無茶振り)


二人の出会いとか、自我をもっていない球が出てきたりしたら面白いだろうな。

短編アニメで映像化したら、流行りそう。


いや、本当に面白い作品、ありがとうございます。

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