第10回 第二会場 16.『君が動けないなら、僕が君を頂上へ連れて行く』
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【タイトル】
なんだろう。
頂上を目指すんですよね。
山登りですよね。
『生徒諸君』の沖田君からみの例のシーン、『探すなら頂上です』がぶわっと過りました。
登山の話だったらいいなぁ……
【あらすじ】
ゲームかい!
すみません、勝手に期待していただけです。
あらすじとしては……失敗かな。
まるでゲームの説明書。
これは作者読みする読者じゃないと引っ張れない気がしました。
作者が読者にどういう風に読んで欲しいかというもの、あらすじの重要な要素だと思うのです。
「そうなんだ」と思われたらお終いな気がします。
【構成】
構成としては冒頭の地の部分と残り……になるのかな。
会話文が中心なので、明確にシーンとして分かれる感じでも無いんですよね。
ということで2シーンでの感想となります。
① 冒頭地の文(『当たり前だろ?』まで)
『僕はタマ』だったの書き出し。
このインパクトは夏目漱石級ですね。
とりあえず読者をぶんなぐってくるスタイル。
勇と優。
球なのに男女の差があり、動ける球と動けない球の2属性があったり。
設定だけで読者を混乱に落とした上で、冒頭ですら、そのまま強引に引っ張り続ける筆力。
すごいですね。
ここまで読むと、あらすじはわざとやったなということが見えてきます。
凄いなぁ。
書き出し祭りじゃなければ、あらすじでブラバされて、埋もれて終わるようなものかもしれないけど、この作品は凄いですよって思いました。
② 会話文
厳密にはいくつかのシーンに分かれていますが、ただひたすら会話を繰り返しながら物語が進行していきます。
転生者であることとか、色々な情報が小出しにされながらも、頂上を目指すという目的のみがメインテーマ。
これって球だし、二人(二球?)は成長していくのかな。
もう理解のボーダーをオーバーラインしていますよ。
地の文でほとんど情景を描く必要が無いというのも凄い世界です。
無駄な会話のように見えて、どんどん世界へ没入させるテクニックはただものじゃないですね。
『僕は黙って優に近づくと、黙って軽くとんっとぶつかってみた』の表現、球なのに青春していてニヤニヤしてしまいました。
【総評】
これ、1万字前後の短編なんですかね。
さすがに、この設定で長編は厳しい気がします。
なので全文読ませてください、お願いします。
完全に書き出し祭りだからこその狙いに来ている作品に見えます。
また技術的な面では非常に高いように思えますので、あとは読者の好き嫌いだけなんでしょうね。
私は非常に好きです。
自我をもった二つだけの球が暗喩しているものは何なのだろうな。
作者の解説をきくと、ものすごい裏設定があるんじゃないかと期待しちゃいます(無茶振り)
二人の出会いとか、自我をもっていない球が出てきたりしたら面白いだろうな。
短編アニメで映像化したら、流行りそう。
いや、本当に面白い作品、ありがとうございます。




