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第7回 書き出し祭り 第四会場 1.『THE上級国民』

https://book1.adouzi.eu.org/n0224ft/2/

第7回書き出し祭り、終了しました。

最後は自分の作品で締めたいと思います。

感想ではなく解説と反省ですね。


【タイトル】


 上級国民は、いわゆる時事ネタですね。

 私個人としては上級国民なんていない。

 池袋の不幸な事故において逮捕されていないのは、現行犯での逮捕が加害者が怪我のため出来なかったこと、それ以降においては逮捕の必要性がなかったことが原因とみております。


 ただ、上級国民という言葉が出るくらい格差社会の不公平感が拡がり、社会に閉塞感があるのかな。

 そう考えたところから、この物語の題材は生まれました。


 そして、格差社会が現実のものとなり、カーストが法的に制度化されてしまった日本。その中で本人が望まないまま成り上がってしまった主人公を中心とした物語。ゆえに上級国民の中でも特定の人物にフォーカスを当てた物語であることを表現する冠詞『THE』がついたタイトルとなりました。


 ネタ枠という評価もいただきましたが、鮮度の高い今だからこそ世に出したかった作品ではあります。


【内容】


 タイトルで解説した通り、現代の格差社会の怨嗟の声が『嘘から出た誠』のように実社会に適用されてしまった未来の日本の説明から冒頭は入ります。


 世界観の説明から入る書き出しをあえて「令和の時代が始まろうとした頃、俺達の先祖は馬鹿な事を言い出した」と、ナレーション的な地の文から導入しています。

 

 私が文章を書くとき、音を重要視します。

 一行目で語り部たる主人公が男であることを自然に表現し、脳内ナレーションの声を特定したい。そういう意図もありました。


 解説や世界の設定から入るのはタブーとする部分に対して踏み込むような手法をとったのが今回、書き出し祭りに作品を出す際のチャレンジの一つでした。読者を選ぶ書き出しを、どうテクニカルな部分で惹き付けておくかという意図は、多少成功したのではないかと自負しております。


 そして場面転換。


 ミハルの台詞から始まる冒頭ですが、むしろ書き出しとしてはここからがオーソドックスなのでは……という位置から始めて見ました。

 物語によっては時系列の頭と書き出しの頭を一致させない方が良い面もありますが、「プロローグ」好きな私としては、ついつい、ここから始めてしまいます(他の方への感想でも、時系列である必要は無いということを何度も書いていますが、すみません。私はここから始めちゃっています)


 スタートのカイトの憂鬱さは、綺麗にイメージに合うかわかりませんが岩井俊二監督の「スワロウテイル」の冒頭にある気怠い感じを表しました。これは第二回書き出し祭りに出した拙作『札付きの悪魔ちゃん』の背景も同じだったのですが、あのYen Townの雰囲気が好きなんですよね。ついつい使ってみたくなる世界観です。


そして、カモが来た……の件。これも『スワロウテイル』っぽいと勝手に思っています。

 

 中盤から後半については底となっている世界観が別にあります。

 こちらはカーストの世界観も全く踏襲してしまっているのですが、2012年に公開された『TIME』というハリウッド映画になります。


 この映画は貨幣の代わりに寿命(時間)が流通していて、貧困層は日雇いのような仕事でその日をつなぐようなことをしてります。確か未成年は無条件で生きていられるけど成人した瞬間から自力で寿命を増やさなければいけないといった世界だったように記憶しております。


 ・ミハルは死ななければいけなかったのか?


 これはこの先の展開を考えた場合、単なるサクセスストーリーではダメだと考えた結果の展開です。

 正直、人が死ぬ展開は嫌いです。

 とくに子どもが若い子が死ぬのは嫌なのですが、上級国民となった際の主人公の原動力として必要だったのです。ミハルちゃん、ごめんなさい。


 ・ミハルが死んだ後のカイトの反応が薄いことについて


 いくつか指摘があったのですが、権力者に虐げられてきた若者が、カースト上位の存在に瞬間的に感情を爆発させることは無いだろうという判断からでした。

 どうしようも無い現実に、思考停止してしまう。

 それが書き出し4000字におけるカイトの精一杯のリアクションでした。


 ・誤字脱字について

 仕様です。すみません。

 多分、これは字の読み方の問題なのですが、私はだいたい数行を一回で読み取って脳内で後追いで読んでいます。ですので、目が基本的に滑ってしまい、誤字多めになってしまうのです。読み上げも使って4~5回確認したんですけどね。自分で気が付いただけでも4箇所くらいありました。ダメですね。


【総評】


 作品は面白かったでしょうか。

 現在、なんとか連載できないかとプロットをまとめています。


 Twitterでは書きましたが、この話は基本的にボーイミーツガールです。

 屈折した社会と闘いながらも恋を育む二人の物語。

 身分差を乗り越えた先に、社会の変革が待っています(多分)


 どんな世界でも人は単純ではなく、それぞれの価値観で行動し、それぞれの正義で人を断罪します。


 そんな物語になる……といいなぁ。

 それよりも書く時間が取れるといいなぁ。


 そんな形で頑張っていきます。


 それでは最後に、ご投票いただいた方ありがとうございました。

 初の会場内入賞(2位)、総合でも6位(多分)という好評価をいただき、踊り狂っています。


【その他】


 創作論というわけではないのですが、私の中の書き出しの鉄則として、タイトルを回収する(あるいはタイトルの意味が伝わるようにする)、主要登場人物は出すという点を守りつつ、主人公の今後の役割や考え方の原点となるようなものを4000字に詰めることにしています。


 また書き出しは、アニメや映画などの最初の5分(OP前の映像)というイメージでいつも、映像化された状態を意識しながら書いています。


 この辺り、書き出しが難しいという方がおられましたら、少し参考にしていただければ幸いです。


【最後に】


 これにて第7回書き出し祭りの感想戦は終了です。


 最後になりますが、毎回お忙しい中、主催をいただいた肥前先生、公式サポーターとして動いていただいた玄武先生、雪月花さんのお二方、本当にありがとうございます。


 書き出し祭りは技量アップの場ですし、コミュニケーションの場だと思っております。

 是非今後ともよろしくお願いします。


 それでは第8回書き出し祭りの感想戦でお会いしましょう!


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