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第6回 書き出し祭り 第一会場 20.『「一生に一度のお願い」』

作品URL: https://book1.adouzi.eu.org/n4245fl/21/

【タイトル】

 面白いタイトルですね。

 「」で括られているという所も意味があるのでしょうか。

 

 タイトルからジャンルが特定できないというデメリットがありますが、一定の読者を引き込むタイトルであることは間違いないと思います。ノイズになる可能性もありますが、サブタイで読者に情報を与えるのもアリかもしれません。


【内容】 ※読みながら書いています


 ぐわっ。

 いきなりタイトル回収の上、重い内容。

 軽めのラブコメを想像していたので、カウンターパンチを食らったような衝撃。

 ああ、これは一気に没入させられそう。


 『ただ一つ、運命を除いて』


 この表現。

 詩的で美しいな。

 うまい表現です。


 そのまま一気読み。


 全般的に登場人物の年齢が把握しずらいですね。

 冒頭の部分、あとから9歳の経験という事が解るのですが、回想とはいえ地の文が大人っぽすぎるため違和感が強くあります。


 また『僕』と『僕の幼馴染み』と『雛』がいたというのも冒頭の部分の読み取りがしにくいように思えました。どうせだったらここで名前を出してしまっていた方が良かったかも。


 例えば冒頭部分。


----

病で自由に動けない体になってしまったヒナは、ぼくとサキと一緒に北海道のラベンダー畑へ行きたい、と言った。

----


というような形で名前を出しつつ、「ぼく」「ヒナ」「サキ」と平仮名やカタカナを使うことで幼さを表現してみるというような手法もあります。


 できるだけ読み手にストレスを与えない書き方というのは大切です。


 その後、時間が進んだことを表すため最初に「僕は高校生になった」といった表現を突っ込んでしまった方が良かったと思います。


 成長した『僕』が何歳になっているのか。

 最初にくる情報は「9歳」、その後「中学生」。

 実は受験を控えた高校生であることが判明するのは、さらにその後。


 作者が知っている情報を、どう読者に落としていくのかは強く意識しないと、せっかく作品のテイストは良いのに、読者の没入の妨げになっているように思えました。


 『咲妃』と『僕』の関係性も書き出し終盤の展開で、おや?ってなってしまいました。

 前の日、一生に一度のお願いをした咲妃が、アメリカへ引っ越し……すなわち転校をしたというのが、二人の関係から考えると唐突過ぎる気がしました。


 『僕』は知っていて読者が知らないというのは物語の構成上、必要なこともあるのは仕方無いのですが、一人称の展開としてはあまり気持ち良くない印象を受けました。


【総評】


 部分部分の表現の秀逸さがあるので、全体的に勿体無いという印象です。

 情報を小出しにするにしても、語り部と読者の関係はフェアであるべきで、一人称の物語であるのなら主人公が知っている情報と読者が受ける情報はある程度同一であった方がストレスは少なくなります。


 作品の味としては一人称の方が美しいと思うので、読者に唐突感を与えないような構成を目指した推敲があると良いかと思いました。


 書き出し祭り4000字という制約があったので展開を急いだのだと思いますが、もっとスローテンポの方が面白くなる作品なんじゃないかという気がします(Web小説向きかといえば難しくなってしまいますが……)

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